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バラムツは食べていいの?食品衛生法で販売禁止の深海魚を詳しくチェック
バラムツという名前の魚をご存知ですか?
海中の深い層に生息する魚で、水深400メートルから800メートルの辺りで泳いでいるとされています。
夜になると浅い層に浮いてきて捕食活動をおこなう習性を持っていて、ときどきアングラーが投入した仕掛けに食い付いてきます。
このバラムツ、味は大トロに例えられるほど美味だと言われているのですが、食品衛生法で販売が禁止されているんです。
その驚きの理由とは一体何なのでしょうか・・・?!
今回はバラムツの生態や販売が禁止になっている理由、禁断の(?)料理動画などを大紹介していきます!
目次
バラムツってどんな魚?
バラムツとは、水深400mから800mの中~深海エリアに棲んでいる魚です。
名前からするとムツの仲間のように聞こえますが、ムツ科の魚ではなく、スズキ目クロタチカマス科の魚です。
肉食の大型魚で、全長が2mを超えるものもいます。
深海魚釣りをしていると投入した仕掛けに掛かってくることがありますが、体重30~40kgのバラムツは引きが強く、手に汗握るファイトが楽しめます。
船に引き上げるのにもひと苦労のバラムツですが、ウロコの部分には鋭いトゲがあるため、素手で触って怪我をしないよう注意してください。
ちなみに、このトゲがバラのトゲに似ていることがバラムツの名前の由来になっています。
どうしてバラムツは販売が禁止されているの?
はじめに説明したように、バラムツは非常に美味な魚として知られていますが、食品衛生法で販売禁止に指定されています。
その理由は、バラムツの体を構成している油脂成分にあります。
バラムツの筋肉に溜め込まれている油は「ワックスエステル」というもので、蝋(ろう)に近い性質を持っています。
この油は、人体で消化することができず、取り込むとそのままお尻から排出されてしまいます。
実際にバラムツを食べた人の体験談によると、「排便している感覚がない状態で、勝手に油が出てくる」とのことです。
また、大量の油分が原因で下痢や腹痛、脱水症状になることもあります。
考えただけでも恐ろしいですね。
このような事情から、バラムツは1970年に厚労省で販売が禁止されることになりました。
食味が気になるところではありますが、釣り上げても口に入れないことをおすすめします。
食べるな危険!でも釣りのターゲットとして人気のバラムツ
バラムツを狙って釣る人も
食べるのは危険とされているバラムツですが、スポーツフィッシングの対象魚として人気があります。
深海から巨大魚を引き上げる手応えに魅了されるアングラーが多いようです。
アップされている動画をチェックしていくと、バラムツを釣り上げているシーンがたくさん発見できますよ。
上で紹介している動画でも、巨大なバラムツを全身全霊で引き上げる様子がしっかりと映し出されています。
バラムツを捌いている動画を発見
釣り上げたバラムツを捌いている動画も存在します。
通常の魚とは異なる様子や、近寄ってきた鳥でさえ口に入れようとしない様子が記録されていますね。
油脂成分が多過ぎるので、鳥も受け付けないのでしょうか。
釣り上げたバラムツを解体している動画はこちら
バラムツを調理して食べるチャレンジャーも!
バラムツを釣った後、調理・実食する驚きの動画も見つけました。
これはかなり危険ですが、バラムツを食べたらどうなるか分かってやっていることですから、自己責任ということになるのでしょうか。
刺身以外なら、油脂成分を飛ばして食べることができるのかもしれません。
特に味噌漬けは「めっちゃおいしい!」と絶賛されているだけあって、非常に気になります。
バラムツの焼き魚にチャレンジしている動画はこちら
余談ですが、バラムツに似た魚にアブラソコムツがいます。
この魚もジギングなどで釣れてしまうケースがあり、食べるとバラムツと同じような事態が引き起こされます。
シロウトが調理すると体調を壊すのは間違いなさそうですから、危険なマネは控えるようにしましょう。
自己責任のもとに・・・バラムツを調理してみよう!
