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【矢野勝彦さんの極意】キスの投げ釣りで数を釣るために覚えたい2つのコツ

FISHING JAPAN 編集部

投げ釣りのキス狙いで数釣りを目指すなら効率性は無視できない。

それを求めるために不可欠なのがポイント考察である。

そして、それを理解したうえで引きのスピードやコースを考えれば数釣りの精度は自ずと高まってくる。

そうした点にとりわけ高い意識を持ってキス釣りを楽しんでいるのが徳島の名手、矢野勝彦さんだ。

ここではそんなベテランのノウハウについて迫ってみたい。

釣果をアップさせるために実践したいノウハウを紹介

エギングロッドをはじめとしたライトタックルを用いて狙うチョイ投げの人気も高いキス釣りだが、醍醐味の1つといえる数を狙うにあたってはやはり本格的なタックルを用いた投げの引き釣りが有利である。

状況がよければ束釣り(3ケタ釣り)を達成するのは難しくない。

たとえ悪い状況にあたったとしても圧倒的な飛距離を生かすことでキスの居場所を探れるのは本格タックルの強みといえる。

そんな本格的な投げ釣りでのキス釣りを得意としているのが徳島県の海岸をホームグランドにしている矢野勝彦さん。

全国の精鋭が集う「G杯争奪全日本がま投(キス)選手権」で優勝するなど競技会で数々の優秀な成績を上げてきたキス釣りのエキスパートである。

ここでは矢野さんに実釣を交えて教えていただいた、投げ釣りでのキス狙いで釣果をアップさせるために実践したいノウハウを紹介したい。

開始2時間半という早さで束釣りを達成し名手の釣りの中で特に興味深いと感じたのが、ポイント考察と引きスピードの考え方の2つ。

以下ではこれらの点について掘り下げてみたい。

【キスの数釣りコツ①】流れと地形の変化を重視したポイント考察

魚影が保たれている釣り場に注目すべし!!

「今年はコロナで競技会がほとんど開催されてないだけにおもろいかもと思って目をつけてみました」。

今回の釣行で矢野さんが目をつけた釣り場は香川県観音寺市の有明浜。

盛期には大規模な競技会が何度も行なわれるほどのキス釣りの実績場である。

ただし、今シーズンに関してはコロナ禍とあって大人数が竿を出す競技会が開催されていない。

それなら魚影が保たれているだろうと考えてのセレクトである。

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数釣りを高確率で実現するには釣行前の情報収集も大事。できるだけ釣り人が入っていない場所を狙うのが賢明だ。

このように魚影が保たれているか否かの判断は数釣りをするうえではとても重要である。

競技会はもとより、釣れているという情報が入った釣り場も注意が必要だ。

大勢の釣り人が押し寄せた結果、多くのキスが抜かれることが想定されるだけに再考の余地があるといえる。

よりよい釣果を上げるには、そのように釣果を含む釣り場の情報を収集することも重要である。

もっとも、すべての情報を収集するのは難しく、ときにはキャスターが入れかわり立ちかわり入った後の釣り場にエントリーすることもあるだろう。

そうしたときは良型が釣れにくい傾向がある。

しばらく釣ってピンギスクラスが主体であるなら魚が抜かれていると考えて大きな場所移動を検討するのが賢明である。

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良型が出ない状況はすでに魚が抜かれている可能性が高い。大きな場所移動を考慮したい状況だといえる。

流れと地形変化を効率よく狙える釣り座がベスト

有明浜は遠浅という特徴がある。

エントリーした午前6時は干潮のタイミングとあってかなり沖まで砂地が露出していた。

そうした状況が約2kmにも及ぶサーフ全体で見られる中、矢野さんはいっさい迷うことなくある場所に釣り座を構えた。

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流れや地形といった変化が多く絡む場所ほど釣果が安定しやすいということが頭にインプットされているとあって、広大な釣り場ながらも釣り場選択に迷いはいっさいなかった。

「干潮だから少しわかりにくいけど、川のような筋(水道)が各所に入っているでしょ。

そうした筋は餌の動きを生む流れが期待できるし、キスの付き場となる地形的な変化があるぶんよい狙い目になるんですよ」

ベテランが構えた釣り座の回りを見ると、左右と後方に流れの筋が入っている。

潮が満ちだすと島のように独立する場所の沖面中央に構えたことで、大きな移動をせずとも左右両方にある筋の流れと地形変化を釣れるという効率性を確保しているわけだ。

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中央にごく小さく写っているのが矢野さん。後方から左回りで入っている水道と、右からの水道の両方を効率よく狙える場所に釣り座を構えた。

