超ハイプレッシャーフィールド・岐阜県五三川を、がまかつラグゼスタッフ・大津乗彦&赤松拓磨がハードベイトで完全攻略

松村計吾

【テレビ大阪系列・毎週土曜日午前7時放送「フィッシングDAYS」サイドストーリー第27話】番組内で話題になったワザ、アイテムについて”深堀”するもう1つの「フィッシングDAYS」。

「フィッシングDAYS」はテレビ大阪を中心に、テレビせとうち、TVQ九州放送、テレビ和歌山、高知放送で放送されている、がまかつ提供・テレビ大阪制作の釣り番組。

ハゼなどの極々小さい魚から、ルアーを使った大型魚釣りまでを、どうやったらより釣れるのかにこだわって制作。

また、釣れたときの釣り人の笑顔にもフォーカスし、釣りの楽しさも徹底的に追求している。

ハードベイトで挑む!春の五三川

バス釣り用に整備された岐阜・五三川は人気のハイプレッシャーフィールド

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釣り人用の駐車場・アングラーズパークが多数設置されている

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釣り人専用駐車場が数多くある

岐阜県養老郡養老町の養老川水系は、古くからバスフィールドとして地元アングラーをはじめ、釣り番組などのメディアでもよく登場する中部屈指の釣り場だ。

近年、アングラーズパークと呼ばれる釣り人用の駐車場が設置され、入漁料金を支払ってバス釣りが楽しめる人気エリアとなっている。

同エリア内にあり、養老川水系と並んで人気を集めているのが五三川(ごさんがわ)だ。

両釣り場は1つの入漁料金で釣りができ、ポイントは無数に点在するため、ランガンスタイルで攻める場合の釣り場選びにも困らない。

ただ、年間を通じて、どのポイントでも常時アングラーがロッドを振る姿が確認できるほど人気の釣り場ともなっている。

元々バスの魚影がすこぶる濃いエリアだが、人的なプレッシャーも高く一筋縄ではいかない釣り場ともいわれている。

今回、五三川ではガイドも務めるがまかつ・ラグゼフィールドスタッフの大津乗彦さんと、がまかつスタッフでルアービルダーの赤松拓磨さんがこのエリア攻略に乗りだした。

ただ、赤松さんは過去数回の五三川釣行では、まったく満足のできるバイトを得られておらず、本人自ら「トラウマ級の苦手な釣り場です」と苦笑いするほどの難関フィールドなのだと言う。

そこで今回は「何とか、そのトラウマを乗り越えて、五三川が楽しい釣り場であることを赤松さんに実感してもらうよう、サポートしますよ~」と大津さんが手を上げてくれたのだ。

そして、攻略の決め手はクランクベイトやミノーなどのハードベイトだという大津さん。

「基本的にハイプレッシャーなフィールドなので、ワームなどでの釣りがメインとなっています。ここでハードベイトを使うことで攻めのスピードアップを図り、一日の中でどんどん広い範囲を探っていくことでフレッシュなバスと出会う。これが五三川バスに出会うための近道だと思っています」と。

五三川でガイドを務める大津さんだけに「なるほど!」と納得。

「五三川は元々ため池が連なるような地形で、それを水路で結んで川のような形になっています。水路は狭く、元々のため池部分はワンド状になっているので多くのバスを保有できるんです」と説明してくれた。

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ラグゼフィールドスタッフの大津乗彦さん

ロングキャストよりもストラクチャー際での接近戦が◎

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細い杭が並ぶラインから手前がシャローになっている

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ストラクチャー周りを攻める大津さん

4月中旬、早朝は少し肌寒いが日中はかなり暑くなる予報だ。

まず大津さんが選んだのは五三川中流部。

かなり広い水路だが「岸から杭が並んでいるところまでは、水深30cm前後のシャローで、その先は落ち込んでいます。これは五三川の釣り場で定番の地形です」と大津さん。

そして狙うのはシャロー部分に点在する石や枯れ枝、ゴミなどのストラクチャー周りが中心だ。

それだけゴミが多いと釣りにくいのでは…と思ったが「実はこの五三川はあまり喜べないんですが、ゴミが多いんですよ。小さなゴミからタイヤなどの大きなゴミまでが点在している。ただ、それもバスが付くストラクチャーとなっているのも事実です」と大津さん。

川の中心部のディープエリアに関しては、確認しにくいので、基本的にシャロー部分で見えるストラクチャー周りをタイトに攻めるのが、五三川攻略の一手である。

その攻め方も「とにかく、スレたバスが多いので、バスが付いているストラクチャーから30cm離してルアーを通しても反応しないくらいタフなんですよ。必然的にかなりタイトな攻めとなります」と大津さんは力説する。

