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アテンダーIII 0号5.3m VS. 激流チヌ! 潮止まりはポイント作りに専念すればチヌが爆釣する!?
急潮に乗り強烈な引きを見せるチヌに、極限まで竿を絞り込む釣り人。
チヌの聖地・瀬戸内エリアで繰り広げられるダイナミックなチヌゲームに迫る。
チヌフカセ釣りのエキスパートである南康史さんと圓山一樹さんが、岡山・下津井沖の磯を訪れた。
果たして全国屈指の急流エリアを、2人はどうやって攻略するのだろうか。
「潮が流れ出すと一気に時合いが来て、喰いの爆発力はすごいですよ」と話すのはチヌ釣りキングこと、がまかつテクニカルインストラクターの南康史さん。
このエリアは南さんのホームグラウンドの1つでもあり、急潮下でのフカセチヌ釣りは南さんが得意とするところ。
逆に圓山さんは初めて訪れる場所で、南さんのアテンドを受けながら急潮のチヌに挑戦した。
その中で、チヌフカセ釣りを楽しんでいるアングラーに向けて、2024年1月発表のあった「がま磯 アテンダーⅢ」0号を使い、急潮エリアでのチヌ釣りの魅力や釣り方の基本ラインなどを紹介してくれた。
目次
キングこと南康史さん
南さんとともにチヌ釣り名手として知られる圓山一樹さん
急潮エリアのチヌはとにかく浮かせて釣るのが基本
舞台となったのは、岡山県と香川県の県境に位置する大槌島。
釣り座の沖はごうごうと川のような流れが斜め沖へと払い出すかと思いきや、突然潮が緩んで止まる…といった状況変化が激しい。
当日も朝はゆったりとした東への流れ、その後、ごくゆっくりと西へ流れたかと思うとピタリと止まり、その後、再びごうごうと東への流れに変わった。
当日の舞台となった香川と岡山の県境に位置する大槌島
「基本的にこの釣り場は引き潮がよく動き、その時間帯が時合いとなるんです。なので、潮が緩い時、止まっている時は我慢の時間帯。引き潮が走れば一気に時合いが来るので、焦らず楽しみにして待っていましょう」と南さん。
南さんによると、朝イチの東流れは時間が短くすぐに終わる…、午後から納竿までに再びやってくる東流れが本命潮とのことだ。
急潮エリアのチヌ釣りについて南さんに伺うと「えっ、こんなタナで喰ってくるの?というような浅いタナで喰ってくるし、そのチヌが非常によく引きます。さらにチヌは時合いに突入すると、とんでもない爆発力があるのが魅力なんですよ」と言う。
急潮エリアのチヌは非常に引きが強いぞ
そして、釣り方の基本は「遠投浅ダナでチヌを浮かせて釣る」こと。
逆に満ち込みの潮で喰いが立つ磯では、竿下の浅い場所までチヌが差してくるので、近場でも十分に釣れるということも…。
ただ、そんな場所でも潮が引くとやはり遠投での釣りがメインになるそうだ。
エサ取りは気にせず、マキ餌を一点集中させてポイントを作る
「急潮エリアでのチヌ釣りの基本としては、まず、潮が止まっていても流れていてもマキ餌を一点に集中させ、やってくるであろう時合いに向けてチヌの活性を上げることです」と南さん。
この日の南さんのタックルは、竿は「がま磯 アテンダーⅢ」の0号5.3m。
鬼才・松田稔さん監修のあの名竿が2023年秋、1.25号~1.75号の口太グレに最適なモデルが発売され、2024年にチヌ対応号数である0号、0.6号、1号が追加された。
進化した究極の胴調子はもちろんだが、仕掛の操作においては先調子であるかのような、操作感の良さを誇り、いざ魚を掛けると曲がり込んで粘り、魚を怒らせないやり取りが可能。
細ハリスをいたわるやり取りができると評判の竿だ。
新型グリップは、チヌ釣りで多い竿を肘にかけて立てるやり取りがやりやすいのも魅力的だ。
「がま磯 アテンダーⅢ」にチヌ対応号数の0号、0.6号、1号が加わった
「がま磯 アテンダーⅢ」の特徴でもある竿尻のグリップ
ウキはゼロ負荷にオモリなしの完全フカセで、ウキ止めを付けない全遊動での釣り方が南さんの急潮エリアでの基本の考え方だ。
急潮エリアでのチヌフカセ釣りの原則は、
1.沖の潮に流し込める場所へのマキ餌と仕掛の投入
2.マキ餌は一点集中
3.軽い仕掛で浮くチヌを釣るイメージ
4.潮止まり時も餌取りに左右されない
5.強烈な引き、走りに対してやり取りする場所を知っておく
といったもの。
総合すると、急潮エリアでのチヌ釣りのコツは、とにかく潮の中でマキ餌の筋を作ることでチヌがハミ上がってくるラインを作り、そこへ軽い仕掛で自然に流し込む…ということである。
もっとも重要なのは潮止まり時の過ごし方!?
