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鳥取のオモリグで爆釣必至のドロッパーカラーローテ4タイプ。「釣れているうちに交換」が決め手!?

松村計吾

【テレビ大阪系列・毎週土曜日午前6時50分放送「フィッシングDAYS」サイドストーリー第30話】番組内で話題になったワザ、アイテムについて”深堀”するもう1つの「フィッシングDAYS」。

夏場を代表する船釣りゲームといえば、ケンサキイカ釣り。

ライトな手巻きタックルに鉛スッテ、ドロッパーというシンプルで扱いやすいリグで、誘いをかけてイカを乗せる。

女性やお子さんにも扱いやすいタックルで手軽に美味しいケンサキイカが釣れると、人気は上昇の一途をたどっていますね。

特に関西圏からも数時間で行ける鳥取県沖では、5月のシーズンインから「大剣」と呼ばれる胴長40cmを超す大型ケンサキイカもまじって好調を持続しています。

この方面ではイカメタルよりも、20~30号のオモリを利用し、リーダーの先にエギを接続した「オモリグ」での釣りが断然釣果を上げています。

イカメタルよりもビギナーでも簡単に「大剣」が釣れると評判のオモリグですが、エギのカラーやそれらのローテーションで釣果に大きな差が出るのも事実です。

今回は、山陰、特に鳥取県沖のオモリグで効率のよい必携ドロッパー選びと使用方法について紹介しましょう。

鳥取沖 剣先ゲーム エギのローテと聞き誘いで入れ乗り

シーズン初期の鳥取県沖で目標は胴長40cm超の「大剣」

鳥取自動車道の延伸により、大阪からでも3時間かからずに釣行できる鳥取県の各沖。

例年、5月のシーズンインからいきなり大型のケンサキイカが釣れだし、特に胴長40cmを超す「大剣」がよく釣れることでも知られる人気フィールドです。

今回は、テレビ大阪系列で毎週土曜日朝6時50分放送の釣り番組「フィッシングDAYS」のロケで、関東からイカ釣り名手として知られる、がまかつラグゼ・フィールドテスターの中村勇生さんが、この方面に精通するがまかつスタッフの中村有登さんのアテンドを受けて、オモリグでのさまざまなノウハウを詰め込んだ釣行を収録しました。

この方面では主に竿下を釣るイカメタルでも釣れるけれど、やはり人気はオモリ&ドロッパーのエギを使用した「オモリグ」人気が凄い。

「この方面では乗合船に乗ると、9割以上の人がオモリグです」と中村さん。

オモリグのメリットはいくつかあって、まずはキャストして広範囲に探ることができる点。

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オモリグのメリットは、キャスティングができる点

竿下を釣るイカメタルに対して、キャストすることで船から離れたエリアの明暗部を探ることができる。

つまり、船より離れた場所に潜み、警戒心の低いケンサキイカ、特に大型のイカを狙うことができるんです。

また、オモリとエギの間には約1mのリーダーが入っていますが、このリーダーによりエギがゆっくりと自然にフォールする状況を演出することで、イカが違和感なくガッチリと抱いてくれるというワケ。

鳥取沖のオモリグで絶対に持っておきたい「スピードメタル エギドロッパー2.5」の4タイプのカラーとは?

「オモリグでの釣りにおいて、重要なのはエギのカラー選択でしょうね。これがばっちり合うと、いとも簡単に入れ乗りになることもありますし、合っていなければ1人だけ置いてけぼり…なんてことにもなります」とは、この方面を熟知する中村有登さん。

そこで、中村有登さんにこの方面で実績が高い「スピードメタル エギドロッパー2.5」のカラー選択について聞いてみました。

「基本的には4つのタイプに分けています。もちろん、自分の好みの実績カラーもありますが、それも含めて4タイプをあらかじめ分けて交換しやすいようにしておくのがよいでしょうね」と言う中村さんが取り出したのが、1つのカゴの中で3つの仕切りが入っていて合計4部屋に分かれているケース。

