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タイラバネクタイ選択の決め手はレンジ!? 1本で2度おいしいタイプが今後の主流に!
初心者でも比較的簡単に始められ、マダイのダイレクトな引きを感じることができるタイラバ。
シーズン的には春の乗っ込み期を終えて、そろそろ体力を回復してきた夏マダイの本番を迎える。
今回は兵庫・家島諸島海域で、LUXXE(ラグゼ)のタイラバブランド「桜幻」シリーズの開発者である松島彰吾さんと、番組ナレーターでもあるテレビ大阪の福谷清志アナウンサーによる、タイラバの楽しみ方を取材した。
タイラバの中で、楽しみであり、悩みどころでもあるのがネクタイのチョイスだろう。
数多く発売されている中から、その時に何を基準にネクタイを選べばよいのか…。
今回は松島さんが考えるネクタイチョイスの基準を紹介してみたい。
目次
中型ながらタイラバでマダイが連発。ダブルヒットも
ネクタイはまず色と形状の違いを意識して使うことが第一歩
タイラバの仕掛けは非常にシンプル。
パーツでいえば、シンカー(ヘッド)、フック、ネクタイの3つのみである。
これらパーツの組み合わせで、さまざまな状況に対応させるのがタイラバであり、シンプルゆえに初心者にも考えやすいのが、タイラバの魅力であり楽しみでもある。
ラインの先にはこのリグのみ。これがタイラバ人気の秘密かも?
特にネクタイはマダイにアピールして食いを誘発させるためには、必要不可欠なパーツである。
釣具ショップのタイラバコーナーに行っても「これでもか」というほど、さまざまな種類のネクタイが売られている。
そんな数あるネクタイだが、アピールの決め手となる違いはどこにあるのだろう。
松島さん曰く「ネクタイの違いはカラーと形状なんですが、近年はそれもかなり細分化してきています」と。
カラーでは、以前は単色のオレンジやレッドなどの派手な色のネクタイが主流だったが、近年は複数のカラーを組み合わされたものも多くなり「柄」という考え方が多くなっている。
たとえば、オレンジと黒を使ったネクタイでも、縞模様であったり黒が縞ではなく斑点(ドット)であったり…さらには「黒色はアピールカラーなんですが、縞模様やドットでもかなりアピールの方向が変わってきますよね。また、黒色が全体に占める割合でもアピールは変わってくるんです」と松島さんは語る。
オレンジに赤のドットネクタイで、良型マダイがヒット
形状については、ストレート系とカーリー系が主流だが、こちらも細かく分けることができる。
ストレート系ならネクタイ自体の幅や長さ、カーリー系でも幅や長さ、カーリーの湾曲具合、ネクタイ素材そのものの厚みなどでアピールはかなり変わってくる。
これらを認識しながら使うことで、何気なく使っているよりも遥かに自分の中でのデータ収集が可能で、次につながるため、今、どんな形状のネクタイを使っているのか、その形状によるアピールのイメージをしっかりと把握しながら使いたい。
カラーか形状か? 優先順位の決め手は水深30mを境に考え方を変える
とにかく、バリエーションが豊富すぎるネクタイをどのような基準で選んでいけばよいのか…。
何か目安がないと、適当に選んでしまって時合いを逃してしまったり、パターンを明確に把握できずに連発に持ち込めなかったり…。
松島さんは「まずカラーか形状か…でいうと、僕の場合は水深30mを境目として考えています」とのこと。
いわば、太陽光が通りやすく色を見分けやすい水深が30mよりも浅いレンジでは、カラーローテが重要になってくる…というわけ。
逆に深場ではグロー系は別として、色の波長判別が曖昧になってきて、どちらかといえば形状の違い=ネクタイが生み出す波動の違いに注目する…ということ。
さて、まずは浅いエリアでのカラーについての考え方を聞いてみた。
