タイラバネクタイに迷うアングラー必見! 開発者が形状、カラーの選択術を解説

松村計吾

年間を通じて楽しめるタイラバだが、真夏は産卵を終えたマダイが体力を回復し活発にエサを食う時期で、もちろんタイラバにとっても絶好のシーズンとなる。

特にエサとなるエビやカニなどの甲殻類やイワシなどの小魚の回遊次第では、活性が爆上がりの日も出てくる。

関西圏からのアングラーが多い瀬戸内や日本海のエリアの夏場の特徴としては、日本海ではディープタイラバと呼ばれる水深100m以上のポイントで狙えるかと思えば、瀬戸内などでは浅ければ水深15mラインなどの超シャローでの釣りも楽しめる。

それぞれに趣があって楽しいタイラバなのだが、そのエリアによってベイトとなる生物も変われば、マダイが食うパターンも変わってくる。

マダイがその時に多く捕食しているエサに合わせて、食いを誘発させるアイテムがネクタイである。

エリアごとに流行のネクタイがあったり、その季節や時間帯、潮の速さなど様々な状況で反応が良いネクタイも変わってくる。

タイラバアイテムの中ではネクタイはコレクションしても楽しいし「次はどれを使おうか…」とケースの中から選ぶのも楽しい作業だ。

反面、慣れないアングラーにとっては、ネクタイ選びに迷い込んでしまう事態にも…。

今回はテレビ大阪系列で毎週土曜日朝6時50分から放送している釣り番組「フィッシングDAYS」のロケで、がまかつの桜幻シリーズ開発担当者である松島彰吾氏と、テレビ大阪の福谷清志アナウンサーが岡山県宇野沖でタイラバに挑戦。

瀬戸内東部のタイラバメッカである周辺海域での、夏マダイ狙いにおけるネクタイ選択についてのヒントを教えていただいたので紹介していきたい。

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ネクタイとひと口にいっても、その種類の多さはすさまじい

瀬戸内東部ではウタセエビをイメージしてカラーを設定

タイラバのネクタイに違いといっても、釣具ショップのネクタイコーナーを見れば一目瞭然…。

めちゃくちゃに種類が多い!

新しい形状はもちろんだが、カラーも非常に豊富だ。

そんな中から最低限、どんなものを選べばよいのだろうか。

「まず、カラーの基本的な考えとしては、そのエリアでマダイが捕食しているベイトに近い色を中心に考えます。たとえば今回竿出しする宇野沖周辺では、ベイトはウタセエビが多いですね」と松島氏。

また「ウタセエビは基本的に赤を基調とした色になります。そこに赤よりも少し明るいオレンジなどのカラー、そして、暗い時間帯には蛍光色も良いですね。また、ウタセエビの目は黒いので、それに合わせてドットが入ったものは、あれば有効な場面が多いです」とも話してくれた。

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赤色が基調となるウタセエビ

現在、宇野沖での定番としては、赤、もしくはオレンジを基調として、単色よりはドットやゼブラ模様が入ったネクタイが良く使われているそうだ。

カーリーはネクタイの太さや厚さ、長さで波動の違いを考えよう

「現在、タイラバではストレート系よりも、カーリータイプが圧倒的に人気があります。ただ、カーリーといってもネクタイの太さや厚さ、そしてカーリーの巻きの大きさ、長さなどで生み出す波動が変わり、アピールが変わることでマダイの反応に変化をもたらします」と松島氏。

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近年はストレートよりも、カーリータイプのネクタイが人気

数種類を持参するためには、まずは「ネクタイの太さ」と「長さ」を違えたタイプを用意すること。

具体的には極細タイプのネクタイと通常、もしくは太いタイプを用意する。

長さはショートタイプとロングタイプに加えて、極端に長いタイプなどがあるが、極端なものはさておき、ショートとロングは用意しておきたい。

違いとしては、太いカーリーは波動が大きくアピール力が高い。

逆に細いタイプは波動が小さくアピール力は抑えられる。

マダイの状況に合わせて、波動が大きい方が反応も良いのか、それとも逆か…を探っていく。

ちなみに使い分けイメージとしては、潮の緩い時は細めのカーリー、潮が速い時には太いカーリーでしっかりと波動を出してアピール力を上げる。

ただ、これにはマダイの活性も絡んでくるので、あくまでも最初の一歩としてとらえればよいとのこと。

考え方としては「こんな状況下では、絶対にこのネクタイ!」といった絶対的なものではなく、あくまでも傾向である。

ただし、その時点で自分が使っているネクタイの形状や太さ、長さなどを常に認識しておくことで、ネクタイを変更する際に次のネクタイ選びの傾向をつかむためのデータとすることが大切なのだ。

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違ったパターンのネクタイで同時ヒットも。正解は1つではないのだ

また、こだわればネクタイの厚さにも言及できる。

たとえば、LUXXEから発売されている「桜幻 シリコンネクタイ」の「厚切りマルチカーリー」は、通常のネクタイの厚さが大体0.4mm程度であるのに対して、0.55mmと厚めに設定している。

この微妙な厚さの違いもアピールの違いになってくる。

瀬戸内東部で威力を発揮!必携ネクタイ3選

ここで松島氏に、数あるネクタイの中から、ぜひ持っておきたい3タイプのネクタイを挙げてもらった。

1.桜幻 シリコンネクタイ マルチミディアムカーリー

中央で折り返すようにセットした際、大きさの違う2種類のネクタイが同時にセットされるようになる。

大きさの違いとしては、潮流の緩慢で、緩い時には細い部分が良く動き、速い時には大きいネクタイが動いてアピールする。

1本でマルチに攻めることができるので、最初に反応を探るパイロットネクタイとしても使用しやすい。

単色に加え、ドットやゼブラ、ラメなどを採用した12色がある。

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桜幻 シリコンネクタイ マルチミディアムカーリー

2.桜幻 シリコンネクタイ(厚切りマルチカーリー)

