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【いまこの釣りがすごい】10枚超えも当たり前!クロダイヘチ釣り超入門・後編

FISHING JAPAN 編集部

いま、クロダイがすごい!

それも大阪湾という大都市のど真ん中でクロダイが爆釣している。

ヘチ釣り・落とし込み釣りで1日10枚どころか、20枚、30枚、時に40枚以上も釣れてしまうという。

この道、30年のベテランをして「こんな釣れ方は過去に経験したことがない。

すさまじい魚影です」というほど。

これは、もう、いま、ヘチ釣りを始めるしかない。

大田徹

大阪湾の沖堤防を主戦場にクロダイを釣りまくるヘチ釣りの名手。

1日に20枚や30枚のクロダイを当たり前にものにする。

大阪湾にヘチ釣りを持ち込んだ加藤氏・小西氏が立ち上げた落南会に20歳の頃に入会し技を磨いた。

ヘチ釣り歴は30年を超える。

がまかつフィールドテスター。

【前編】はもうチェックしましたか?

クロダイは影に潜んでいる

朝まずめ。

太陽は昇っているが、空は赤い。

明るくなってから渡されることの多い渡船システムであるから、これくらいの時間帯が朝まずめといえよう。

だが、大田は準備を慌てる様子はない。

「大丈夫。1日中、釣れ続けますから」

いわゆるまずめではない時間帯だけでも、十分に釣れるし、ヘチ釣りに関してはまずめという概念がそれほど大事ではないという。

「もっとも、その日、最初に落としたエサであれば確率は高くなりますし、夏はタコ釣り師が多いのでタコエギをシャクる前のほうがプレッシャーは低くて釣りやすいという背景はあります」

そういう意味では朝まずめはチャンスといえばチャンスになる。

「まぁ、でも、スリットの内側(通称マス中)はタコ師のプレッシャーも少ないですし、大丈夫です。

潮止まりはそれなりに影響しますが最近はずっと南西風の影響で良い濁りが入ってるので釣れる条件は揃っています」

潮位の話が出たところで、上げと下げ、満潮付近と干潮付近のどちらがチャンスか聞いておいたほうがいいだろう。

「潮位は高いほうがいいですね。

厳密には高すぎるよりも、適度な高さというのがあって、壁に付着したイガイが押し寄せる波で見え隠れするくらいの潮位がもっとも釣れやすいです。

より波がざわつきますし、イガイが剥がれ落ちたりカニや虫類も捕食しやすくなるのでしょう」

スリットのマス中という浅い場所の攻略を解説しながら、実際に大田が朝イチに攻めているのは水深のある垂直面。

それよりは深いほうがいい。

「あんまり水位が下がると水面が遠くなって立っているのもちょっと怖さがありますよ。

苦手な人もいるんじゃないですかね。

あと、タモも7mが必要になりますね」

スリットのマス中という浅い場所の攻略を解説しながら、実際に大田が朝一に攻めているのは水深のある垂直面。

これは、やがて強く照らすことになる太陽の光が射す前に攻略しているに違いない。

「日が高くなるにつれて、ポイントは絞られて、明確になります。

ただし、釣る場所は少なくなる。

どういうことかというと、昼になるとクロダイが影に逃げ込むんですよ。

隠れている場所は分かりやすいんですが、場所は絞られちゃいます。

もちろん、朝と昼と夕方では、影のできる場所が違うのでポイントが移動します」

1匹目のキビレを皮切りに爆釣劇がスタート

まずは内向きの垂直面を次々探るものの反応はない。

首をかしげながらも堤防の先端に向かって歩を進める大田。

明らかに潮流の速い灯台先端のコバ回りのヨレにイガイを落とす。

だが、それでもクロダイのアタリが出ない。

回り込んだ次のコバで突然、鋭くアワせた。

ロッドが大きな弧を描く。

「いや、でも、これは・・・」

強烈にロッドを絞り込み抵抗したものの沖に向かって走り回る…やがて姿を現したのは、クロダイはクロダイでも銀色に輝くキビレ。

「あ、そんなに熱心に写真を撮らなくても。すぐにクロダイを釣りますから」

ここぞとばかりに夢中で写真を撮るカメラマンに苦笑する大田。

キビレはクロダイの仲間ではあるが、ヘチ釣り師にとっては1匹とカウントするターゲットではないようだ。

よく現れるゲストなのだろうか?

