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がまへらテスター・土屋ナオトが愛竿「がまへら千早」を駆使して、厳寒期の奈良・寺口つり池で、両グルテンの入れ食いモード
【テレビ大阪系列・毎週土曜日午前7時放送「フィッシングDAYS」サイドストーリー第14話】番組内で話題になったアイテムについて”深堀”するもう1つの「フィッシングDAYS」。
「フィッシングDAYS」はテレビ大阪を中心に、テレビせとうち、TVQ九州放送、テレビ和歌山、高知放送で放送されている、がまかつ提供・テレビ大阪制作の釣り番組。
ハゼなどの極々小さい魚から、ルアーを使った大型魚釣りまでを、どうやったらより釣れるのかにこだわって制作。
また、釣れた時の釣り人の笑顔にもフォーカスし、釣りの楽しさも徹底的に追求している。
目次
フィッシングDAYS「新ベラ連発 土屋流 両グルテン底釣り」
リニューアルしたての奈良・寺口つり池は、うどん・床釣り専用と楽釣専門池から釣り場を選ぶ
「とにかく冬場にも新べらを大量に放流してくれていて、この時期に100匹を超すような釣果も出ているのがうれしいですね」と、若手へらぶな釣り師の土屋ナオトさんが話すのは、奈良県生駒郡平群町にある寺口つり池のこと。
以前は、寺口つり池と竜田川つり池の2施設が隣り合って営業をしていたが、竜田川つり池が営業を取りやめることになり、その後を受け継いで2023年1月から、寺口つり池が2つの池を管理、営業している。
特徴を出すために、以前から管理していた池は「うどん・床釣り専用池」を継続。
もう1つの池を「楽釣専門池」として、大型こそあまり放流はしていないが、新べらを数多く放流し、数釣りの池としてリニューアル。
この冬場にも放流された新べらが活発で「ウキが良く動く」と、入門者を含め人気は上昇中である。
1月下旬、雨がシトシトと降る寒波の日に、土屋さんが朝8時頃から楽釣専門池で竿を出した。
今回、土屋さんが選択した釣り座は中央桟橋の真ん中付近。
同桟橋の東奥にはすでに3人のへらぶな師が入っていて、見ている間にも竿が次々に曲がり、中・小型のへらぶながタモにおさまっていった。
浅場、低水温期…土屋チョイスは「がまへら千早15尺」&「コム」
前週にも同池で竿を出したという土屋さんがチョイスした竿は、がまかつ「がまへら千早」。
この竿は、へらぶな釣りでもっとも作業量が多くなる振り込みに重点を置き、とにかく振り込み時の持ち重り感をなくすことで、1日を通して竿を振り続けても疲れが軽減される設計となっている。
また、軽量で張りを持たせた調子ながら、魚が掛かると独特の細身設計が生きてくる。
魚の引きを胴で受け止め、しっかりと曲がり込んでラインへの負担も軽減してくれる。
いわば、操作性は先調子で張りのある竿、やり取りは胴に乗る本調子の竿と2面を持つ。
「がまへら千早」には、7尺(2.1m)から15尺(4.5m)まで、1尺刻みで9種類がラインナップされているが、楽釣専用池の水深が比較的浅い2mほど。
池の中央付近に群れているであろう新べらをメインに狙うため、もっとも長い15尺をチョイスした。
「浅いので、打ち返しを多くしてへらを寄せるのが先決ですね。この竿は打ち返しが楽なので、今回のような釣り場に最適です」と土屋さん。
そして、今回、新べらの数釣り用にチョイスした鈎はがまかつ「コム」。
強く吸い込まれても、のまれにくい設計で、口元へのコンタクトを重視しているため、自然な口元への掛かりが狙える。
1~5号の5アイテムがあるが、今回は3号からスタートし、状況に合わせて2号、あるいは4号へと変化を持たせる作戦だ。
ハリスは40cmと50cm。
水深が2mと浅いことを考えた中で、最大限長くした。
これで自然にゆっくりとエサを沈めて、自然なエサのフォールからの安定をさせる。
グルテンエサは配合、水分を変えた4種類を使い、練らずにポンプで絞り出す
へらぶな釣りで重要なファクターとなるのが、エサである。
今回は「両グルテンの床釣り」で狙うため、上下の鈎ともにグルテンエサを使用する。
土屋さんが持ち込んだエサは、グルテン四季、わたグル、いもグルテンの3種類。
グルテン四季とわたグルを20ccずつ混ぜたもの(軽めのエサ)と、わたグルといもグルテンを同量混ぜたもの(重めのエサ)に対して、水を30ml及び40ml混ぜたものを作る。
つまり2つの配合に対して、水分量の違う2つのエサを作ることで4種類のエサを作ることになる。
これをトレーの上で、混ぜるというよりは水分をなじませるだけにして1、2分放置すると、開きのよいグルテンエサができる。
ここで練ってしまうと、開きが悪くなりいつまでたっても落ちないエサとなってしまうため、必然的に手返しも遅くなり効率が悪くなるのだ。
エサは「練らない」を目的とするため、そのままエサ用のポンプに入れて、鈎に付ける分を出しつつ使う。
これである程度、乾燥も防ぐことができる。
