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海上釣り堀攻略のイロハ。ウキ釣りとズボ釣りのメリットは? 釣果倍増のための作戦も紹介

松村計吾

釣りが初めての人からベテランまで楽しめる海上釣り堀。

イケスに放流されるのは、マダイやブリ(ハマチ・メジロ)、カンパチなどの青物に、シマアジ、イサギなど、食べても美味しい魚が揃う。

中にはクエやハタなどの超高級魚も放流されており、釣り上げるチャンスは初心者、ベテラン問わず。

そんな海上釣り堀は、それぞれのレベルで楽しめることで人気があるのだが、ちょっとした工夫でいとも簡単に魚がエサを食ってくれたり、反応が鈍かったりと、釣果に大きく差が出ることもある。

テレビ大阪系列で毎週土曜日朝6時50分から放送されている釣り番組「フィッシングDAYS」では、海上釣り堀の達人として知られる林賢治さんが、兵庫県家島諸島の釣り堀で、がまかつ社員の釣り研修会を兼ねて釣行

社員の中には釣りが初めての女性社員から、釣り堀に精通する社員までが揃い、それぞれのレベルで釣りを楽しんだ。

その中で、林流の釣り堀釣果倍増方法を披露して、ダントツの釣果を上げることに成功。

今回は、そんな初心者にも楽しく始められる海上釣り堀のノウハウについて、林さんのアドバイスとともに紹介していきたい。

【1】

初心者でもこんな大型魚が釣れちゃう

楽しく釣りをするためにマナーとルールは守ろう。海上釣り堀のシステム

海上釣り堀ではイケスに放流された魚を釣るので、事前に予約のあった人数分の魚を用意している。

そのため事前の予約は必須。

まずは釣り堀釣行の順序を紹介してみよう。

【2】

数多くのイケスが並ぶ大型釣り堀

1. 釣りに出掛ける釣り堀を決める

2. 釣り堀に予約の連絡を入れる

伝えるのは、釣行日と人数

聞いておきたいのは、集合・納竿時間と現地でのエサの販売有無など

3. 当日は早めに到着するよう心がける

4. 現地で受け付け

5. 乗船、地続きの場合はスタッフの案内に従って入場

6. 指定されたイケスに入る

7. 釣り座が決まったらタックルの準備

8. スタートの合図で釣り開始

9. 納竿の合図で終了

10.片づけたら帰りの船に乗船

基本的に釣った魚は釣り堀に備え付けのスカリに入れて置き、最後は処理場へ持ち込んで魚を締めてもらう。

締めてもらった魚は、各自クーラーボックスへ入れて持ち帰る。

釣り堀の流れとしては以上だが、いくつかのルールもあるので守って楽しい釣りをしたいもの。

ルールの例を挙げてみると…

1. 時間厳守

釣り開始の合図がある前に仕掛けを入れる。

終了の合図があったのに釣りを続けている…など。

2.使えるエサの種類

いろいろなエサを用意する釣り堀だが、場所によっては禁止されているエサもあるので事前に確認が必要だ。

また、ほとんどの釣り堀ではマキエは禁止なので厳守したい。

2. タックルの指定

釣り堀では1人で複数の竿を出すことはできない。

中にはロッドケース内の予備竿は別にして、リールや仕掛けをセットした竿は、1人1本のみ持ち込み…といったルールがある場合もある。

3. 周囲への声がけ

特に他人同士が乗り合わせるイケスでは、周囲の人にもひと声かけて楽しく釣りをしたい。

また、青物がヒットした場合はイケスの中を走り回るので、掛けた人優先で、他の人は仕掛けを上げて取り込みやすくする。

そのためには、青物が掛かれば「青物です」と大きな声で周囲に知らせてあげよう。

【3】

青物の引きは強烈。みんなで協力して取り込みたい

4. 余ったエサの処理

余ったエサをそのまま捨てると、エサはイケスの中に溜まってしまって海が汚れる原因になったり、魚が満腹状態になって翌日の釣りに影響を与えるなど悪影響があるので、必ず持ち帰るか、陸上のゴミ箱に捨てるようにしたい。

釣り堀によっては、余ったエサ専用のゴミ箱を設置している場所もある。

その他、各釣り堀によって独特なルールを設けていることもあるので、しっかりと事前に把握しておきたい。

また、釣り堀では必ずスタッフの指示に従うことが最優先だ。

ウキ釣りとズボ釣り。それぞれの特徴とメリット

海上釣り堀での主流の釣り方は大きく2つ。

ウキ釣りとズボ釣りである。

ウキ釣りはその名の通りウキを使った釣り。

ズボ釣りはウキを付けずに軽い仕掛けで釣る。

大きな違いはウキでアタリを取るか、竿先でアタリを取るか…。

初心者にはウキ下を固定できるウキ釣りがオススメだ。

ズボ釣りの場合は、仕掛けを送っていくと、どんどん深いタナを釣ることができるが、イケスの底は網になっているため、深く入れすぎると底のネットに鈎が掛かってしまう恐れがある。

それと、アタリがあって魚が釣れた場合、設定を変えなければ同じタナで釣れるので、再現性が生まれてペースよく釣ることができるのもウキ釣りのメリットだ。

何よりもウキがスーッと沈んでいくシーンはやはりワクワクする。

【4】

さあ、何がヒットしたのか…でも引きが強烈!