この中に入れるのが下記写真のエギなんです。

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エギカラー4タイプをあらかじめ分けておく

その区別方法は…向かって左から、

1.定番カラーであるレッドヘッド/グリーンとレッドヘッド/赤エビゼブラなどの紫外線発光カラーながら少しアピールを抑えたグループ。

2.こちらも定番のゴールデンアジ、ディープレッド/ブラックにフルオレンジUV、ブラック/オレンジゼブラといった少し派手なUV発光カラーとの組み合わせグループ。

3.レッドヘッド/ケイムラ、ピンクヘッド/ケイムラゼブラ、ブラックヘッド/パープルUVゼブラなどのUV発光面がやや広いグループ。

4.ピンクヘッド/クリアグローチャート、ピンクヘッド/ゼブラグロー、ブラウンヘッド/スポットグローなど、ボディの広い部分、もしくはスポットでグローが使われているグループ。

これらを意識しながらローテーションすることで、その日の傾向が分かりやすくなり、交換時にも迷うことなくエギを選択することができるようになるんです。

これに限らず、自分の中で状況によっての使い分けでカラーを分けておくこともアリなんですよ。

重要なのは、今どんなタイプのエギを使っていて、次に交換する際に「ケイムラからグローへ」といったカラーの違いをきっちりと認識することで、効率的に当たりカラーを探すことができるということですね。

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オモリグの基本的な操作方法

そんなカラーローテを試すためには、オモリグでの釣り方を少しおさらいしておきましょう。

オモリグはオモリの先にリーダー、エギが付いていて、レンジをキープします。

ボトムまでフォールさせるのはオモリの役目です。

エギはオモリに引かれてフォールし、オモリが止まったところでゆっくりとエギ自体のフォールを開始します。

フォール幅はリーダーの長さです。

ただ、実際にはキャストしてオモリを止めても自然に手前に寄ってくる、いわゆる「カーブフォール」となり、ゆっくりとエギを引っ張るような形になります。

そこではリーダーがしっかりと張っているので、イカの小さなアタリも確実にロッドのティップに出る…というわけです。

基本的な流れとしては

1.キャストする。

この場合、注意点としては振りかぶるような投げ方は危険なのでNG。

船べりより海面に近い位置からのアンダーハンドキャストになりますが、実はこれが慣れないと難しい!

最初は少し前を釣るくらいのつもりで軽く投げ、徐々に強くロッドを振る練習をして飛距離を伸ばしましょう。

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振りかぶらずアンダーキャストが基本

2.ボトムを取る。

オモリグでの基本はボトムからです。

まずは船から離れた位置でのボトムから探り始めます。

3.着底したらロッドをシャクりながら1~1.5m巻き上げてステイ。

実はステイさせているようで、カーブフォールしているので、徐々にオモリは手前に寄ってきて、トンとボトムに着きます。

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オモリの重みを感じながらステイさせる

4.これを繰り返してカーブフォール中のアタリを取る。

ステイさせていると、オモリがボトムに着いたのとは違う反応が出ることがあります。

これがアタリです。

時にはゆっくりとティップを押さえ込んだり、トンと何かに当たるような反応、フワッとフォールが止まる反応などです。

反応があれば即アワセです。

5.イカが乗ったら一定の速度で巻き上げる。

アワせると、イカが乗っていればかなりの重量感が伝わってきます。

ラインは決して緩めず、速巻きではなくてよいので一定のスピードで巻き上げましょう。

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イカが乗ったら一定の速度で巻き上げる

6.竿下まで来たら数回誘い上げるのを繰り返して回収。

オモリグのメリットは遠くのイカを釣るだけではありません。

竿下のイカであっても、リーダーが長い分、自然なエギのフォールを演出できるので警戒心の強いイカも乗せやすいといえます。

そのため、竿下までオモリが来ても数回はシャクリ上げてステイさせてみましょう。

この時にあまり仕掛けの上下を繰り返すと、仕掛けが絡んでしまうので注意しましょう。

5月の釣行で見えたカラーローテの重要性

さて、ロケは5月中旬。

賀露港の紘海丸さんにお世話になり、日が傾きかけた17時30分に出船。

ポイントは賀露港から30分ほど西へ走った水深30mライン。

前日はあまりよくなかったポイントから少し離れたポイントにイカリを打ちます。

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日が暮れてそろそろファーストヒットが…

当日のタックルは「ラグゼ スピードメタルR S610MH、S610H」を併用しての釣り。

軽量化と操作性を追求して生まれた次世代のイカメタル、オモリグ用ロッドシリーズで、使用するリグによっての細分化がされているので、自分のメインフィールドに合わせたタイプ選びが可能な竿です。