「カラーに関しては、まず赤とオレンジがベースで基本カラーと考えてよいと思います。特に魚は赤色に執着するという研究結果も出ていますので…」と松島さん。
また、最近では黒色にも注目が集まっている…とも。
定番カラーともいえる赤とオレンジに黒のストライプ
「マダイは産卵期になると、黒っぽい魚体になります。これが婚姻色で、特にこの時期のマダイは、黒色に執着するといわれています。なので赤とオレンジのほかに、黒色も有効なカラーなんです」とのこと。
つまり、近年ネクタイカラーのベースとなるのは赤、オレンジ、黒である。
「迷ったらベースカラー」と覚えておこう。
前述のように、単色ではなく「柄」という面から考えると、赤とオレンジ、赤と黒、オレンジと黒などの組み合わせが生まれてくる。
つまり1本のネクタイに2色のカラーを使っていれば、どちらかに反応する確率がアップするというわけだ。
そして、どのような柄であるか…もバリエーションの豊富さとなる。
オレンジと黒を例にとってみると、オレンジに黒のストライプ、黒のドットなど。
ストライプでも黒色の幅によって見え方は大きく変わる。
これはドット柄でも同じで、ドットの点のひとつひとつの大きさによってもかなり違ってくる。
「たとえば、オレンジに黒のドットは入っているとします。黒の割合はドットの大きさや数などで変わってきて、それを全体に対する黒の割合、つまりパーセンテージで考えることが多いようですね。これも目安となるよう数値で表していて、黒の割合が7%といったように考えています」とは松島さん。
数値化することで、カラーを違えた際に意識してネクタイのタイプを変えることができるので、たとえばベースカラーをオレンジから赤へと変更した際にも、黒の割合を変えずに釣りを組み立てることができて、再現性につなげていく…といった具合。
ネクタイを意識して区別すること。再現性が高まって連発モードへ持ち込むことも
ちなみに赤、オレンジ、黒はそれぞれ特徴があって、黒は光を通さないのでシルエットがはっきりとしたアピールカラーとなる。
赤は保護色ともいわれていて、カモフラージュカラーである。
つまり、赤と黒の組み合わせは対照的なカラーの組み合わせと考えることができる。
形状の違いは波動の違い。素材の湾曲や厚み、幅の違いに注目しよう
「魚は身体の側面に付いている側線で海中の波動などを感じます。たとえばエサとなる小魚が暴れるような違和感や、捕食者などが襲ってくる時など、海中の水の振動を微細な感覚で知り得るといわれています」と松島さん。
そこで、光が通りにくい深場での釣りでは、ネクタイが発生させる波動の違いに注目する。
一般的にネクタイの形状の主流といえば、直線的なストレート系と、湾曲していてクルクル、パタパタと動くカーリー系の2系統である。
ストレート系に比べて、カーリー系は湾曲するネクタイが派手に動くため、波動も大きくなるのが基本だ。
ストレート系では、ネクタイの幅、長さ、厚さによって動きが変わるが、カーリーの場合はそれに加えて、湾曲の具合なども動きに影響してくる。
たとえば、カーリーで細いタイプは水流の中でクルクルと回転するような動きが主流となるのに対して、幅が太いタイプはバタバタと叩くようなイメージで、必然的に幅が太いほうが波動が大きくアピールは大きくなる。
ただ、アピール力が大きいほど釣れるのか…といえばそうではない。
マダイの状況によっては、アピールが弱いほうに強く反応することもあるので、その時々でマダイに合ったアピールをすることが基本概念となる。
アピールが強ければ大きいマダイがヒットするとは限らないが
これは湾曲の大きなタイプと小さなタイプでも同じことがいえる。
湾曲が大きいほどアピールが大きいと考えるとよい。
「素材の厚みも実は動きや波動に大きな影響を与えます。基本的には薄いネクタイは潮が緩い状況下でもしっかりと動いてくれます。逆に潮が速いとその動きが流れの抵抗によって小さくなってしまいます。そんな時に厚みのあるネクタイは少々速く引いてもしっかりと動いてくれるので、厚みに関しては速巻きなのか遅巻きなのか、潮の流れが速いか遅いか…といった状況で使い分けるとよいでしょうね」と松島さん。
