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アカエイに刺されたときの対処法!毒針を持つ危険な海の生物アカエイ
釣りや潮干狩りなど海のレジャーに出かけた際、浅瀬を歩くときに特に気をつけたいのが、毒針を持つ生き物として有名な「アカエイ」です。
その毒性の強さは、水中に住む危険生物の中でもトップクラスと評されるほどです。
万が一にも刺された場合には命を脅かす事態になりかねませんが、きちんと知識を持って対処すれば、それほど怖がる必要はありません。
この記事を読んでアカエイへの理解を深め、万全の対策で海のレジャーを思いっきり楽しみましょう!
アカエイってどんな生き物?
アカエイの特徴
アカエイは、長く伸びた尾の付け根に鋭い毒針を持っている、非常に危険なエイの仲間です。
体の背面が赤っぽく見えることからその名がついたとされています。
平均でも体長1m程度にまで成長しますが、大きいものでは2mを超える個体も確認されており、その姿はまるで泳ぐ座布団のようです。
アカエイの生息域
アカエイは、主にアジア地域に分散しているエイ種です。
日本全土の北海道南部から沖縄に至るまで、広範に生息していることが確認されています。
特別に、河口や浅瀬などの泥砂底を好み、泥や砂に潜ることが多く、発見が難しく危ないです。
特に釣り人がウェーディングで足を踏み入れる場所は、アカエイと出くわす可能性が高いため、警戒が求められます。
アカエイの発生時期
アカエイは、季節問わず1年を通じていつでも見られる生物です。
しかし、繁殖期である5月~6月頃の初夏や、水温が上昇してアカエイが活発になる夏から秋にかけては、特に浅瀬に集まりやすいと言われています。
アカエイの毒はどれぐらい危険?
アカエイは、尾の付け根から中程にかけて、長く太い針を持っています。
この針こそが、私たちの脅威となる毒針です。
針にはギザギザした棘がいくつもあり、刺すだけでなくノコギリのように切り裂く働きもあります。
アカエイの毒はタンパク質系なので、体内に入ると細胞そのものを破壊し始めます。
毒を持つエイは他にもたくさんいますが、アカエイの針はその中でも毒性が強く、非常に危険な種です。
アカエイに刺されたらどうなるの?
アカエイに刺されると、直後から鈍器で殴られたような激しい痛みを感じ、しばらく経つとズキズキと疼くような痛みに変わります。
刺されてから数時間は痛みが引かず、人によっては発熱、嘔吐、血圧低下、痙攣などを発症します。
さらに、アナフィラキシーショックによる意識障害や呼吸困難を引き起こす可能性もあり、最悪の場合死に至るケースも報告されています。
アカエイに刺された事例
ここでは、実際にアカエイに刺されて起こった痛ましい事故をご紹介します。
2006年9月、オーストラリアの自然保護活動家であったスティーブ・アーウィン氏が、アカエイに刺されて命を落としました。
当時の状況は以下のとおりです。
アーウィンさんは、ポートダグラス沖のグレートバリアリーフでドキュメンタリーの撮影中、水深2m程度の浅瀬で巨大なアカエイと遭遇。
そのシーンをカメラに収めているところだったようです。
エイの上方にアーウィンさんが近寄ったその時、エイは尾を振り上げ彼の胸を強打。
アカエイ=グレート・ブル・スティングレイは、尾に鋭い毒棘(針)を持っているのですが、その棘がアーウィンさんの心臓を一突き!ほぼ即死状態であったとか。
想像しただけでも恐ろしく、痛ましい光景が目に浮かびます。
アカエイの毒がどれほど危険なものかお分かりいただけたと思います。
アカエイに刺されないために
アカエイは、川や海などの浅い水深を好み、砂泥の底に身を隠して生活しています。
アカエイに刺される恐れが高い状況は、釣りやサーフィン、潮干狩り等で浅瀬に入った時、その存在に気がつかずに誤って踏んでしまった時です。
