イシダイがっつりQ&A!がまかつのイシダイエキスパートが釣果アップのカギをズバッと解説【前編】
磯の王様、いや幻ともいわれているイシダイ。 一筋縄ではいかない相手ですが、勘所を押さえておけば釣果はアップするはずです。 九州のエキスパート2人に教えてもらいましょう。
FISHING JAPAN 編集部足元からだらだらと深くなっていくようなポイントは、竿を手持ちで狙う宙釣りには不向き。
しかし、沖にはイシダイのエサ場や回遊ルートとなるかけ上がりや沈み瀬が点在する。
そんなところはデカ判イシダイに遭遇する確率が高いと早田さん。
早田流遠投釣りのコツを教えてもらおう。
目次
イシダイがっつりQ&A!がまかつのイシダイエキスパートが釣果アップのカギをズバッと解説【前編】
磯の王様、いや幻ともいわれているイシダイ。 一筋縄ではいかない相手ですが、勘所を押さえておけば釣果はアップするはずです。 九州のエキスパート2人に教えてもらいましょう。
FISHING JAPAN 編集部遠投するのは足元から切り立った場所がないところです。
自分の場合はだいたい50mから70mのところにあるかけ上がりや沈み瀬を狙いますね。
基本的には正確に狙える範囲でできるだけ遠くに仕掛けを飛ばし、着底後はズルズルと引っ張ってきて、仕掛けがスーッと入っていく落ち込みや、ぐーっと重たくなるかかけ上がりや沈み瀬を把握します。
かけ上がりや沈み瀬も下、真ん中、上とありますが、まずは何投かしてエサ取りがいるところを絞り込んでいきます。
ただし、エサがすぐに取られて残らない場所ではこの釣りは成立しないので、サザエの赤身が残るところを狙います。
あとはあまり根掛かりがひどいところは避けますね。
遠投釣りではここぞと決めた場所にエサを置いて大型が回遊してくるのを待つ釣りです。
老獪な大型を警戒させないようにできだけ打ち返しはしたくないのでエサ持ちがいいサザエをメインに使います。
サザエの赤身はエサ取りに強くハリに残りやすいですから。
量的には2kg。
刺し方は手持ちの釣りと同じですがエサ持ち重視で3個掛けです。
あとはヤドカリですね。
以前、渡船からポイントにマキエを入れたこともありますが、あっちこっちにエサがいってイシダイの回遊ルートが変わるのか逆に釣れません。
なにもせずサシエだけを遠投するのがいいですね。
竿は飛距離が出るように遠投仕様のものがいいです。
道糸はナイロンの20号、瀬ズレワイヤは37番を1ヒロ弱。
秋は三つ又サルカンの固定仕掛けですが、この時期は食い渋ることもあるので自作の遊動テンビンを使います。
ハリスは絡み防止に15cmと短めです。
仕掛けが絡んでいると食ってきません。
オモリは50号。
軽いと飛ばないし底の形状を把握しにくいからです。
ハリは食い込みがいい本石の18号です。粘りとパワーで飛距離が伸びて沖からデカ判をぐいぐい寄せてくる「グランドターナー」をメインに振り出しの「ZⅡ」の遠投タイプも使います。
春には、長崎県五島列島福江島の北にある多々良島を、「がま石ZⅡ」で、遠投で攻めて、60.5cm、4kgと56cm、3kgクラスを仕留めました。
大事なのは垂らしですね。
垂らしが短いと遠心力が使えず飛距離が伸びません。
私は瀬ズレワイヤに捨て糸を使うので、穂先のトップからオモリまでの長さが2mほどになりますが、これで竿全体に乗せてキャストします。
足場が悪いと力が入らないので、足場がよくて後方へできるだけ竿先を下げて構えられるところに立ちます。
キャストの際はトップスピードを速くすることで飛距離が伸びます。
ここぞと決めたら打ち返しは本当に少ないですね。
1時間くらいは平気で置いてますし、長いときだと2時間くらいそのままなんてこともあります。
変に動かしたり変化をつけたりして小さいのが食ってきたらまずいですから。穂先がふわっと動くウツボみたいなアタリが出たときは大物のことが多いですね。
前アタリのあと20分、30分アタらないことも多いですが、このときにエサがなくなったと思って打ち返すのはアウトだと思うんです。
大型のイシダイには見切られる。
そこでじっとしていると20~30分後に、もぞもぞってアタりだすんですよ。
そこからはイシダイがエサに執着しているので、そのまま竿が入っていく。
このパターンが多いですね、60cmオーバーは。竿は穂先を潮上に向けてラインとの角度が90度ぐらいになるようにセット。
ピトンに掛けてアタリを待ちます。
なるべく仕掛けを直線的に持っていくことで仕掛けが絡んだりせずアタリも分かりやすくなります。
ラインを軽く張った状態でイシダイが動き出すのを待ちます。
5分も待っていればモゾモゾと動き出すので、そこで竿を起こして巻きにかかります。
根に入られたときにばんばん竿をあおって張ると余計に出てこないので、すぐに緩めてテンションがかかるかかからないかぐらいに張って待ちます。
遠投釣りでは根に入られることも少ないが、ラインを緩めて待てばイシダイは出てきます。
竿が完全に入って伸びていき、5kg以上の魚になると竿は戻らずそのまま、うんうんともみ出します。
完全に竿がいききってから起こせば、もう向こうアワセで掛かっています。
やり取りは竿を立てて小さく起こしては素早く巻く。
大きなポンピングをするとハリ穴が大きくなったり、竿を倒したときに魚が向こうを向いて締め込まれる。
それで根に張り付いたりするので、なるべく頭をこちらに向けたまま強引に巻いてきます。
竿を立てたら小刻みに起こしては巻いてくるやり取りがベスト。
仕掛けを投入して放ったらかしに思えますが、本当に小さい前アタリがあるんですよ。
ややもすれば見逃してしまうような。
それに気づくことが大きいイシダイを釣るコツです。
気づけば待てる。
気づかなければ仕掛けを回収してしまって、みすみすチャンスを逃すことになりますからね。
四元秀敏(よつもと・ひでとし)
釣り雑誌の編集に携わって30年。様々な釣りを嗜むが、磯のイシダイ釣りが大好き。磯釣り専門誌『磯釣りスペシャル』編集長。
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