「キビレがよく釣れることもなくはないですが、そんなに頻繁に釣れるわけではないです。

雨後の水潮時には群れが入ってキビレ爆釣なんてこともありますが・・・」

荷物置き場から釣り始め先端へ向けての短い距離、まずは内向きの垂直面を探ったが、復路では沖向きのスリットケーソンを狙う。

特にスリットは柱の間を集中的に攻める。

強烈なアワセとともにロッドが絞り込まれた。

だが、糸は出せない。

どれほど強い引きであっても、耐えて、ためて、スリットの奥に逃げ込まれるのを防がなければならない。

「ここで強いトルクを掛けても魚が叩かない、不必要に暴れない竿が、がまチヌのへちさぐりシリーズですね」

垂直堤防に比べ、スリットのマス中は四方をコンクリートに囲まれ、横面、底面にスリットがある。

この全国的にも厳しいロケーションのポイントで数々の年なし(50cmオーバーのクロダイ)を相手に鍛え上げられた銀参郎である。

シリーズを重ねるごとに熟成し続け、凄みを増している。

やがて水面に顔を出したクロダイがデカイ。

「あー、48㎝くらいですかね。アベレージサイズです」

え!?48㎝?

アベレージという発言にも驚きだが、迫力あるいかつい風貌は50㎝を超える年なしに見える。

「見慣れたサイズですけどね。測ってみましょうか」

計測台にのせるとシッポの先は明らかに50㎝を超えている。

「51・・・5㎝です、かね。あぁ、50㎝、超えてますね」

・・・アベレージ?

大阪湾のポテンシャルの高さに驚いたが、当の本人である大田は釣り慣れたサイズなのか、さしたる感動もなくひょうひょうとしている。

「60㎝も珍しくないというフィールドではないんです。

60㎝は幻ですね。

大阪湾の数ある沖堤防でもここ10年程で2尾しか出ていない。

知ってる限りでも大阪湾沖堤防でロクマルを釣ってるのは実寸、拓寸含めて4、5人程度」

大田自身も60㎝はこれまで釣ったことがない。

「ですが55㎝くらいまでは、ぽろぽろ釣れます。

50㎝~53㎝はすごく多い。

1日20枚釣ったとして、1枚、2枚くらいは50㎝が混じるんじゃないですかね。

わざわざ測りませんけど」

休日のほぼすべてを釣りに費やす大田にしてみれば、50㎝の年なしと呼ばれるクロダイを、もしかするととんでもない数を釣っているのかもしれないが、どうやら50㎝という基準にはそれほど興味がないようだ。

