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魅惑のジグ単ボートアジングで爆釣!? 名手・藤原真一郎もハマるインショアゲーム徹底解説
近年、流行のアジング。
手軽なタックルで始められて、短時間での釣行や比較的近場での釣りが人気の理由でもある。
ただ、陸っぱりアジングでは、いざタックルを揃えて出掛けてはみたが、良い釣果に巡り合えていない…という人も多いことだろう。
その理由としては、リアルタイムで釣れている場所、釣り方などがあまり公開されてないことが多く、慣れた人なら傾向などをつかんでいるかもしれないが、釣りを始めて間もない人にはなかなか、その情報をつかむことが難しい面もある。
そこで、ライトゲームのカリスマ・藤原真一郎さんが和歌山県・紀ノ川河口から出船して、ジグ単でのボートアジングゲームを紹介してくれた。
陸っぱりでも次々に好釣果を上げ続ける藤原さんが、「ビギナーや入門者にこそ、ぜひボートアジングに挑戦してほしい」と語る魅惑のゲームのイロハを紹介していきたい。
目次
紀北のボートアジングで良型アジをゲット
ジグ単ボートアジングが初心者にこそオススメの理由
ボートアジングといえば、いわゆるバチコンでの釣りをイメージする人が多いだろう。
ただ、今回の舞台となったのは、紀ノ川河口から出船して、河口より西側に当たる工業地帯でできた港湾部。
なぜ、この冬場にロケを敢行したのかというと、実はこの港湾部には工業地帯から温排水が流れ込み、周囲よりも少しだけ水温が高めに推移している。
そのため、周囲の水温が下がれば下がるほど、ベイト、そしてアジが集まってくる。
陸からは行けない港湾部エリアにアジが集まっている
港湾部自体の水深は7、8mから14、15mと浅め。
水温が高めで水深も浅い…となれば、いわゆるバチコンよりも陸っぱり同様、ジグ単での釣りが成立する。
藤原さんが「ビギナーにこそ、このオフショアでのジグ単ゲームを体験してほしいですね」と話すのには理由がある。
それは、まず船長の存在であるという。
「そのエリアに精通している船長がいるからこそ、良いポイントにも連れていってくれますし、釣りのアドバイスももらえる。それこそ初心者にはありがたいですよね。それに、アジのアタリや反応を数多く感じることがアジング向上への近道なんですよ」と藤原さん。
陸っぱり同様、ジグ単で楽しめるアジングだからこそ、アジを喰わせるためのアクションや、アタリの出方、アタリに対してのアワせ方などは共通点も多く技術向上に役立つという。
陸っぱりで使用しているタックルがそのまま使える手軽さが魅力
船やボートからのアジングでよく知られているバチコンは、重めのオモリを使うなど、陸っぱりのアジングとは少し違ったタックル構成が必要になる。
ところが、ジグ単でのボートアジングでは、陸っぱりで使っているアジングタックルがそのまま使えるのが魅力。
「ボートからのジグ単ゲームで使用するタックルは、いつも陸っぱりで愛用しているものをそのまま使っています。少し違うのはジグヘッドが2~3gメインになるというくらいですね」と藤原さんは話す。
具体的に、当日藤原さんが使用していたタックルを紹介すると、ロッドはがまかつのルアーブランドLUXXE(ラグゼ)「宵姫 華弐 S57UL+(プラス)-solid」とLUXXE「宵姫 天 S52UL-solid」の2本。
これにジグヘッドは「宵姫 AJカスタムTGラウンドタイプ」の1.5~3g、ワームは「宵姫 エクボ2.2インチ」や「宵姫 トレモロAJ2インチ」など。
藤原さん曰く「ボートからのアジングではパターンにハマると物凄い爆発力があって、楽にヒットが連発することもありますが、そんな状況ばかりではなく、微妙なアクションや小さなアタリを取る必要が出てくることも多々あります」。
そんな時のためにも、ロッドは「宵姫 華弐」シリーズなどの高感度なタイプが強い味方になる。
さらに、感度を追求して設計された「宵姫 天」を合わせての2タックルで挑むのが藤原流。
竿尻をカットした大胆な軽量化で感度を向上させた「宵姫 天」
ジグヘッドは鉛タイプとタングステンタイプを使い分ける。
タングステンは鉛に比べるとシルエットが小さくできているので、フォールが早く、アジの捕食するレンジに到達しやすいのが特徴。
さらに、小さくきびきびとしたアクションが得意だ。
対して、鉛のジグヘッドは抵抗が大きいので、それを生かしたスローな釣り、ナチュラルなアクションを得意とする。
その日のアジの状況に合わせて使い分けるのが良い。
また、温排水の流れ込む港湾内には、さまざまなベイトが入ってくる。
そのベイトに合わせてワームも数種類を用意したい。
「私がメインに使っているのは宵姫のエクボ2.2インチです。これは比較的幅広いベイトに対応しているので、パイロットワームとして使います。そして、小さなベイトに合わせていく場合は、トレモロAJ2インチなどへとサイズを落としていきます」と藤原さん。
このタックルに関してのノウハウはボートだけではなく、陸っぱり時でも同じである。
「宵姫 AJカスタムTG ラウンドタイプ」3gと「トレモロ2インチ」の組み合わせ
