釣行の写真

「巻き巻き」大好きジギンガー・MALINAが三重・遊木沖のトンジギ。「ラグゼ・ジグドライブR・S63MH」でビンチョウキャッチ

松村計吾

【テレビ大阪系列・毎週土曜日午前7時放送「フィッシングDAYS」サイドストーリー第17話】番組内で話題になったアイテムについて”深堀”するもう1つの「フィッシングDAYS」。

「フィッシングDAYS」はテレビ大阪を中心に、テレビせとうち、TVQ九州放送、テレビ和歌山、高知放送で放送されている、がまかつ提供・テレビ大阪制作の釣り番組。

ハゼなどの極々小さい魚から、ルアーを使った大型魚釣りまでを、どうやったらより釣れるのかにこだわって制作。

また、釣れた時の釣り人の笑顔にもフォーカスし、釣りの楽しさも徹底的に追求している。

フィッシングDAYS「目指せ種トン 熊野灘トンジギゲーム」

キハダにビンチョウ…今や人気絶頂のマグロ釣りフィールドとなった熊野灘

夏場のキハダキャスティングでは、日本でも有数の人気フィールドとして知られる熊野灘一帯。

黒潮の分流が北上する沿岸に沿ってマグロが北上し、ベイトの豊富なこの海域でふんだんにエサを食べあさる。

そんな状態だから、キャスティングでのマグロ狙いで実績が上がるのもうなずける。

そして、冬から春にはキハダに代わって、少し低水温を好むトンボ、つまりビンチョウ(マグロ)が回遊してくる。

ビンチョウは漢字で書くと「鬢長」で、「鬢」はもみあげのこと。

正面から見ると「もみあげが長い」ように見えることから「ビンチョウ」と名がつけられたという。

また、このエリアでトンボとも呼ばれるのは、長い胸鰭を広げて遊泳する姿を上から見ると、胸鰭がトンボの羽根のように見えることから。

トンボをジギングで狙うから「トンジギ」である。

この海域で釣れるトンボは、4、5kgの小型から20kg以上の大型で、その日に出会う群れによって、釣れるサイズが大いに変わる。

ちなみに10kg以下を「小トン」、20kg以上になると「タネトン」や「大トン」と呼ばれる。

ジギングでの狙いは20kg超の「タネトン」だ。

「ラグゼ・ジグドライブR・S63MH」を愛用するMALINAさん。「巻き巻きの釣りが好きなんです」

トンジギはさまざまなスタイルがあり、激しいジャカジャカ巻きのアクションから、スローピッチな釣り、その中間など、自分の得意とするジギングスタイルで攻めるアングラーが多い。

中でも体力的にも楽なスローピッチジャークでの釣りで、フワリとシャクり上げた後のフォールを重要視した釣りがスタンダードともいえる。

「私はスピニングタックルでの巻き巻きのジギングが好きなんですよ」と言うのは、今回、遊木からジギング船・正丸に乗り込んだ、がまかつフィールドテスターの女性ジギンガー・MALINAさんである。

スローよりもスピーディーな釣り方を好み、その細い腕で「どれだけの体力があるの?」と思ってしまうほど、1日中シャクリ続ける姿が印象的だ。

さて、ベイトタックルでのスローピッチの釣りが多いトンジギにおいても、MALINAさんはスピニングタックルで挑む。

今回、MALINAさんが持ち込んだタックルは「ラグゼ・ジグドライブR・S63MH」に、スピニングリール6000番、PEライン3号にリーダーは60~80lb、ジグは150~300gを用意。

ちなみにスピニングリールはギア比の低い、パワーギアタイプがジグの操作時やトンボとのやり取りが楽にできるとのこと。

「ラグゼ・ジグドライブR」シリーズは、実に15タイプのラインアップで、日本近海のジギングをほぼカバーできる。

タチウオや鯛ジギングで有用なソフトなリフト&フォールで感度を重視した「B61FL-solid」が最も柔軟なモデルで、今回MALINAさんが使用した「S63MH」が最もパワーのあるタイプだ。

全長が6ft3inch(190.5cm)で、適合ジグウエイトとしては120~240g。

パワフルモデルながら、自重は170gという軽量化を実現させている。

ロングジグを使ったワンピッチでの釣りはもちろん、スライド系のジグをキビキビと動かすのにも適した調子で、大型青物、マグロ類など大型魚とのやり取りにも定評のあるバットパワーを備える。

「アシスト62バーティカルヘビー」&「アシストフック貫」…MALINA流トンジギで重要なのはアシストフック

MALINAさん自身、トンジギでのジグに関しては、そこまでこだわらなくてもよいのではないか…と話す。

タイプはセンターバランスとリアバランス。

カラーはそこまで気にしなくて、定番のピンクやブルー系に、時としてグローがあれば…というくらいだ。

ただ、トンジギでは、ドテラ流しでの釣りをする船が多く、潮の速さや風の強さなどで、ジグの重さを調整するため、200~250gを中心に150gや300gもあれば安心だ。

MALINAさんがこだわるのは、ジグに付けるアシストフック。

状況にもよるが、基本的にフロントへのシングルフックで挑むことが多いという。

その理由は、アシストフックをダブルにした場合、やり取りの最中に、フリーのフックが顔の横などに掛かり、やり取り時の水抵抗が激増することによるバラシを避けたいためだと言う。