ポンプから出したエサは鈎のチモトに軽く付け、そのまま鈎を埋めてしまうくらいで、ここでも決して指先で揉むなどして練らないことが重要。
あらかじめ硬さ、沈下速度の違うエサを用意しているからだ。
4つのエサをローテーションして使いながら、その時に合ったエサを探っていくのが土屋流の組み立てだ。
水温により移動する新ベラの群れを、早めの打ち返しでじっくり寄せる
エサの準備ができたところでタナをはかる土屋さん。
しっかりとした正しいタナの取り方も釣果を上げるための重要なカギとなる。
エサを打ち込むピンポイントの水深を測るため、竿いっぱいに仕掛けを投入したら、すぐに竿先でウキを跳ね上げ、サシエが着水した地点に被せるように置く。
こうすることで、仕掛けが斜めにならず、きちんとしたタナを取ることができる。
この状態で上鈎に粘土オモリを付け、上鈎がちょうど底にくるよう調整する。
これで、両方の鈎が底に付いた床釣りのタナ調整ができる。
次はウキの浮力調整。
こちらは仕掛けに板オモリを少しずつ足し引きすることで、水面の位置を見る。
この時、底を取ったタナよりも、ウキの目印で3目盛り分深く取りハワセ幅を作ることでエサの安定を図る。
タナ取り、ウキの調整が終われば、いよいよへらぶなを寄せにかかる。
かなり早い速度で打ち返す土屋さんだが「がまへら千早」の軽快な操作感も手伝って、打ち込みポイントは正確無比。
しかし、開始から30分ほどたってもまったくウキが動かない。
新べらにはよくあることで、前週に竿を出した際よりも東寄りに群れが移動したかも…と土屋さん。
ただ、エサを打ち返すことで徐々に寄せることができるのも事実で、1時間もすると、散発ではあるがウキが動き始めた。
仕掛け投入後、ウキが立ち、エサの重みを受けて落ち着く。
エサが開き徐々に崩れるにしたがってウキがほんの少し浮き上がる。
と、ウキにチクッとした反応…。
同時にシャープなアワセが決まった。
シャープにアワセが効く「がまへら千早」の先細短テーパー穂先が小さな反応にも対応
「がまへら千早」の穂先は先細タイプのテーパーソリッドを採用しており、水の抵抗が非常に小さく、シャープなアワセを効かせやすい。
冬場の小さな反応に対しても対応しやすいのが特徴だ。
アワせた途端、「がまへら千早」がへらぶなの引きを胴から受け止め、きれいな弧を描く。
水面に浮かせたへらぶなは、すぐさま下へと突っ込み非常に元気だ。
「新べららしい強い引きですね。最後まで抵抗してくれる引きがたまりません」と、笑顔がこぼれる。
突っ込むかと思えば横に走る。
それを竿の曲がり込みで耐え、浮かせにかかる。
釣れるへらぶなのサイズこそ25cm前後の小型が中心だが、体高のあるきれいなへらぶな揃いだ。
そして引きも非常に強い。
開始後、2時間ほどで入れ食いモードに突入した。
午前中に答えが出たので、ひと息入れるためにお昼の食事休憩へ。
へらぶなの釣り堀には、事務所兼食堂が併設されている施設も多く、温かな料理を用意してくれるのもありがたい。
寺口つり池でも食堂では、各種定食やうどん、おでんなどがあり、冷えた身体には非常にありがたい。
土屋さんも「釣り場で食べるお弁当もいいですけど、作り立ての温かな食事はたまりませんね。釣り堀の楽しみの1つです」と、暖を取りながらの食事で気持ちも新たに午後の釣りへ。
午後からも好調持続でダブルヒットも!のんびり釣って40匹超の釣果に満足
午前中である程度、傾向が分かっているので、午後のスタート後に反応がなくても問題なし。
予想通り、しばらく打ち返しを続けるとへらの反応が頻繁になってきた。
しかし、1月下旬にこれだけウキが動き、元気なへらぶなが釣れ盛るフィールドも珍しい。
認知度が上がるにつれて、人気が急上昇している…というのもうなずける。
ちなみに、打ち返し後、反応がない際には、竿を少し引いてウキを引っ張り仕掛けを斜めにする。
その仕掛けが垂直に立つまでの間が誘いになる。
アタリが出始めれば、非常にスピーディーにヒットが続き「リャンコ」と呼ばれるダブルヒットも5、6回はあっただろうか。
それだけウキの下の魚影が濃いということだろう。
休憩を入れながらのんびりと釣って、軽く40匹を超えたところで納竿とした。
土屋さんに冬の管理池の魅力を聞くと「やはり手軽に竿が出せること。寺口つり池のように放流されている量なども知ることができるので、その時々で状況がよい場所を選ぶことができる…というところでしょうか」と話してくれた。
●交通:近鉄生駒線の竜田川駅南側の交差点を西へ。春日丘公民館のすぐ先にある「つり池」への案内板に従い右折。
●問い合わせ:寺口つり池(TEL:0745・45・1773)
(文・写真/松村計吾)
フィッシングDAYS「新ベラ連発 土屋流 両グルテン底釣り」
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ライター紹介
松村計吾
大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。