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200尾!?がまかつのへら竿「千早」7尺が勇躍!これぞ“ヤマシンセット”の真骨頂、バラケも食わせる超絶セットが炸裂!!

FISHING JAPAN 編集部

へら界きっての理論派のイメージも強い山村慎一。

が、今回はそんな山村に、理屈抜きで「とにかく一番釣れる釣り方で釣ってくれ」とオーダーを出した。

指定したフィールドは、問答無用の魚影を誇る「厚木へら鮒センター」。

てっきり、山村はカッツケ両ダンゴで数を狙いにいくものと思っていた。

しかし、違ったのだ・・・。

「両ダンゴでも問題なく釣れると思います。ただ、『一番釣れ』と言われれば、僕は間違いなくセットを選びます」

きっぱりとこう言いきった山村は、伝家の宝刀を抜く。

「千早」7尺カッツケ、「ヤマシンセット」が存分に炸裂する!

山村氏

アングラー:山村慎一(がまかつフックモニター)

厚木へら鮒センター

フィールド:厚木へら鮒センター(神奈川県厚木市)

両ダンゴの“上”を行くセット

4月9日(土)。

神奈川県厚木市にある管理釣り場「厚木へら鮒センター」は、朝からたくさんの釣り人で賑わいを見せていた。

6時半の開門と同時に、大池、小池ともにまんべんなく釣り座が埋まっていく。

特に大池には例会組も並び、ほぼ満席状態だ。

しかし、山村慎一は慌てることはなかった。

「今日はカッツケをやりますんで、小池に入ります。午後から風が強まりそうなので、その風を背にできる場所に入りましょうか」

まだ空いていた小池の奥寄りに入った山村は、手際よく準備を進める。

今回、編集部が指定したのは釣り場だけで、「とにかく自由に釣っていいから一番になって」とだけオーダーを出している。

そんな山村は前週に試釣に訪れたと言い、ある確信をつかんでいた。

記者の心の中を見透かしたのか、準備を終えた山村のほうから口を開く。

「すみません、両ダンゴじゃなくて(笑)。先週試釣をした感じでは、もちろん両ダンゴでも問題なく釣れてはいるんですが、『その上』を目指そうとした時、自分の場合はセットのほうがいいかなと思えたんです。これは単に『より多く釣る』という意図もあるのですが、仮に途中で両ダンゴに切り替えていくにしても、自分の場合はセットから入ったほうが状況がつかみやすいんですよね。そういう意味もあるんです」

しかしこの日、最後まで山村がセットから両ダンゴに切り替えることはなかった・・・。

◯竿:がまかつ【がまへら千早(ちはや)】7尺
◯タナ:ウキ~オモリ間約15㎝
◯道糸:0.7号
◯ハリス:上0.4号下0.3号7-17㎝

◯ハリ
上:がまかつ【リフト】6号
下:がまかつ【コム】2号

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◯ウキ
Akira(細パイプT6.5㎝ カヤB3.5㎝ カーボン足5.3㎝ エサ落ち目盛は全7目盛中、クワセを付けて3目盛出し) 

◯バラケ
粒戦 100cc
とろスイミー 50cc
水 150cc
バラケマッハ 100cc
凄麩 100cc
パウダーベイトスーパーセット 100cc
※手水&カルネバ生麩で調整

◯クワセ
感嘆1袋に対し軽さなぎ15ccをあらかじめ混ぜたもの 10cc
水 12cc

“ヤマシンセット”

セットでいく、と力強く宣言した山村を見て、すぐにその言葉が頭に浮かんだ。

そう、山村が「全国」を2度も獲った、あの「ヤマシンセット」である!

釣りの骨格は、こうだ。

まずは取り回し重視で竿は最短の「千早」7尺。

今時期の厚木HCは「8尺でも長い」と感じられるほど、魚影は十二分。

たくさん釣るなら、この最短7尺という選択は絶対なのだ。

「『千早』の7尺って、凄くいいんですよ。この長さだと指揮棒のようになってガチガチの竿が多いんですが、『千早』は7尺でもしなやかに曲がってくれます。それがいいんです」

そして、仕掛け。

目に付くのは繊細な極細パイプトップのウキと、やはり7-17㎝の短バリスであろう。

「ご想像のとおり、上(バラケ)も積極的に食わせていく釣りです。6対4・・・いや、いい時には8対2くらいの割合でバラケを食ってきますね。自分はそこに何の抵抗もないので、ある意味、それが自分の強みなのかもしれません」

バラケも積極的に食わせていくスピーディーな釣りで2度、全国大会の頂点を極めた山村。

セットだからといってウドンを食わせなければいけないという意識はなく、「だからこそ」の強さもある。

どちらを食ってもいい。

いや、むしろできれば「上」で決めたい・・・。

下ハリス「17㎝」という長さは、状況によってはさらに短くなっていくだろうと山村は示唆する。

そして…。

瞬時に立ち上がったウキが、ナジミを待たずにいきなり刻み続ける。

しかも、食っているのはほぼ「上」だ!

「よし、状況は悪くないですね」

「ヤマシンセット」、炸裂!

打ち始めの数投のみバラケはやや大きめのラフ付けで打っていた山村だったが、へらの寄りを確認すると、すぐにかろうじて上バリが隠れるくらいの小さなエサ付けとなる。

すると・・・

“フワッ、フワッ・・・、チャッ!”

