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北村憲一が高知・仁淀川の友釣りで見せた。大河川でも8.5m竿がオススメな理由

松村計吾

テレビ大阪系列で毎週土曜日朝6時50分から放送されている釣り番組「フィッシングDAYS」では、昨年9月に渇水、高水温、人為的プレッシャーという三重苦をものともせず、良型アユを入れ掛かりさせた模様を放映した。

その中で、北村さんが愛用する8.5mのアユ竿が威力を発揮。

本来なら仁淀川のような川幅が広い大河川、そして警戒心の高いスレアユに対しては長竿が有利とされていたが、それを見事に覆しての入れ掛かりには驚かされた。

北村さんの中では短い8.5mならではのメリットを生かしきっての釣りであったという。

もちろん、9m、9.5mというレングスにも有利な点は十分にあるのだが、状況に応じて使えば、大河川でも8.5mが効果的に使えることを教えていただいた。

【1】

8.5mのアユ竿を手に、ハイプレッシャーの仁淀川で入れ掛かりを演じた

高知県仁淀川の状況はタフのひと言

ロケの舞台となったのは、アニメ映画「竜とそばかすの姫」の舞台として知られる高知県仁淀川の上流部「浅尾沈下橋」の上流側エリア。

【2】

「竜とそばかすの姫」の聖地ともなっている浅尾沈下橋

実はこの日、すでにアユ釣り師が4、5人竿を出していたが、場所移動をするということで、北村さんの知り合いであったこともあり、その後に入らせてもらうことになった。

他のエリアはかなりの人出で、自由に竿出しできる場所はほとんどない状況だった。

その主な理由としては、猛暑の影響で高水温が続き、高知県下の河川のほとんどが釣りにならない状況で、かろうじて仁淀川のみアユが良く掛かっていた。

そのため、アユ釣り師が集結し、連日川は大混雑…ということになっていた。

連日、人為的なプレッシャーがかかり、アユの警戒心が強くなっている。

加えて、雨が少なく渇水状態が続いている…という「高水温」「高プレッシャー」「渇水」とまさに三重苦のような状況が続いていた。

【3】

三重苦ともいえる状況下で北村さんが竿を出す。作戦はいかに

そんな中、北村さんには作戦があった。

それが今回使用したアユ竿「がま鮎 競技GTI Ⅱ」シリーズに2024年新たに加わった「引抜早瀬8.5m」を使ったピンポイント釣法である。

北村憲一さんが語る大河川でも8.5mアユ竿が有利な理由とは

「素材の進化によって、今や大河川、小河川問わず8.5mのアユ竿を持つ人が増えてきましたね」と話す北村さん。

北村さんが今回、川幅の広い仁淀川のような大河川で8.5mの竿をチョイスしたのには理由がある。

それは

・短い分、軽量で操作性能が高く、オトリをピンポイントで止めるなど細かな操作がやりやすい。

・持ち重りがしないので、1日アユ釣りをしていても疲れにくく集中力が続き、最後まで繊細な釣りが展開できる。

・細身なので突然の強風などにも対応しやすい。

が、その理由。

オトリをピンポイントで止めやすいということは、それだけ細やかな攻め方ができ、一見、釣り荒れしているようなポイントでも、その中には小さい範囲で竿抜けがある。

そんな超小ポイントを攻めることで、人為的プレッシャーの高い人気河川でもアユを釣ることができるという。

【4】

8.5mの操作性で超ピンポイントを攻める北村さん

つまり、長い竿では見逃しがちな竿抜けポイントを丹念に攻めることで、見つけやすいというメリットがある。

もちろん、その際には狙った石の横や頭、上下流などでオトリをピタリと止めることで、野アユが我慢できずにオトリを追うポイントが必ずある。

そんな釣りを展開しやすいのが8.5mという長さなのだと言う。

また、丹念には攻めたいものの、現代のアユ竿が軽量であるとはいえ釣る時間が長くなれば、必然的に疲れが出る。

特に、トーナメントなど1回の釣り時間は短くとも、それが何度も続くような場面では、徐々に集中力も欠けてくる。

少しでも軽い竿を使うことで最後まで集中力を切らすことなく、繊細な釣りを続けることができるのもメリットである。

【5】

集中力を切らさなければ競技会でも最後まで繊細な釣りが展開できる

また、仁淀川などの大河川では、特に日中になると、突然風が吹き強風下での釣りとなる場合も多い。

そんな際にも細身で短めの竿であれば、風の影響を最小限にとどめることができる。

以上が、大河川でも8.5mのアユ竿を使うメリットである…と北村さんは話してくれた。

先調子のような操作感ながら、掛かれば胴に乗る使いやすいオールラウンダータイプで、競技会にも

「今回、追加された引抜早瀬8.5mは、もちろん短い分、軽量化にも成功しているんですが、特徴としては操作感はまるで先調子の竿のようで、いざアユが掛かれば胴に乗る調子なんですよ」と話す北村さんだが、そこに汎用性の高い「がま鮎 競技GTI Ⅱ」シリーズの優位性が含まれている。

【6】

競技向けながら汎用性の高い「がま鮎 競技 GTI Ⅱ」シリーズ

【7】

今回、北村さんが使用した「がま鮎 競技 GTI Ⅱ 引抜早瀬8.5m」

一般的に、競技シーンでは先調子の竿が好まれている。

理由としては感度が良く、勝負が速いから…という人が多い。

特に数釣りが主体であるアユの競技では、小型のアユでも1尾は1尾である。

「基本的に胴調子の竿のほうが小型のアユも弾くことなく掛け、取り込むことができます。その1尾で勝ったり負けたりするのも競技会ですね」と北村さん。

また、早瀬タイプの8.5mだが、実際には24、25㎝のアユと十分に渡り合えるパワーを秘めている。

そのため、シーズン初期から盛期のアユまでが、この1本でいけるのもありがたい…と北村さん。

ちなみに、今回のロケでは釣り人が攻めた後に入った北村さんだったが、最終的には竿抜け、サラ場を見つけて20cm超のアユを連発させた。

具体的には、いかにも良さそうなポイントでは、あまりやる気のなさそうな野アユがポツリ、またポツリと本来の反応は得られなかった。

徐々にポイントを移動しつつ、掛かるアユの様子を見ていたが、途中で追い星がくっきりと出た追い気のあるアユが掛かった。

【8】

追い星もくっきりとした20㎝級のアユが、入れ掛かりのきっかけをくれた?

ここぞとばかりに、その周辺を丹念に攻め始めると、狙った石の横、頭でピタリとオトリを止めて野アユをじらす。

すると、ペースこそ遅めだが、状態の良いアユが掛かり始めた。

竿抜けを見つけると、さらに周辺へ攻める場所を広げて同様に繊細な釣りを展開すれば、徐々に掛かるアユのペースが上がってきて、最終的には入れ掛かりを演じた。

最初の1尾が掛からなければ「釣り荒れているので場所移動」という具合になってもおかしくはない状況下で、見事にきっかけをつかんでの入れ掛かりはさすがであった。

●交通:高知自動車道「伊野IC」で降り、高知西バイパスを西進。

「天神IC」で降りて突き当たりを右折し、県道36号を仁淀川沿いに上流へ。

(文・写真/松村計吾)

「北村憲一が試し振り 新竿で仁淀川アユ攻略」

※当日の様子は、YouTubeフィッシングDAYS「北村憲一が試し振り 新竿で仁淀川アユ攻略」https://youtu.be/jtcgPtn4jWUで視聴できる。

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ライター紹介

松村計吾

松村計吾

大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。

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