夏季の海水浴シーズンには特に被害が増え、毎年のようにニュースで報道されます。
アカエイの危険性は一般的に知られているものの、その被害件数が減っていないのは、アカエイが潜んでいる場所がなかなか見つけにくいからでしょう。
刺されないための対策
まず最初に、アカエイが隠れていないか確認を目視で行うことが必須です。
さらに、アカエイが潜んでいる可能性のある浅瀬の砂浜を移動する際は、すり足で歩くことで意図せぬ接触を避けることができます。
アカエイから受ける傷は、上から足で踏んでしまった時に刺されるケースが大半を占めます。
そのため、スリ足で進むとほとんどのアカエイが逃げていくことでしょう。
予期しない事故を防ぐために、砂浜を訪れるときは常に警戒心を持つことを忘れずにいましょう。
アカエイに刺されてしまったときの対処法
アカエイに刺されると、先に述べたとおり激しい痛みが長時間続きます。
万が一刺されてしまったら、すぐに救急車を呼んで必ず病院へ行きましょう。
救急車が到着するまでの応急処置として、まずは慎重に毒針を取り除き、患部を水やお湯で洗い流した後、毒を絞り出します。
出血が多い場合は止血する必要がありますが、足首を刺されたのであれば太もも辺りを縛って圧迫しましょう。
太ももには動脈があるため、血の巡りを遅らせることができます。
また、アカエイの毒はタンパク質系のものなので、熱に弱い性質があります。
そのため、40℃くらいのお湯に患部を浸けると毒素が中和され、痛みを和らげることができるので効果的です。
アカエイを釣り上げてしまった場合
アカエイは、日本の釣り場のほぼ全域に生息しているため、釣りをする際にも注意が必要です。
キャストしたルアーに食い付いてくることも多く、そうなった場合はハリスを切って速やかに逃がすようにしましょう。
そのままリリースするのが一番ですが、しっかりフックが掛かっている場合は取り込んで尾を動かないように固定し、毒針をカットすると安心です。
アカエイは身の危険を感じると尾を振り回して攻撃してくることもあるため、取り込む際は十分に注意しましょう。
登録者数162万人の人気釣りチャンネル『釣りよかでしょう。』では、アカエイを取り込んで毒針をカットするまでのシーンを撮影しています。
動画内では二人がかりでアカエイの尾を押さえ、毒針を切っています。
実際にアカエイを釣り上げてしまい暴れて尾を振り回している場合は、無理に一人で対処しようとせず、周りの人の助けを借りて対処するようにしましょう。
万全の対策で海のレジャーを楽しもう!
アカエイの毒は人間にとって非常に危険で、時には命に関わる恐ろしいものです。
しかし、対策を講じておけば恐れることなく海のレジャーを楽しむことができます。
海に出かける際は正しい知識と対処法を心得て、リスクに備えた行動を心がけましょう。
海に出かける前に水中に住む危険生物について知っておこう!
『毒魚図鑑』では、今回ご紹介したアカエイの他、日本でよく見かける危険生物についてまとめています。
海に近づく際は、身の安全を守るためにもその存在を事前に知っておきましょう。
釣りや潮干狩りに訪れる前にぜひ参考にしてくださいね。
この記事に関するよくある質問
アカエイはなぜ危険?
アカエイは、尾の付け根から中程にかけて、長く太い毒針を持っています。針についているギザギザした棘は、刺すだけでなくノコギリのように切り裂く働きもあるため、尾を振り回すと非常に危険です。また、アカエイはタンパク質系の毒を持つため、体内に入ると細胞そのものを破壊してしまいます。
アカエイに刺されないための対策とは?
まずは、アカエイが潜んでいないか目視で確認することが大切です。その上で、浅瀬の砂浜を歩くときはすり足で進むようにすると、大抵の場合アカエイから逃げていきます。そのため、アカエイを上から踏んでしまっていきなり刺されることは防げるでしょう。