早い。

ほぼ着水と同時に立つウキ。

そして肩の付近で揉まれると、そのままナジミを待たずに「チャッ!」と落とし、いきなり連続して竿が立つ。

そのほとんどが、バラケを食っている・・・。

「いいですね。とりあえずは朝のモーニングサービスをいただいちゃいましょう」

5枚・・・いや、10枚まではあっという間だった。

おそらく10分もかからなかったのではないだろうか。

「今はもう、1本バリダンゴで釣っている感覚です。ダンゴが1つだから寄りも激しくなりすぎないのもいいですよね。ちょうどいい感じなんですよ。これが両ダンゴにしない理由でもあります」

そんな山村が強いのは、そこに「迷いがない」ことだろう。

普通、序盤からこれだけバラケを食ってくると、思わず「これは両ダンゴのほうがいいのでは?」と思ってしまうもの。

しかし山村にはそれが微塵もない。

迷いがないから、躊躇なく攻めることができる。

この精神的なアドバンテージは、かなり大きい。

「早いアタリでバラケを食って連チャンしている。エサが1つだから寄りも適度。最高じゃないですか」

ここぞとばかりに畳み掛ける山村。

朝は食い気そのものも良好なのか、まるで機関銃のような速射砲よろしく連続ヒットを決めていく。

そしてなんと、開始からわずか1時間しか経っていない山村のカウンターは、早くも「30」という数字を刻んでいた。

いくら魚影の濃い厚木HCとはいえ、この時期に時間30枚である。

その凄まじさを想像していただけるだろうか・・・。

「とりあえずいい感じですね。ただ、これが1日は続かないでしょう。そこからがまた勝負です」

2時間目、山村の怒涛の攻めは続くが、8時を過ぎたあたりから強烈な早いアタリが徐々に減ってくる。

2時間目は時間30枚には届かず、9時で52枚。

「ここからは少し『下』(クワセ)も意識していきます」

山村はそう言うと、下バリの「コム」2号を3号にサイズアップ。

激しい寄りでもみくちゃになる中、やや下バリ(クワセ)を重くしてハリスを張らせようという意図だ。

朝の2時間は「ほぼ上バリ」というくらい、上のバラケを食ってきていた。

しかしこの山村の対応のあたりから、一拍置いてからの鋭いアタリで下バリにヒットしてくる回数が徐々に増えていく。

「もちろん、早いアタリで上を食わせることは継続して狙っていきますが、そこを通りすぎたとしても、今度は下バリのクワセがある。だから待てるんです」

早いアタリで「上」。

そこでアタらずとも、やや待ってからのアタリで「下」――――――。

おそらくこの活性なら、両ダンゴでも時間15枚以上はいけるだろう。

しかし山村は確信を持って選択した「ヤマシンセット」で、軽々その上をいってみせたのである。

「アスカ」3号、ハマる

「一発で食わせる」べく、山村のバラケのタッチは軟らかい。

常に手水が入り、しっとりしている。

このバラケを小さくつまみ取り、ハリ付けする。

「ただそれを続けていると、経時変化等でエサが目詰まりしてきます。そうしたらさらに手水を打ったところに、『カルネバ』の生麩をひとつまみパラっと混ぜ込むんです。この時、丁寧に混ぜ込んだり揉んだりしないのがポイントで、白い生麩が残った状態のままつまんで打ちます。これ、他の釣り場でかなり効くやり方で、また一気に反応が戻るんですよ。ただこれもずっとやっていると『カルネバ』が水を吸ってネバってきちゃうので、そうしたらまた基エサに戻る…という繰り返しです。この追い足す麩が『カルネバ』であるというのがミソで、もっとバラける麩だと、今度は一気に魚が騒いでしまうんですよ。『カルネバの生麩』というのがいいんです。もっと意図的に騒がせたいような時は『バラケマッハ』を使うこともありますが、今日の場合はやりすぎでしょうね。『カルネバ』を少量パラっとやるのがちょうどいい感じですね」

「カルネバの生麩追い足し」で上への反応を維持しつつ、山村は時間の経過とともに下バリのクワセへの意識もさらに高めていく。

まず、昼食休憩後はそれまでの「さなぎ感嘆」から、より確実にハリに残る「力玉(小)」のさなぎ粉漬けに変更。

へらにもみくちゃにされても必ず下バリに残ってくるようにしつつ、揉まれながら小さく刻むような「誤飲」をイメージしたアタリでもカウントを重ねていくのだ。

このあたりは、さすがにしたたかである。

さらに山村は、下ハリスの長さを段階的に13㎝まで短縮。

小さなクワセへのアタリをより明快にウキに出させつつ、「上」と「下」の二段構えの釣りを確立させていくのだ。

そしてトドメとなったのが、上バリのさらなる変更だった。

すでに上バリを「リフト」6号から5号に落としていた山村だったが、「まだ芯が大きい。朝の高活性時ならこれでよかったが、今(午後)はアタリ自体が遅く、アタっても空振るようになった」と、ここで思いきってさらに小さい「アスカ」3号に切り替えたのだ。

これが効いた。

明らかに早いアタリ自体が増え、また、カラツンも激減したのだ。

「いいですね。上もガンガンカジっている感じです(笑)」

だいぶその比率は落ちたとはいえ、午後になっても相変わらず6対4くらいの割合で上バリのバラケを「カジって」くる。

そしてその合間に、確実性のあるアタリで、下バリも――――――。

もはや誰にも止められないといった感じで延々と釣り続ける山村。

16時、池の納竿時刻。

カウンターには、信じられない数字が刻まれていた。

“192”

「いやぁ、200はいかなかったか! 悔しいですねぇ。これはまた、真夏に300枚チャレンジに来なくちゃいけませんね。もちろん今度は両ダンゴで!(笑)」

超速攻かつ、超綿密。

まさに「ヤマシンセット」が炸裂した、記憶に残る春の1日だった。

(文・写真/月刊へら鮒編集部)

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