ロングキャストもするのだが、基本的にバイトが多いのはシャロー部分となる。

見えるストラクチャー周りでの接近戦が五三川では効くのだ。

実は当日、数か所の釣り場を回ったのだが、ほとんどのエリアで足元からシャローが数m先まで広がり、その先で落ち込んでいる。

そして、ことごとくシャロー部分にはストラクチャーが点在する。

それは石であったり、木の枝や倒木や杭であったり、ゴミだったりもする。

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ボトムに沈むタイヤなどのゴミもストラクチャーだ

五三川ガイドの大津乗彦が実践する「アベンジクランク100」での必釣戦術

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ラグゼ・アベンジクランク100

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ラグゼ・アベンジミノー110F

さて、五三川では大津さんは自らがプロデュースし、この五三川でテストを繰り返して作り上げたラグゼ(がまかつ)の「アベンジクランク100」を愛用する。

対して、赤松さんも自らが設計をしたビッグベイトである「ラフィン170」や「アベンジミノー110F」を中心に、”郷に入れば郷に従え” で「アベンジクランク100」も使用。

アベンジクランク100は、大津さんが「ストラクチャー周りをタイトに攻めるのに最適」なルアーとして、障害物の回避能力とシャッドのようなナチュラルなアクションを持つ「食わせのクランク」として開発した。

「最大の特徴はデッドスローからファストリトリーブまで、どんな速度でもしっかりとアクションをする点と、障害物に接した際のバランスの崩れや軌道から外れることがなく、思った通りのコースを攻め続けられる点です」と大津さん。

つまり、クランクベイトとしてはそのリップ形状やスイミング時の姿勢から、ストラクチャーに接した際にはフックが掛かりにくく、根掛かり回避をしやすい形状となっている。

ただし、石などに当たった際に、大きく跳ね上がったりして軌道がズレることも多いが、軌道のズレを最小限にしたクランクなのだ。

そして、浮力をやや抑えたことにより、狙ったレンジに入れやすく、その浮上姿勢により、障害物周りからの浮上時にバイトすることも多いルアーであるとのこと。

「使い方としては、キャストしたらまずは速巻きでレンジを入れます。狙ったレンジに到達したら、ルアーが浮き上がるのを抑える程度のデッドスローでリトリーブします。障害物にかする程度に当たれば、ほどよい感じです。時々ステイ(浮上)させては少し速く巻くことで、レンジを入れ直します」と教えてくれた。

多彩な釣り場を「アベンジ」&「イフリート」の2タックルで攻めきる

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大津さんが持ち込んだ2タックル

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赤松さんが持ち込んだ3タックル

五三川攻略に適したアベンジクランク100の紹介を大津さんに力説していただいたのだが、一方で赤松さんは自らが開発するビッグベイトのラフィン170や、来春発売予定のアベンジミノー110Fでヒットに持ち込みたい意識は強い。

アベンジミノー110Fの特徴としては「リトリーブ時のアクションとジャークをさせた際のアクションの両立を目指したミノーなんです」と赤松さん。

リップを薄くし、ボディのヘッドとテール部分を細くすることで、リトリーブ時にはピッチの細かなキックアクションを実現させ、いざジャーク時にはキレのあるアクションをしながらも引き感の軽さで1日釣っても疲れないルアーとして設計されている。

また、浮上姿勢にもこだわり、水平姿勢のままフラフラとボディーを振りながら浮上するアクションでバイトを誘発する。

引いても、シャクっても、ステイさせても食わせることができるミノーといえる。

さて、そんなハードベイト用に2人が持ち込んだロッドは「ラグゼ・アベンジ」&「ラグゼ・イフリート」の2タックル。

「アベンジ」は細分化されるバスフィッシングのシチュエーションに合わせ、5gまでのライトリグ用から6oz級のビッグベイト用まで、実に12アイテムが揃う。

「イフリート」は、操作性抜群の超軽量タイプでありながら、いざバスをヒットさせた際にはそのパワーで寄せ切る軽量にして底力のあるロッドだ。

ちなみに、大津さんはアベンジミノー110F用にイフリートB64MH-Rを、アベンジクランク用にアベンジB66M-Rを使用。

赤松さんはアベンジミノーF用としてイフリートB67M-RF、アベンジクランク100用にB66M-R、当日は登場頻度が低かったが、ラフィン170用にはアベンジB70H-R・STを持ち込んだ。

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産卵を意識しつつフィーディングに出てきたバスをシャローで狙い撃ち

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倒木の横で突然飛びだしてきたバス

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ファーストヒットは40㎝級のバス

中流域では反応がなかったため、少し上流部に移動した。

大きなワンド状のエリアだ。

「かなりバスの個体数は多いエリアですが、その中からフィーディングでシャローにさしてきた個体をメインに狙います。なので、やはりストラクチャー際をタイトに狙う必要があります」と大津さん。

水中に立つ杭の右と左をギリギリに通す。

直径5cmほどの細い杭でも、その左右で食いが変わるのだろうか。

聞いてみると「もちろん、まったく反応は変わります。この釣り場では丹念に丁寧に、そしてスピーディーに…が、理想です」と、大津さんは続ける。

「たとえば、朝や夕方で太陽が傾いている状況では、小さな障害物でもシェード側を狙うのが基本ですが、現在は太陽が高くシェードができていないので、両サイドを丁寧に狙います」