【5】

初めてマダイを仕留めて笑顔がこぼれる

逆にズボ釣りの場合は、探るタナを自由自在にスピーディに変えることができる。

釣り堀の達人・林賢治さんも、ズボ釣りを得意とするが「やっぱり攻めるタナを自在にできるから、短時間で状況判断ができるんですよ」と、ズボ釣りのメリットを話してくれた。

また、魚の活性に合わせての駆け引きがしやすい点もある。

食い込みが渋い時には、アタリがあれば少し送り込むなどがしやすいのも特徴だ。

釣果はエサの種類に比例する!? 多種少量が理想だ

イケスの中でずっと同じエサで釣っていると、エサに慣れてきて魚が食わなくなります。そこで、目先を変えるためにエサの種類を変えることで食いが続きますよ」と林さんが話すように、狭いイケスの中では同じエサではすぐに食いが悪くなる。

釣果を上げ続けるためには、エサの種類を変えることが手っ取り早いのだ。

また、狙う魚種によっても食いのよいエサがあるため、他魚種を狙いたい釣り堀ではエサの種類も必然的に増える。

たとえば、マダイ狙いの主流エサとしてネリエがある。

このネリエも茶色系、黄色系などの色の違いもあれば、柔らかさや海中での溶けやすさなど、種類は豊富だ。

【6】

林さんのエサセット。このほかに生きアジなども用意

ロケ当日も茶色でハード系のネリエからスタートしたが、途中で食いが悪くなり、アタリがあるのに途中でマダイが離れてしまう事態が発生。

そんな時に黄色系のネリエに変えると再び食い込みがよくなった。

それでも食いが悪くなれば、黄色と茶色を混ぜ合わせたマーブルカラーにするとアタることも。

ネリエをひと通り使って食いが悪くなれば、鶏のササミ、エビ(オキアミやむきエビなど)、アオイソメなどの虫エサなどを試すことで食いが続く。

【7】

エサの種類を変えると釣れる魚も変わるぞ

1種類のエサで釣れ続くことはあまりないので、エサの種類変更は釣り堀で釣果を伸ばす上では重要なファクターとなる。

1種類のエサで続かない分、各エサは少量ずつでOKだ。

最近はエサ店で売られているエサも釣り堀用に少量ずつ小分けされているので利用するとよいし、グループでの釣行なら全員でシェアするのも手だ。

初心者にオススメ。ウキ釣りの基本はタナの設定が重要

ウキをイケスに放り込んで待っていれば、ウキがスーッと水中へ。

しっかりと沈んだら大きくアワせると魚がヒット。

そんな初心者にも優しく分かりやすいのがウキ釣りの特徴だが、ウキ釣りは最初に設定したタナ(ウキ下)より下のタナにはエサが届かない。

そんなウキ釣りの基本はタナの設定にあり。

釣り始め、まずは網の底までの深さを測るため、網に掛からない釣り堀専用のタナ取り用オモリを使って網の底までのタナを測る。

途中で何があってもそのタナより深くはしないことで、ネット掛かりを防ぐことができる。

イケスの中では魚によりタナに違いがある傾向にある。

マダイタナは比較的深く、網の底から50㎝~1m上を探ることから始めるとよい。

ウキに明確なアタリが出ないのにエサが取られるなら、マダイタナは設定よりも浅いことが考えられるのでウキ下を浅くしていく。

逆に反応がなければ、エサを交換するか、網の底までをMAXとして深くを攻めるのも手だ。

【8】

まずはマダイ狙いから始めよう

マダイ自体はそんなに大きくタナが変化することは少ないが、その微妙なタナの違いでアタリの大きさや食い込みなどが大きく変わるので、ほんの少しでも違和感を感じれば調整してみるとよい。