ジグ単ボートアジングの基本的な釣り方
釣り方の基本は、キャストしてフォールさせてからレンジをキープしながらの、チョンチョンと小さなアクションや、テンションを一瞬抜いてワームがフワッとヒラを返すような動きが基本だ。
これも陸っぱりでの釣り方とほぼ同じである。
要は普段陸っぱりでやっている人なら、同じ考え方で釣ることができる。
今回、舞台となった和歌山北港周辺の港湾部は、陸からは入ることができない護岸際を中心に、ボートを近づけて護岸際にキャストする。
護岸には海面に向けて点々と常夜灯がともっており、ベイトが集まる状況ができているからだ。
護岸から海面に向けて、無数の常夜灯がともっている
その中で、狙うポイントとしてチェックしておきたいのが「釣れるポイント」「レンジ」「アクション」であるという。
釣れるポイントとは「ベイトやアジの状況によって、明るい部分で釣れるか、明暗の境目、あるいは暗部での反応があったり、明かりには寄ってこずに開けたエリアでベイトを追っている…などさまざまなんです。その日にどんな状況か…は釣りながら船長のアドバイスも受けて探っていきます」と藤原さんは話す。
レンジも同じで、ボトムを意識しているのか、中層を回遊しているかはその日によってかなり違う。
たとえば水深15mで、水面から7、8mには豆アジの群れ、ボトムから2、3m浮いた反応では25~30㎝の良型アジが居る…といった具合だ。
反応のあるレンジは、船の魚探で船長が判断しながらアドバイスをくれるので参考にしたい。
ちなみに当日乗船した「こうめ丸」では、後方デッキに釣り人からも見やすい魚探画面が設置されていて、反応を自分でも判断できる仕組みになっている。
魚探反応を見ながらレンジを絞っていくこともできる
アクションに関しては、前述のようにテンションをかけたままチョンチョンとロッドティップで小刻みな動きを与えたり、一瞬だけテンションを抜くようなアクション、またはアクションさせずにフワフワとレンジをキープさせたり、時にはゆっくりとフォールさせたりとさまざまだ。
これもその日のアジの反応があるアクションを探る楽しみである。
護岸際へ向けてキャスト
アクションの基本は陸っぱりと同じでOK
陸っぱりゲームとは違った点もある。足場=ボートが動くことに注意
ここまでジグ単ボートアジングゲームについて藤原さんにノウハウを紹介していただいたが、基本的には陸っぱりで楽しむアジングと何ら変わりない。
上記のノウハウについても、実は船長という強いサポーターのおかげで、迷った時には相談もできるし、ポイントも船を移動させながらアジの反応が濃い場所を絞り込んでいってくれる。
ここがアングラーのみで釣行する陸っぱりゲームとは少し違うところ。
ただし「陸っぱりとの大きな違いもあります。それは船が動く点です。位置がズレるなどした時は修正しますが、基本的にドテラで流します。なので自分の足場が固定されておらず、移動しながらの釣りになるところが違うんです」と藤原さんが話すように、船=足場が移動するので、アングラー側がリグをステイさせているようで実は動いている…という点は頭に入れておきたい。
「風が強ければ、ステイさせているつもりでも、止めるとすぐにワームが浮いてしまいます。ある程度は、ジグヘッドの重さを調整して対処します。基本的に船は流れているので、陸っぱりに比べて重めの2~3g中心となるわけです」と説明してくれた。
流れていないようで実は結構流れているのがボートや船の足場だ
フォールさせる時も風が強ければ、なかなかレンジに入りきらない場面も出てくる。
そんな場合は風下側=船の進行方向にキャストすることで、レンジに入りやすくなる。
ちなみに、ロケ当日も夜半から風が強くなり船の流される速度が上がったが、その頃に船の明かりにベイトが付き、それを追ったアジの群れが船に付いて移動するといった現象が見られた。
その際には風下側へとキャストして、レンジまでフォールさせると、フォール中にどんどんアジがアタってきて入れ喰い状態となった。
船の明かりも結構海面を照らしベイトが集まる
アジの群れに船がついて活性が上がった時の爆発力は、陸っぱりでは味わえない超の付く入れ喰いになることもある。
これもボートゲームの魅力であることは間違いなし。
●交通:阪和自動車道の「和歌山北」ICで降り、すぐを右折、川沿いの道を進み、北島橋北詰め交差点を右折、北島の交差点を左折して道なりに進み、御膳松交差点を過ぎてすぐを、斜め左へ進んで南海マリーナの入り口へ。
●問い合わせ:こうめ丸(TEL:090・1447・1211)
(文・写真/松村計吾)
「和歌山北港 藤原流ボートアジング講座」
※当日の様子は、YouTubeフィッシングDAYS「和歌山北港 藤原流ボートアジング講座」https://youtu.be/cYo2mcAuhPQ で視聴できる。
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ライター紹介
松村計吾
大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。