手前から順に攻めるのが数釣りの鉄則

さっそくタックルの準備を整えた矢野さんは軽くキャストして波打ち際に仕掛けを通していく。

すると、サイズは大きくないものの毎投のように3~8連とキスがヒット。

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開始早々に近投にて連掛けを達成。サイズがやや小さいことに苦笑する。

「遠投した方がいいのでは?」と、思われる方も中にはいるかもしれないが、キス釣りにおける1番のポイントは波打ち際である。

というのも、砂の中にいるゴカイ類をはじめとしたキスの餌が打ち寄せる波によって水中へと現われやすくなるからだ。

「投げ釣りタックルを使っているとはいえ、まずは波打ち際を狙うのが基本。

続いて水道回りに見られるカケアガリやカケサガリといった地形変化、藻や石といった障害物回りを探っていくのが効率的。

遠投は、反応が鈍い中で広範囲を探ってキスの居場所を見つけるための手段という具合ですね」

手返しの面でも波打ち際を中心とした近投は効率的である。

数釣りを期待するなら手前から順に探るのが鉄則だといえる。

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(上)水道に見られるカケアガリやカケサガリといった地形変化はいろいろな角度、スピードで探りたい好ポイントといえる。(下)やや沖のポイントを上空からとらえたカット。アタリが頻繁にでた藻のある左側に対して、砂地が広がる右側は無反応だった。藻の回りがいかによい狙い目となるかがわかる検証となった。

なお、以上のように干潮時にエントリーすることは釣り場の地形を把握できるという点で大きなアドバンテージとなる。

また、カケアガリなどのポイントが時間を追うごとに形成される満ち潮を狙えるという点でも干潮時のエントリーは有意義である。

潮時に合わせて釣行できるなら干潮からの満ち潮を釣れるタイミングでの釣行がおすすめである。

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遠浅の釣り場とはいえ、満潮になるとご覧の通り一般的なサーフと同様のロケーションとなる。この状況で水道などの地形変化を捜すのは難しいだけに、できるだけ干潮時にエントリーしたい。

甲高い音が出る波回りは要注目!!

ちなみに、波が打ち寄せたときにポコポコと甲高い音がする場所はよく釣れる傾向があるとのこと。

「地中に空洞のようなものがあることで他よりも酸素濃度が高いからなのかなぁ」と矢野さんも定かな理由はわからないそうだが、豊富な経験による考察は覚えておいて損はないだろう。

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このタイミングでポコポコと甲高い音がする場所の周囲はよく釣れる可能性があるので探りたい。

仕掛けに重みを感じるポイントが有望

潮が満ち始めると、矢野さんは狙い目を水道部にシフト。

真っ直ぐの他に左右を斜めに探るなど、カケサガリとカケアガリをを中心に多角的に狙って釣果を重ねていく。

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潮が満ちだすと、それまで干上がっていた水道部が好ポイントに変貌する。水道の位置と入り方を覚えておくことで満潮時も効率よくアプローチできる。

こうして多角的に狙うのは状況によってキスのつき場が異なるということ以外に、流れの方向によって釣れ方の違いがあるからだ。

「素直な流れがあるところでは仕掛けに張りが生まれる分、ハリ掛かりがよくなるんです。

アタリはあるもののハリに乗らないという状態が減るため、数の伸びが期待できます」

流れの存在は魚の活性を高める要因として重要だが、ハリ掛かりを促進するためにも不可欠とのこと。

素直な流れであれば仕掛けに張りが生まれ、リトリーブと相まって餌をくわえたキスの口元にハリがしっかりと掛かる確率が高くなるのだ。

また、飲まれにくくなることからハリを外す作業の時短となり、手返しが上がることで数釣りにも繋がるという利点がある。

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ハリを飲まれると外すのに時間がかかって手返しがわるくなる。この作業の時間を短縮するためにも仕掛けの張りを保つ釣りを意識したい。