大津さんの攻め方を見ていると、キャスト後はまず速巻きでレンジを入れる。

そこからは急にデッドスローで、14lbラインがややたるみ気味になるくらいのテンションで、張るか張らないか…程度の速度でリトリーブする。

障害物にさしかかれば、わざと当てるか、障害物横でステイさせてクランクを少し浮上させる。

「クランクのブルブルというアクション時の振動がわずかに感じられる程度にリトリーブするのがコツです」と、さすがに食わせるためのクランクだ。

シャローに横たわる木の枝の横で、リトリーブを止めてやや浮上に転じた瞬間、バスがヒラを返すのが見えた。

即フッキングでロッドは心地よい曲がり。

「この木に付いていましたねえ…」と笑顔で取り込み。

40㎝弱ながら、コンディション抜群のきれいなバスだ。

「実はその先に浮きバスが見えていて、それを狙おうとしていたら、違うバスが突然飛び出してきたので私もびっくりしました(笑)」と、大津さんもとりあえず一安心。

最上流部の細池では赤松さんにアベンジクランク100で40cm級

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細池のシャローで、赤松さんがクランクを使いバスをゲット

赤松さんは最上流部に当たる大きな池の「細池」エリアへ向かった。

細池へ流れ込むバックウォーター横から攻め始めた。

ここは足元には転石が無数に入り、沖は障害物が少ないエリア。

沖ではベイトを追うバスを狙うが、やはり本命はシャローの転石でベイトを捕食するバスだ。

ここでまずは1尾…と、赤松さんも大津さんにならってアベンジクランク100をセット。

転石の際を探りながら移動していくと、10mも動かない場所で突然のヒット。

これも抵抗激しいコンディション抜群の40㎝級だ。

やはり、転石に当たったところでのステイ直後に飛びついてきたという。

ただ「なんか、釣らせてもらった感が強くて、次は自分のパターンで釣りたいですねえ…」と苦笑い。

そこからはかなり広範囲に探ってみたが反応がなく、大きく場所を変えて養老川水系の十三村川へ。

池を覗いた大津さんが「バスがサスペンドしてますね」とひと言。

水際から離れてクランクをキャストすると、バスが反応した。

そして、口を使った瞬間にフッキングが決まった…と思ったら食いきれていなかったのか、すっぽ抜けるように外れてしまった。

痛恨のバラシ

夕方から夜半にかけて雨予報であったが、ここで大雨となった。

「夕まずめのラストにちょっと行ってみたい場所をあるんです」と、大津さんがこの日最後に選んだのは中流域にある「ジャカゴ」と呼ばれる網に石を入れたものが護岸から沖まで入っているエリアだった。

網があるのでボトムを攻めることはできないが、基本的に浅い場所なのでほとんど水面下を攻めることになる。

「夕方にこの浅場へとバスがベイトを追い詰めて捕食するエリアなので、大きめのルアーでいきましょう」と2人でラフィン170をセットし、分かれて広範囲に探るも、この日はヒットに至らず納竿となった。

ただ、納得がいかない赤松さんからのお願い「明日の朝だけでもやりたい」のひと言で、翌日朝のラストチャンスで、初日に状況がよさそうだった中流域のワンドへ行くことになった。

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2カ所目は中流域のワンド

シャローへのかけ上がりでアベンジミノー110Fにバス45㎝!トラウマは解けた!?

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2日目の早朝にアベンジミノー110Fで、赤松さんが45cmクラスをヒット

2日目の早朝、ワンドの沖にはベイトのモジリがあちこちで発生し、よさそうな状況だ。

大津さんは下流側へ、赤松さんは上流側へと分かれて入る。

大津さんの狙いは下流側に広がるオーバーハングエリアで、早朝にフィーディングで上がってくるバスを狙う。

時折バスが泳いでいる姿が見えたが、反応しない状況が続く。

そんな中、上流部で釣っていた赤松さんから「釣れました」と興奮気味の連絡が入った。

駆けつけてみると、45㎝の立派なバスを持った赤松さんが笑顔で迎えてくれた。

「少し沖のシャローへのかけ上がり部分でヒットしました。見えなかったけれどストラクチャーがあったんだと思います。ルアーはアベンジミノー110Fですよ!」としてやったりの笑顔。

ようやく赤松さんなりの釣り方でヒットさせたバス、それも45㎝の良型ゲットに、これまでのトラウマは解けた。

はず…と、これで無事番組もストーリーが成立しロケ完了…と、実はこれでは終わらなかった。

撮影班が機材を片づける最中、大津さんと話をしながら何気なくキャストしていた赤松さんが、急に「あれ?来ました~」とロッドを曲げた。

沖に見え隠れする木の枝の横だった。

力強く走るバスをロッドのパワーで受け止めて寄せ、ハンドランディング。

これもランカーに迫る45㎝のバス。

ラストは「五三川のバスってこんなに簡単でしたっけ(笑)」と、赤松さんのひと言で終了となった。

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ロケ終了後に赤松さんがヒットさせた

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五三川のバスってこんな簡単に釣れましたっけ

●アクセス方法:名神高速道路の大垣ICを降り、国道258号線を南へ進行し、養老町近郊の釣りスポットへ向かいます。

(テキスト・写真提供/松村計吾)

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ライター紹介

松村計吾

松村計吾

大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。

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