「危険なのはわかっているけれど・・・それでもバラムツを食べてみたい!」というチャレンジ精神あふれる方のために、バラムツの調理方法を紹介した動画をピックアップしてみました。
まずはバラムツをさばくところから。
魚さばきといえば、このユーチューバー・きまぐれクックさんを置いて他にはいませんよね。
バラムツに関しても他の魚のときと同様、サクサクとおろしていく様子は、心地良いのひと言です。
以前NHKの夕方のニュース番組で、彼の特集をしていました。
漁師町で生まれ育った彼は、幼いころから魚に囲まれた生活で、漁師さんからもらった魚をさばくことを自然と覚えたそうですよ。
料理人ではないところが、見る者を惹き付ける魅力になっているのかもしれませんね。
バラムツをまな板の上でさばいている動画はこちら
確かに素晴らしい包丁さばきです、惚れ惚れしますね。
バラムツの身には油脂成分がたっぷり回っていますから、外皮を剥がす際に包丁を入れても、スムーズに刃が間を走っていきます。
ただし、表面のウロコには要注意。
まるでイバラのトゲのように鋭利で硬いですから、まるで大根おろしのように軟らかいものなら粉々にできてしまいます。
動画では、そのウロコの上にキュウリを当ててすりおろしにしていますよ。
こういう分かりやすいデモンストレーションのおかげで、バラムツの特徴がしっかり理解できるのは嬉しいですね。
さばいて冷蔵庫で寝かせたバラムツを刺身・炙り・しゃぷしゃぶに料理していく動画はこちら
引き続きバラムツ調理動画の続編を見てみましょう。
サムネにインパクトがあり過ぎで、とても調理動画とは思えませんが、バラムツの危険度がきっちり伝わってくるので良しとしましょう。
おろしたバラムツの身を冷蔵庫で寝かせてから、刺身・しゃぶしゃぶ・炙りにトライしていますよ。
どの食べ方も釣った魚の調理方法としてはポピュラーといえそうですが、今回の相手はバラムツですから、いったいどんな展開になるのでしょうか。
包丁の滑りはスムーズ、見た目も素晴らしい白身。
確かにサワラをさばいたときと、よく似た身の色・形をしています。
そっち系の魚が進化したものなのか、もしかするとこちらがご先祖さまなのか。
どちらにしても、美味しそうな切り身・焼き具合にしか見えません。
これで膨らんだ食欲に負けてしまうと、悲劇が待ち受けていることに・・。
実際に調理したユーチューバーさんが、試食もおこなっています。
バラムツ美味しい!と絶賛する人々が多い中、彼の感想はひと味違っているのが印象的です。
食べてみて美味しいのは間違いないけれど、それは口の中に脂が広がるインパクトに押されているだけかも!と発言していますよ。
ブリなどの青物にも脂が乗ったものがありますが、あれが美味しいと感じるのは、ブリ本来の旨みに脂が交わるから引き立つものだと。
なるほど、魚の脂の乗りをどうとらえるかで意見は変わってくるでしょうが、このユーチューバーさんのバラムツ評価は、マトを得ているといえるでしょう。
刺身以外に食べた炙りもしゃぶしゃぶも、他の脂の乗った魚と比較するとさほどでもない!との結論。
これは大いに参考になりそうです。
バラムツを刺身とソテーにして食べている人も!
バラムツの他の調理方法を動画にアップしているケースは、あまり見られません。
切り身をソテーにして食べている人がいましたので、ご紹介しましょう。
恐々バラムツの切り身を口にするのは皆さん共通で、ちょっと痛々しい感じがしますが、さすがはユーチューバー、チャレンジ精神が不屈です。
釣り上げたバラムツの切り身を刺身と火を加えたソテーにして食べている動画はこちら
いやはや、あまり無理をしないほうがいいでしょう。
実際に脂が多くて食べると危険な魚を求めて、紀伊半島・椿温泉の南のほうにある漁港に出向いたことがあります。
現地の漁師さんやガイドさんは、その魚のことを“ヨロ”と呼んでいましたから、バラムツと同一の魚種ではないでしょう。
深海を狙う際の道糸をカンタンに切断してしまうことから、あまり釣り人には喜ばれていない魚でした。
「えっ、ヨロを持って帰るの?」と驚いた顔を漁師さんにされましたが、何事も経験です。
漁師さんは定期的に食べるそうで、美味しいのは間違いなさそうですね。
その調理方法を知りたくて、何人かつかまえては尋ねたのですが、明確に教えてくれません。
もしかすると、こちらの身体を気遣ってくれているのでしょうか。
バラムツは、海外なら普通に魚屋さんやマーケットで手に入るほど流通しているとのこと。
安価ではありませんから、高級魚と同様の扱いを受けていて、しっかり火を入れて調理する方法が採られているようです。
バラムツを食べる際は自己責任で!
バラムツの生態や食べ方に関連する話題を特集しましたが、いかがでしたか?
バラムツの引きは強烈ですから、それを楽しんでいるアングラーは結構いますし、ガイド船も用意されています。
ただし、釣れたバラムツは基本リリースするとのこと。
体内に他の魚が持っているような浮き袋がないので、強い水圧下の深海でも浮力を損なわずに生息できるようですね。
代わりに油脂成分が浮力を発生させているのだとしたら、極めて理にかなった構造をしている魚だといえるでしょう。
もし深海ジギングなどで釣れてしまったら、写真撮影を済ませてから丁重に海へ返してあげるのがベターかもしれません。
「いや、ボクは持ち帰って食べるんだ!」と発言するのは自由ですし、実際に食べるのも自己責任ですからかまいませんが、食べてこん睡状態に陥った症例も報告されていますから、じゅうぶんに注意して扱わなければならないことを認識してください。
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