もちろん同じ形状でも、ネクタイ全体の大きさが違えばアピール力も変わってくる。
カラーと同じで、形状に関してもネクタイの幅、湾曲、素材の幅をローテーションしながら、自分が今使っているネクタイがどの程度のアピール力を持っているのかをイメージしながら、反応が薄ければもう少しアピールを抑えた形状を…といった具合に、マダイに合わせていくことで、バイトにつながる確率が上がるのだ。
1本で2つの役目を果たすマルチゲージを有効利用しよう
カラーの使い分け、そして形状の使い分けまで考えると、やはりかなりのバリエーションになるのがタイラバの宿命といえば宿命なのだが、その時点で使えるネクタイは1つだけである。
周囲でもバイトが多数ある時には、状況を把握しやすいがそうでないことも多々ある。
そこで利用したいのが、1本のネクタイで形状を違えた2種類が収納されたタイプだ。
それはカラーも同じで、1本のネクタイで真ん中から一方はオレンジ、もう一方は赤に黒のストライプ…といったネクタイを使うことで、マダイが反応してくれる確率が何倍にも上がるというわけだ。
左右で違うカラーのネクタイが1本になったタイプ
形状にしても、大きな湾曲と小さな湾曲がネクタイの中心で分かれていれば、反応する確率が2倍になる?
「製造のサイドからいうとかなり難しい技術なんですが、実は結構あるんですよ。それも形状だけではなく、左右で厚みを変えた素材のネクタイも登場しています」と松島さん。
それがこの春にLUXXE 桜幻ブランドから発売された「マルチゲージネクタイ」だ。
松島さん曰く「特徴としては、左右で大きさや厚さの異なるネクタイを1本にしています。潮の緩い時には細く薄い素材がしっかりとアピール、潮が速ければ大きく厚みのある部分がアピールしてくれます」。
ちなみに、今回登場したネクタイは2タイプで、1つは「マルチゲージネクタイ ナロー&ワイドカーリー」。
左右で幅の違うカーリーを組み合わせたもので、さらに厚さも変えている。
「桜幻 マルチゲージネクタイ ナロー&ワイドカーリー」
がまかつ(Gamakatsu) 桜幻 マルチゲージネクタイ ナロー&ワイドカーリー #33 レッドスポット/オレンジ
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もう1つが「マルチゲージネクタイ クワトロコンボ」で、こちらは左右で厚さの違うネクタイとなっているほか、パッケージの中にはSS、S、M、Lの4サイズが入っていて、1つのパッケージで4つのサイズが使えるスグレモノだ。
「効率よくマダイと会える確率がアップするアイテムを有効に利用して、気まぐれなマダイを釣りあげてほしいですね」と松島さんは語る。
同船した営業部の平井さんも良型キャッチ
●交通:姫路バイパスの「中地」ICで降りすぐを左折して南下。今在家東交差点を右折して国道250号を西進。山陽網干駅前を左折して、道なりに進み東雲橋北を左折、網干警察署のすぐ先を右折して、20mほどで左折し、川沿いに出たらすぐ右に乗船場がある。駐車場は200mほど先。
●問い合わせ:遊漁船シーホーク(TEL:070・2612・6021)
(文・写真/松村計吾)
「気むずかしい乗っこみ真鯛を攻略せよ in 播磨灘」
※当日の様子は、YouTubeフィッシングDAYS「気むずかしい乗っこみ真鯛を攻略せよ in 播磨灘」 https://youtu.be/fV2d4p8ozPk?si=5Y-hN9Qb0jIBPBQjで視聴できる。
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松村計吾
大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。