「急潮の中で釣るチヌの場合、潮が流れると活性が上がって浮いてくる。逆に潮が止まると底付近に居るはずなんですが、口を使わない場合が多いですね。ただ、チヌが喰わない潮止まり時にも、そのまま放置は良くないですね。この時間帯にやっておくべきことがあり、それが時合い突入時の爆発力につながります」と南さん。
その1つがマキ餌である。
実はロケ当日も潮止まりの時間帯が長く、チヌの反応がすこぶる悪い時間帯が続いた。
その間、南さんは同じテンポで釣り続けるのだが、基本通りマキ餌は一点集中。
仕掛を遠投してほんのちょっとした流れを探しつつ流し込んでいくのだが、潮が緩い分、仕掛が深く入るのか、潮下でベラが連発する。
浅ダナでの遠投狙いが基本となる
マキ餌もまとまりやすく遠投が効く配合で
マキ餌は遠投での一点集中
通常なら、タナを浅く設定するなど工夫を凝らしてチヌを攻略しようとするのだが、南さんの考え方は少し違うようで「ベラが釣れまくっても構いません。チヌの喰いが悪いので浮いてこず、逆に仕掛が深くに入っているのでしょう。潮が流れ出せばチヌの活性が一気に上がってベラの層より遥か上で喰ってきます」と焦る様子はまったくなかった。
それよりも、潮止まりのうちにマキ餌を十分に一点集中して打っておくことで、マキ餌の溜まるステージを作るという。
潮が緩い、あるいは止まっている分、マキ餌を効かせやすいのだ。
その考え方の中には、チヌは必ず仕掛の下に居る…ということがあり、それを信じて時合いになれば、チヌは必ず浮いてきてウキをひったくるように強烈なアタリを出してくれる…それが急潮エリアでのチヌ釣りだ。
視認性の良いウキで100m以上も流し込むことは珍しくない
潮の速さによって、チヌが喰ってくる距離が変わるのも急潮エリアでの釣りの特徴だ。
潮が非常に速ければ、ずっと潮下でチヌの喰ってくるポイントができることもある。
そのため、100m、150mと流し込んだ先で釣れることが多々ある。
南さんはゼロ負荷ながら大きめのウキを使い視認性を高めている。
ただ、基本的には同じ場所へ仕掛を投入し、マキ餌は一点集中である。
そこから仕掛を自然に流し込むと、潮の流れによってアタリが出る距離が分かってくる。
事実「そろそろウキが入る場所ですねえ…」と南さんが話すと、直後にウキがスパ~ッと入るシーンが続いた。
時合いに突入すると、信じられないペースで竿が曲がる
急潮で強烈な引きを見せるマッスルチヌ
潮の流れが緩ければ、それだけ流し込む距離が短いうちに仕掛が深くへ入る。
潮が速くなってくればその逆になる。
ちなみに、ベラが釣れるのは底付近へとサシ餌が届いている証拠なので、ベラが釣れる距離を測ることで、その時点でサシ餌がどのタナにあるのかをある程度把握できる。
潮止まり時にマキ餌を一点集中で撒き続けることで、潮が流れ出した時に周辺に集まってきているチヌの活性が一気に上がり、浮いてくることもあって、まさに入れ喰いモードに突入する。
これが急潮エリアでのチヌ釣りの魅力でもあり、コツともなっている。
ほとんどが40㎝以上、50㎝に迫るチヌも登場するので油断はできない
時合いに突入し、圓山さんにも良型が連発する
そして、急潮に育まれたチヌは非常に体力があって、引きが強い。
潮に乗ってしまうと寄せるのに苦労しまくることも多々ある。
そのために激流のアユや渓流の本流釣りのように、魚に付いて足場を移動していかないと取れない大物も出現する。
磯に上がったら、潮の流れる方向によって潮下へと魚に付いて移動する道を確認しておき、最終的に取り込む場所をしっかりと確認しておくことが重要だ。
チヌに付いて、磯を移動することもしばしば
●交通:瀬戸中央自動車道の「児島IC」で降り、料金所の先を右折して鷲羽山スカイライン(県道393号)を南下。
下津井田之浦から岡山児島線(県道21号)で下津井方面へ。
●問い合わせ:たい公望(℡086・479・9581)
https://www.tsurisoku.com/saburoumaru/
(文・写真/松村計吾)
※当日の様子は、YouTubeフィッシングDAYS「アテンダーⅢで釣る 岡山下津井の磯チヌ」https://youtu.be/wgB5cwEEwiQ で視聴できる。
※釣り番組「フィッシングDAYS」はテレビ大阪系列で毎週土曜日朝6時50分から放送。
また、放送直後にTVerとYouTubeにも公開されるので全国で視聴できる。
「アテンダーⅢで釣る 岡山下津井の磯チヌ」
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ライター紹介
松村計吾
大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。