一方、当て潮のように仕掛けの張りが生まれにくい複雑な流れの場合は、餌が取られるだけでハリ掛かりしないというケースが多くなる。

したがって、地形的な変化を多角的に攻めることはよい流れをとらえるためにも必要な作業だといえるわけだ。

【キスの数釣りコツ②】効率のよい釣りを展開するための巻きスピード考察

「1つ注意したいのが、仕掛けはオモリの沖側に必ずあるわけではないということです。

現状のような当て潮だと引いているオモリの手前に仕掛けがくることもあるんです。

それも頭に入れたうえで仕掛けを引くスピードを考えないとダメですね」

リトリーブする仕掛けに重みを感じる状況が理想だが、ときにはリトリーブと同じ方向に流れる当て潮となることもある。

この場合、オモリよりも仕掛けが手前にくることがあるためリトリーブ速度に注意が必要となる。

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仕掛けから伝わる抵抗から仕掛けの状態を把握することも大事。手応えがないときは当て潮であることも想定しながら巻きスピードを調整したい。

その際の速度の正解はスロー。

いつもと同じスピードで引くと、オモリが仕掛けを追い越す形となるためカラミが多発する。

「適度な速さで引いているのに何でカラむの?」というケースの多くは当て潮が原因だという。

ちなみに、矢野さんは海へ潜って実際に確認したそうだ。

何度繰り返しても仕掛けがカラむことになりかねないだけに「仕掛けはオモリの沖側にある」という固定観念は払拭したいものだ。

仕掛けがオモリの手前にくるという状況は、竿から伝わる重みの違いや、仕掛けのカラみ具合で判断するしかないとのこと。

リトリーブする仕掛けが軽く感じるときや、カラミが多発するときはスローリトリーブを駆使しながら状況把握に努めたい。

極端な引きスピードもときには有効

以上の点をふまえて名手の仕掛けを引くスピードに注目すると、アタリが少ないときやサイズを問わずに連掛けをしたいときはスロー、アタリはあるもののハリ掛かりしない状況が続くときはファストというのが基本。

それでアタリがなければさらなるファストやストップといった極端なアプローチを駆使する。

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反応が薄いときは極端なアプローチがきくことも多い。当日はカケアガリやカケサガリで止めるパターンが特に効果的だった。

当日は極端なパターンが功を奏し、水道のカケサガリで止めるパターンを実践して最長寸の23cm、大きめの餌をつけてのファストリトリーブというアピール力を重視したパターンで20cmオーバーをキャッチ。

こうした極端なアプローチをはじめとした日ごとのヒットパターンをつかむためにもリトリーブスピードはポイントや時間が変化するごとにいろいろと試してみるのが得策だといえる。

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当日の最大は23cm。いろいろな巻きスピードを試したことで出た1匹である。

以上のように臨機応変なポイント考察と引きスピードの考え方を駆使したことで矢野さんは2時間半という短時間で束釣りを達成したわけである。

有明浜のような変化に富んだポイントはもちろん、一見すると変化のない釣り場でも同様のことを意識すると釣果アップに繋がるはずだ。

ここで紹介したノウハウ以外に注目したいのが仕掛け考察である。

これについては改めて紹介させていただく。

矢野勝彦さんのキスの投げ釣りの引き出しの多さに期待していただきたい。

タックルデータ

竿:がまかつ・がま投アルテイシア30号405

リール:投げ専用リール

道糸:PE0.8号

力糸:ナイロン2→12号12m

オモリ:L型天秤23号

スナズリ:がまかつ・ 砂ずり仕掛 V2号

仕掛け:がまかつ・シロギスファイン50本仕掛 極小金ビーズ(10本バリで使用)

釣具の写真

(上)矢野さんがキス釣りで主に使用する竿は、がまかつ・がま投アルテイシア30号405。(下)仕掛けは、がまかつ・シロギスファイン50本仕掛 極小金ビーズを10本バリで使用した。

がまかつ がま投 アルテイシア ガイドシート付 30号 4.05m

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Profile

矢野勝彦(やの・かつひこ)

全日本サーフキャスティング連盟・徳島鱗友サーフ所属。

「G杯争奪全日本がま投(キス)選手権」では2000年の第22回大会で準優勝、2001年の第23回大会で3位、2006年の第27回で優勝するなど、トーナメントシーンでも活躍するキス釣りの名手。

カレイ釣りにも精通するなど、地元の徳島を中心に投げ釣りを幅広く楽しむマルチキャスターでもある。

1967年生。徳島市在住。

がまかつフィールドテスター。

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