兵庫・家島諸島の釣り堀で実釣。マダイに青物、クエ…なんとクロマグロまで仕留めちゃった

10月中旬、兵庫・姫路港の「釣堀水宝」の乗船場に集まったのは、林賢治さんを筆頭にがまかつ社員4人。

この日は釣りが初めてという女性社員を含んで、釣り研修会の名目だ。

大型渡船で西島の北面にある釣り堀までは30分ほどと早い。

スタッフに案内されて向かったのは、もっとも沖に位置するイケス

林さんは得意のズボ釣り、ほかはウキ釣りでスタートを切った。

ネリエでの1投目は小さなアタリがあったものの、ヒットには至らず。

そこで、目安となるタナの少し上からテンションをかけてスローに沈下させる。

と、コンコンと軽快なアタリの後、スーッと竿先を押さえ込むアタリマダイがヒット。

と、対面ではネリエをエサにしていた人に大物がヒット。

まずはマダイを…と狙っていたところに、いきなり青物がヒットしたのだ。

イケスの中を走り回る青物だったが、胴からしっかり曲がり込み、その反動で魚を浮かせる「海上釣堀コアスペックⅡ 真鯛」の粘りで60㎝級のメジロクラスを取り込んだ。

【9】

朝イチにネリエでキャッチしたメジロクラス

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釣りが初めての女性社員もウキ下がばっちり合っていたのか、早々にウキが沈む明確なアタリで40㎝級のマダイをヒットさせた。

初めての魚の引きに少々戸惑っていたが、それもすぐに慣れて角度を保つだけで楽々と魚が浮いてくる竿の機能で取り込みに成功。

全員がマダイを釣り上げる中、イケスの隅を攻めていた林さんに大物がヒット。

「これはマダイや青物とは全く違う引き」と百戦錬磨の林さんの手に力が入る。

【10】

マダイでも青物でもない重量級の引きに耐える

網の際を走る重量感のある引きだが、イケス内を幅広く走るような青物らしくない引き。

上がってきたのは、なんとクエだ。

超高級魚であるクエがいとも簡単に釣れてしまうのも海上釣り堀の魅力だ。

【11】

単なるクエの釣果だけに終わらないクエをキャッチ

ただ、そのクエは「クエだけで終わらず」だった。

なんと、当日釣り堀全体で最初にクエを釣り上げた人に与えられる「マグロチャレンジ」の挑戦権も得られた。

何匹も釣っていると、どうしても鈎先が甘くなったり、ハリスに傷がついてバラシの原因になるので、先手を打っての早めの交換が釣果を続かせるコツとなる。

今回はがまかつから発売の海上釣り堀用アイテム「MARINE BOX」シリーズの中から、ハリス付き替え鈎の「糸付 海上釣堀MARINE BOX青物(ベーシック、誘い)」と「糸付 海上釣堀MARINE BOX真鯛(ベーシック、誘い、食い渋り)」を使用。

チチワで連結するだけで、ウキ釣りもズボ釣りも仕掛けができるので「ここ!」と思った瞬間にハリスを交換できる。

【12】

糸付 海上釣堀 MARINE BOX 真鯛

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10時頃になると、スタッフから「そろそろマグロチャレンジしませんか」と声がかかった。

マグロイケスは別に設置されていて、エサを放り込むとものすごい勢いでマグロが走る。

本当にこんなスピードで勢いよく走るマグロを取り込むことができるのか…。

【13】

エサを放り込むと強烈な勢いでマグロが走る

チャレンジは1回のみで、バラシは即終了だ。

イワシをエサに仕掛けを放り込むと一瞬でヒット!

一気にイケス内をすごい速度で走るマグロに対して、林さんの愛竿である「海上釣堀 アルティメイトスペック」がひん曲がり、その引きを受け止める。

極限まで曲げ込んで強引を受け止める。

ここまで曲げ込めるからこそ、バラさずに対応できる。

【14】

強烈な引きを「海上釣堀 アルティメイトスペック」が受け止める

緊迫のやり取りで焦らずゆっくりと対応する林さんはさすが。

そんな粘りに負けて、徐々にではあるがマグロが円を描くように泳ぎながら浮いてきた。

そして、スタッフが水面でネットインして無事20kg級のクロマグロを仕留めることに成功した。

【15】

見事クロマグロを釣り上げた林さん

結局、この日5人でマダイ、シマアジ、ブリ(ハマチ・メジロ)、カンパチ、イサギ、クエにクロマグロと大爆釣釣行となった。

【16】

当日、全員の釣果を前に

●交通=大阪方面から阪神高速、第二神明、加古川バイパス、姫路バイパスを通り、中地ICで下りてすぐを左折。

道なりに進み、国道2号を過ぎて、高架を超え、太平洋セメントのタンクの手前を左折すると専用駐車場がある。

問い合わせ=水宝(TEL:079・327・1243)

(文・写真/松村計吾)

※当日の様子は、youtubeフィッシングDAYS「初心者でも夢が釣れる!海上釣り堀楽しみ隊」https://youtu.be/zgmAtJFfG3Eで視聴できる。

「初心者でも夢が釣れる! 海上釣り堀楽しみ隊」

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ライター紹介

松村計吾

松村計吾

大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。

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