従来のネクタイよりも厚さを増すことでアピール度をかなり上げたモデル。

マルチカーリーらしく、中央を境に一方は幅広いワイドカットのショートカーリー、もう一方は極細タイプのショートカーリーを組み合わせた。

1本のセットで強弱の付いたアピールが可能に…。

面白いのはベーシックなカラーに加え、中央を境にカラーが全く違う組み合わせがある点。

1本で2色のカラーが使える。

全25色とカラーバリエーションも豊富だ。

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桜幻 シリコンネクタイ(厚切りマルチカーリー)

桜幻 シリコンネクタイ スリットカーリー

1本のカーリーを縦にカットしているネクタイだが、幅を同じくしたカットではなく太い、細いを分けた部分がこだわり。

幅の異なるネクタイがアピールの強弱をつけてくれ、幅広い状況に対応できる。

全12色がある。

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桜幻 シリコンネクタイ スリットカーリー

今回チョイスしていただいたネクタイの特徴としては、やはり1本のネクタイセットで、アピール度の違う2種類の動きを演出してくれ、幅広いパターンに対応できるために、どちらに反応があってもヒットにつながるパイロットとしても使いやすい点だろうか。

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実釣では試行錯誤の組み立てで当たりネクタイを引き出し連発モードも

ロケの実釣は6月末。

釣り場は宇野港を出船して約20分ほどのエリア。

水深は35mライン。

船長曰く「潮は徐々に緩んでくるのでこのポイントでは、早めに釣っておきたい」。

この日のタックルはロッドが「桜幻 鯛RUBBER XXシリーズ」。

極度の軽量化、そして高感度化を実現して作られた異次元のタイラバ用ロッドで、タイラバにかかる潮流などの荷重変化が手に取るように分かる優れものだ。

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LUXXE 桜幻 鯛RUBBER XXシリーズ

シンカーは「桜幻 鯛ラバ―Q TGシンカー」の60gと80gをチョイスした。

スタート時は福谷アナが「桜幻 シリコンネクタイ(厚切りマルチカーリー)」のオレンジレッドゼブラをチョイス。

松島氏は同じネクタイで、ケイムラオレンジゴールドスポットでスタートした。

フックシステムは「桜幻 カスタムフック スーパークイック」の4本鈎を使用した。

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掛かれば逃さない「桜幻 カスタムフック スーパークイック」の4本鈎

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スタートから15分も経たないうちに、福谷アナのロッドが大きく叩かれた。

早々のマダイヒットだ。

上がってきたマダイは50㎝近い良型で福谷アナは大喜び。

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福谷アナが早々に50㎝級のマダイをヒット

実はこの日の福谷アナは、このオレンジレッドゼブラのネクタイのみで7尾のマダイをキャッチ。

最初に選んだネクタイが状況にばっちりとハマり、苦労することなく釣り続けることになった。

対して松島氏はやや反応の鈍い状態からスタート。

ネクタイが合っていないと交換を頻繁にしていくが、福谷アナのペースが良すぎる。

同じネクタイは使いたくない…と、自分なりのネクタイを探す。

ただ、アタリはあるのに乗らない状況が何回かあり、そのたび「パターンが違う」とばっちりハマるネクタイを探していく。

ついにヒットに持ち込んだのは、マルチミディアムカーリーのレッドスポット/オレンジだった。

ただサイズは伸びず30cm級だ。

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松島氏が試行錯誤の末にヒットネクタイを発見

潮が緩んでくると、少しの間アタリが遠のいたが、潮の流れ出しを狙って船長は沖のポイントへ移動。

ここで、船から離れた場所で潮の湧き上がりを見つけた松島氏が、スピニングタックルに持ち替えた。

ロングキャストで湧き上がりの向こう側へタイラバを投入して、着底からの巻き上げで攻めると、中層でヒット。

45㎝級のマダイが水面を割った。

そして、同じキャストパターンでもう1尾を追加したところで納竿タイムとなった。

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松島氏が沖の湧き上がりの向こうへロングキャスト

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見事に作戦的中でヒットに持ち込んだ

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45㎝級のマダイをキャッチ

この日の福谷アナは最初から当たりネクタイに出会ったことで、マダイを連発、逆に松島氏は最初にネクタイが合わなかったものの、これまでの経験でネクタイの形状、カラーなどを変えることで釣りを組み立てて最終的には答えを出した。

ネクタイの重要性を再認識した1日だった。

数釣りシーズン 瀬戸内海 夏のタイラバ三昧

●交通:山陽自動車道の岡山ICで下り国道53号を岡山市街方面へ。
突き当たり(津島京町)を右折し、国道180号に出たら左折して南下。
下中野三差路を左折して、十日市中町を右折。
築港栄町を左折して児島湾を渡り、郡信号を右折。
尾坂峠南口を左折し、宇野駅前を左折して駐車場へ。

●問い合わせ:瀬戸内フィッシングツアーズ(TEL:090・9505・0204)

※当日の様子は、youtubeフィッシングDAYS「数釣りシーズン 瀬戸内海 夏のタイラバ三昧」https://youtu.be/CQFsPLi3ID0で視聴できる。

(文・写真/松村計吾)

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ライター紹介

松村計吾

松村計吾

大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。