スリットの攻略は海側からアクセスする

大阪湾の圧倒的なクロダイの魚影のほかに、もうひとつ、大田の釣果を支えるものがある。

それが新波止のケーソン。

ケーソンは2階建ての巨大な構造物で沖向きにスリットと呼んでいる窓のような枠が無数にある。

柱が乱立しているのと同じ状態であり、これらの柱と柱の間にはクロダイが付きやすい。

このスリット、隙間状をしているため、波が打ち寄せるときに潮流が発生する。

また、柱にはイガイが付着し、柱が影を作る。

そして、浅い。

そのためポイントとしては、非常に魅力的なものになる。

そのケーソンが延々と続くのだから必然的に釣果も安定しやすい。

大田が主戦場として通い詰めるのも必然といえよう。

「ただ、やり取りは難しいですよ。走らせる隙がないですから」

当日は、ほどよく濁っている最高の濁り具合。

これが澄み潮となると繊細に攻める必要がある。

「大阪湾は濁っていることが多いですが、たまに透明度が上がることがあるんですよ。

夏でも、沖の潮が入ってくると妙に澄んでいることがあります。

風向きも重要です。

南西、西寄りならOK。

北や北東は沖向きの潮が澄み、釣れない状況が多々あるのでボーズ風といいます」

こうなるとクロダイは神経質さが一気に増し、人影を嫌ったり、糸の太さを嫌ったり、エサの着水音を嫌ったりするようになる。

「水深2mもないような浅いポイントなので、アプローチには気をつけるにこしたことはないですね。

例えば、日が高くなったらスリットを狙う際、このスリットの上にある梁に立って海側から仕掛けを入れるようにします」

こうすることでスリットの柱間に潜むクロダイに、人の存在を見せることなく、また、影で驚かせることなくアクセスできる。

もちろん、掛けた瞬間にクロダイをスリットから外に出さなければならない。

このときスリットの奥に潜り込まれないようにするには、いくつかのコツがある。

その1つが余分なラインを出さないこと。

アワせる際にラインを最小限しか出さない場合と、余分にラインを出している場合では、フッキング直後の魚のコントロール性が変わってくる。

ラインを出せば出すほど自由に走り回られてしまう。

ギリギリまでラインを出していなければ、最初の突っ込みでクロダイを止める際、スリットに潜られたり、柱にこすられたりすることを防ぐことができる。

当然、キャッチ率が高くなる。

クロダイ、繊細なアタリのパターン

次々と釣果を重ねる大田。

ケーソン内側の壁面で糸がふけたアタリをとらえた。

これも大きい。

48㎝はある。

「いまのは着底する前に食ってきた魚です」

ところで、クロダイのアタリにはどんなパターンがあるのだろう。

「まず、誰でも明確に分かるアタリが竿をひったくるようなガッツーンというアタリ。

次はボトムまで到着した後にコツコツというアタリが手元に伝わってくるパターン。

これは初心者でも分かるアタリ」

ラインの動きではなく、手元に伝わるアタリは魚であることが分かりやすい。

「次にラインが横に走るアタリ。

これは走る距離によってビューッと横っ走りするなら誰でも魚だと分かりますし、ちょっと走っているっぽいという時は最初は分からなくてもだんだん分かるようになります」

魚の影響で走り回っていることが分かる状態。

ラインの動きに生命感がある。

手元には来なかったとしても、これも分かりやすいアタリといえる。

「ただ、多くのアタリは、もっと小さいですね。

フォール中にコツとアタっておしまい。

ほら、コレがそうですよ」

引き上げたエサを見ると、イガイが1粒割れている。

「一瞬だけかじって、すぐ離したんですよ。

こういうアタリは即アワセしなければならない」

浅いポイントになると、水深は1ヒロ程度になる。

ところが、1ヒロ沈める前に、ラインが着底したような状態になり、エサが中層になるはずなのに、ラインがフワッとふけることもある。

「これが食い上げのアタリですね。

落ちてくるイガイを中層から食いあげてきて離している。

もちろん、アワせれば乗ります」

イガイを落とす際に、糸を送り出すのが遅れたような、ピンとラインが弾かれるようなアタリもある。

「クロダイの目の前をイガイが通過する際に、一瞬かじったケースですね。

こういうアタリを取れるようになると飛躍的に数が伸びるし、シビアな状況の日でも魚を出せるようになります」

ピッとラインを弾いたようなアタリをスリットで魚を掛けるや、すばやく沖へ抜き出し5枚目のクロダイを追加した。

イガイは壁際ギリギリに落とす

ヘチ釣りの名前のとおり、イガイは壁際に落とす。

大田の持つ竿先は壁際ギリギリのまるでこすりそうな位置にある。

当然、ラインも壁に沿うように位置し、イガイも壁に沿って落下させている。

「壁に付着しているイガイに当てながら落とす方法もあるし、少し離して接触はしない程度に落とす方法もある。

けれど、あんまり壁から離して落とすことはないですね」

ぽちょっと壁際に着水するやフワッとふけたラインを見て電撃アワセを叩き込む大田。

「着水とほぼ同時にバイトがありました。

活性が高いクロダイは水面まで浮いています」

強烈な引きをいなしつつ、難なく取り込んで10枚目。

まだ午前中だというのに、早くもツ抜けである。

「いや、状況というか、活性はよくないですね。

小さいアタリが多いです。

いつもなら、ガーンと竿をひったくるような魚やラインが横走りするような魚がもっといるんですけどね」

イガイの着底寸前にピッとラインがぶれるような小さいアタリを2枚連続で掛け、午前中の釣りを終了した。

合計12枚。

余裕で1日20枚ペースである。

これでもシブいというのだから今の大阪湾のポテンシャルは果てしない。

もし、身近なフィールドでダイナミックな釣りを探しているならば、ぜひヘチ釣りにチャレンジしてみてはどうだろうか。

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