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ラグゼ スピードメタルRのロゴ

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上がS610H、下がS610MH

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30号、40号といったオモリをキャストするパワーを持ちながら、自重は100g程度なので、釣り疲れも少なく、軽量な分、感度も最高なんです。

基本的な使い分けとしては「オモリグのオモリが30号までならS610MH、40号使用時にはS610Hが適しています」と中村有登さん。

当日は30号で通したこともあって、2人とも「S610MH」を使用。

日暮れを迎えて2人がオモリグを投入し、ボトムからシャクり、ステイ…。

と、中村有登さんが「来ましたよ~」とロッドを警戒に曲げて取り込んだのは、胴長30cmほどのケンサキイカ。

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中村有登さんにファーストヒット

エギのカラーはブラウンヘッド/スポットグロー。

そこから中村有登さんが連発モード突入。

すると、中村勇生さんも「来た~!!」と歓喜の声を上げて大きくアワセ

こちらも胴長35cmほどの良型ケンサキイカですが「まだまだ40cmに足りませんよ~。まだ大きいのがいてますよ」と見せてくれました。

エギはディープレッド/ブラック。

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中村勇生さんがディープレッド/ブラックでヒット

「入れ乗りで楽ちんな釣りなのか~」と思っていると、中村有登さんの釣り上げたイカには、ゴールデンアジのエギが…。

いつの間にエギを交換したのか…。

中村勇生さんもよく見ると、数ハイ釣れば「釣れているのに」エギを交換しています。

中村有登さんに聞くと「釣れなくなってからエギのカラーを交換すると、次のカラーに迷いが生じます。釣れているうちに同系グループの違うカラーに変えることで、釣れるカラーを組み立てていき、特に反応が早いカラーをピックアップしておくことで、時合いがおさまった時にも乗りを持続させやすいんですよ」と説明してくれました。

その交換基準としては、ステイ後2秒で乗っていたのが、10秒ほどもかかるようになったり…と、少しでも乗るまでの間合いが広くなれば交換するとのこと。

なるほど…。

先手先手を打ちながら、その日のよく釣れるカラーラインアップを絞っていくことが爆釣への近道というわけなんですね。

中村勇生得意の「聞き誘い」も効きまくり。ローテし尽くせばエギのサイズ落とすのもアリ

さて、中村勇生さんの得意技といえば「聞き誘い」。

関東ではマルイカ釣りで、驚くべき実績を上げ続けるテクを、このオモリグでも試してみます。

キャスト後、ボトムからのシャクり上げ、ステイ…。

とそのままロッドを一定の速度で上げていく。

これが聞き誘い。

自然なカーブフォールも有効技ですが、アングラーがロッドで仕掛けを引くことでカーブフォールよりもやや速く水平、あるいはやや上方へのスライドを演出します。

イメージとしては、アオリイカ狙いのティップランで船が流れている時のステイで、エギが水平移動している最中にイカが乗ってくる感じ。

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聞き誘いを展開する中村勇生さん

自然ではない、あえて速度変化を加えることで、イカへのアピールとなります。

実際、ロッドティップを上げている最中に、グッと押さえるような明確なアタリで次々にバイトに持ち込む中村勇生さん。

さすがです。

先手を取るエギカラーのローテを繰り返して、すでに50パイ以上も釣っただろうか、時間も午後10時を回ると、さすがにラッシュは遠のいたかに見えました。

そこで次に中村有登さんが取った作戦は、エギのサイズダウン。

エギドロッパー2.5から1.8へと変更して投入。

なんと、日暮れ時のラッシュ時並みの乗りが戻ってきたのには驚かされます。

そして、時合いの際に当日の好反応カラーラインアップを見つけているので、1.8でもそのカラーラインアップを使用することで乗りが持続。

結局、2人ともが納竿時間の零時ごろまでイカを釣り続けてしまいました。

実釣から裏付けされた卓越した理論と、そこから生まれたアイテムの凄さに圧倒されっぱなしの1日でしたよ。

●交通:山陰道の鳥取ICで下り、鳥取IC入口信号を左折。
鳥取バイパスを直進し、賀露へ。

●問い合わせ:紘海丸(TEL:090・1014・3555)

(文・写真/松村計吾)

鳥取沖 剣先ゲーム エギのローテと聞き誘いで入れ乗り

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ライター紹介

松村計吾

松村計吾

大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。

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