同じ理由で、リアフックは付けないが、たとえば食いが浅く、ジグのリアからチョンとバイトしてくるような際にはリアフックを装着する。

そんな際に注意しているのがアシストフックの形状だ。

MALINAさん愛用のアシストフックはフロント用が「アシスト62バーティカルヘビー」。

深場や大型青物、ハタ類などダイレクトにフッキングパワーが伝わりにくい状況下でもしっかりと口に貫通するよう、フックポイントの角度や位置が追求されている優れもの。

フロントフックには確実に口元へコンタクトしてくれる性能が必要なのだ。

ジギングでのメインフックともいえる。

さて、リアフックを使用する際、前述のようにフロントフックがフッキングした際には、顔やエラ周りへの余計な引っ掛かりは避けたい。

そこで使用するのが「アシストフック貫(つらぬき)」である。

このアシストフックの元鈎である「ジギングフック貫」は、フロントに使えばフッキング性能とホールド性には定評のあるフックだ。

形状としては、フックポイントがほんの少し内を向く「ネムリ」に近い。

この、ほんの少し内を向く形状が、魚の余計な部分へのフッキングを防止してくれるため、フロントフックでの勝負をさせてくれる。

もちろん、リアへのバイトの際には、そのフッキング性能、ホールド性能が威力を発揮し、通常ならバラしやすいと思われるリアフック1本掛かりをサポートしてくれる。

がまかつ(Gamakatsu) アシストフック アシスト 62 バーティカルヘビー 6/0号 1本 45339

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大雨の中での我慢の釣り。突然のヒットを皮切りに連続ヒット

出船前からポツリポツリと降りだした雨は、釣りタイムを通して霧雨のような状況で降り続いた。

同船者が「快晴よりも曇りのほうがトンボの食いがいい」と話しているのを聞き、「これは爆釣か」とほくそえんだのだが…。

遊木漁港から出船した正丸は、まっすぐ東へと向かい、ここ数日釣れている海域へ。

魚探で反応を見ていた船長が「100mくらいと50mくらいに反応が出ています」とアナウンス。

ただ、風がほとんど吹いておらず、ドテラなのに船が流れず、250gのジグではほぼ垂直に落ちて角度がつかない。

早々にジグのウエイトを軽くするアングラーが多い中、MALINAさんも200gのジグに変更。

船長からは時折「群れが入ってきました」とアナウンスがあるものの、バイトには至らず、船中の誰もが食いの渋さを実感し始めた。

船長は水温の差がある場所、つまり、潮が少しでも流れている場所を探し求めて船を走り回らせてくれる。

その甲斐あってか「ここは周りより1度くらい高いですね」という潮筋を発見。

その1投目、右舷胴(ドテラの釣りでは片舷に釣り人が並ぶのでこの日は全員が右舷)で、いきなりロッドが曲がり込み「来たよ~」と大きな声が響いた。

と、同時に後方でも「ヒット」の声。

活性の高い群れに当たったのだろうか。

ややスローにシャクっていたMALINAさんの「ジグドライブR・S63MH」がトンボからの反応をとらえた

活性の高い群れに当たった時に、「乗り遅れ」ないことも釣果を上げるためのファクターだ。

周囲が釣れているのに、自分だけ釣れないのは何か間違っている…と考えるのが妥当だろう。

ただ、心配は無用だった。

胴後方でやり取りをしている最中に、MALINAさんからも「ヒット~」の声。

パワーのある「ラグゼ・ジグドライブR・S63MH」が重厚な重みに耐え、そこからドラグが滑ってラインが引き出される。

パワーのあるロッドとはいえ、相手はマグロである。

無理はせずに走る時は走らせる。

ちょっとでも魚が隙を見せれば、ここぞとばかりに勝負に出る。

ギューンとロッドを曲げ込み、そこから起き上がってくる「S63MH」のバットパワーに、さすがのトンボも頭をこちらに向かされるのか、浮かせるのが非常に早い。

同船者の7kgクラスの「小トン」を浮かせ、船長がそれを取り込んだと同時に「見えてきました~」とMALINAさん。

タモを構える船長とMALINAさんの間でキラキラと美しい魚体が、円を描くように浮いてきた。

一発でタモ入れされたのは。

これも7kg級のトンボ。

結局、この日は20kgを超すような「タネトン」は登場せず…。

厳密にいうと船長からは「タネトンらしい群れが入ってきましたよ」とのアナウンスがあったのだが、そのレンジでは反応しなかった。

そして、活性の高い群れに遭遇したのは2回で、うまく合わせることができた人で3匹をキャッチするにとどまった。

活性が高い日に当たれば、釣れすぎて早上がり…なんて日も多い今季の三重、和歌山のトンジギ。

暖かくなるまでのもうしばらくは楽しめそうだ。

●交通:熊野尾鷲道路の熊野新鹿ICで下りすぐを右折。新鹿海水浴場の前から国道311号を左折して遊木方面へ。遊木トンネル手前を右へ入り港内へ。

●問い合わせ:正丸渡船(TEL:090・4081・8531)

(文・写真/松村計吾)

フィッシングDAYS「目指せ種トン 熊野灘トンジギゲーム」

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ライター紹介

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松村計吾

大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。

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