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G杯覇者・前岡正樹が尾鷲の名礁・立神で良型尾長グレ攻略術を実践。「がま磯グレ競技スペシャルⅣ・1.25号5.0m」の高操作性を生かした沖の潮壁直撃で40cm超の尾長&口太を引きずり出した!
【テレビ大阪系列・毎週土曜日午前7時放送「フィッシングDAYS」サイドストーリー第7話】 番組内で話題になったアイテムについて”深堀”するもう1つの「フィッシングDAYS」。
「フィッシングDAYS」はテレビ大阪を中心に、テレビせとうち、TVQ九州放送、テレビ和歌山、高知放送で放送されている、がまかつ提供・テレビ大阪制作の釣り番組。
ハゼなどの極々小さい魚から、ルアーを使った大型魚までを、どうやったらより釣れるのかにこだわって制作。
また、釣れたときの釣り人の笑顔にもフォーカスし、釣りの楽しさも徹底的に追求している。
目次
いよいよ磯グレシーズンイン!?まだまだエサ取りが多い磯際攻めが困難な「立神の地」に渡礁
グレ釣りが待望のシーズンイン。
磯釣り師のワクワク感も最高潮に達しているところだろう。
ただ、近年は水温の低下が遅れていることもあり、本来ならグレの活性が上がる11、12月を迎えてもエサ取りの猛威は消えず、じっくりとグレまでエサを届けることができない・・・といったエリアも多い。
今回、前岡正樹さんがチャレンジした三重県の磯釣りメッカ、尾鷲エリアも例外ではなく、グレは釣れているもののエサ取りが超活発で、いかにエサ取りよりも早くグレにエサを食わせるかの対策が必要だ。
そんな高水温期には、口太グレよりも面白く、チャレンジしたいターゲットが存在する。
それが尾長グレだ。
口太グレよりも引きが強く、歯が鋭いことなどもあって、取り込みには技術を要するが、それだけに釣れた時の喜びは大きい。
2019年に行われた「第38回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権」で見事優勝し、メディアなどでも活躍、一気に注目を集めることとなった。
その前岡さんが今回、尾鷲の磯で目標にしたのは「尾長グレ40cm超」だ。
もちろん、シーズンに入っている口太グレも釣れればうれしいが・・・。
当日、大ちゃん渡船の船長と相談して決まった磯は、尾鷲エリアの中でも最も南に位置する「立神の地」。
数日前に行われた「G杯グレ」の予選では、良型グレが釣れたり、かなりのバラシもあったという情報が入っていた。
しかし、朝から東からのウネリが残り、予想よりもかなりの荒れ模様。
立神の地の右側からは大きなサラシが広がり、右のワンドからは少しずつ潮が払い出している。
朝イチに足元へ打ったマキエにはシラコダイやハコフグ、オセン(スズメダイ)などのエサ取りが真っ茶色になるほど湧いてくる。
これではとてもじゃないが、磯際狙いは成立しそうにない。
前岡さんによると「本来、冬の絶好シーズンに入ると、この磯では足元狙いで大型グレが登場するんですよ。ただ、このエサ取りの群れを見ると、今回は沖狙いがメインとなるでしょうね」と話す。
競技もプライベートもコレ1本!前岡正樹がこよなく愛する「がま磯グレ競技スペシャルⅣ」
前岡さんのスタート時のセッティングは、竿が「がま磯グレ競技スペシャルⅣ」の1.25号5.0m。
道糸1.5号、ハリス2号(3ヒロ)、オモリなしでウキは00号。
鈎は「掛りすぎ口太」の5号をチョイス。
本来、尾鷲辺りではハリス1.5号をメインとするが、尾長グレが回っている・・・という前情報が入っていたため、まずは2号ハリスを選んだとのこと。
前岡さんの愛竿は「がま磯グレ競技スペシャルⅣ」。
ホームグラウンドの三重県尾鷲エリアや静岡県伊豆エリアでは、競技会でもプライベートでも「1.25号5.0m」を使用する。
「コレ1本で口太なら大型でも問題ありませんし、尾長グレも40㎝台後半までは難なく取ることができます」と言う。
元々「グレ競技スペシャルⅣ」は時間内により多く、より大きいグレを効率的に釣り重ねていくために設計された磯竿だ。
やや張りのある先調子だが、繊細さにこだわりつつ操作性も向上させた。
そのこだわりの1つが、径はそのままにやや短く設定された穂先。
このセッティングにより、仕掛けの投入やラインメンディングなどを飛躍的に向上させ、アワセの素早さも実現させた、まさに攻撃型のロッドで、常にグレに対して先手を取ることができるため、より大型のグレでもアングラー優位でやり取りができる。
がまかつ 掛りすぎ口太 5号
「グレ競技スペシャルⅣ」がなせる精密な仕掛け投入で、浅いシモリから飛び出してくる口太グレをハイペースで釣る
状況を見て、狙いは決まった。
遠投勝負である。
ただ、海況を見た前岡さんがひと言。
「潮が動いてませんね。右側のサラシが沖のほうで伸びずにフワリと曲がってるでしょ。あまりグレの活性が上がるような状況ではないですね」
そこで、まずは足元にエサ取りをくぎ付けするためのマキエを多めに入れてから、沖へ少量のマキエを撒き、磯際よりも10mほど沖へ仕掛けを投入した。
足元にはどっさりとエサ取りが湧き、10mほど沖のポイントでも早々にエサが取られる。
活性が上がりきらないグレに対して、マキエが効くほどにエサ取りが集まりすぎるので、まずはサラシの脇、沖、手前とエサ取りが集結する前にグレの口元へサシエを運ぶために、幅広く探ってみる。
沖の潮が動いていないと見た前岡さんが攻めたのは、左側のワンド。
やや浅いワンドの中にシモリがあり、そこからグレが出てくる。
浅いシモリから飛び出してくるであろうグレを狙うスピード勝負である。
「グレ競技スペシャルⅣ」の正確無比な投入ポイントの設定に加え、マキエ投入と仕掛け投入のタイミングを変えながらの数投。
ウキ下2ヒロの仕掛けがなじんだ直後に、ウキがスーッと水面下へゆっくりと入った。
そして「グレ競技スペシャルⅣ」のティップが、グレのゆっくりとした引き込みを捉えた。
大きく立てた竿がきれいな弧を描いた。
難なく寄せてタモ入れしたのは30cmほどの口太グレ。
満足ではないが、足元に見える木っ端グレではない「本命のグレ」である。
が、この日の目標はあくまでも「尾長グレ」だ。
再び、あちこち狙いを変えつつさらなる良型、そして尾長グレを狙うが、やはりグレがヒットするのは浅いシモリ周りだけの様子。
徐々にサイズはアップし30~35㎝の口太グレが連発。
これでもシーズン初期としてはまずまずのサイズだが、狙いはあくまでも40cm超だ。
大型は潮の流れ出し待ちか。
潮流が動く一瞬のタイミングを逃さず、沖の潮目狙いで口太グレ40cm超がヒット
前岡さん曰く「この磯は潮が湾内へと入っていく時に食いが立つようです。今は反対の流れなので少し辛抱ですかねえ」。
そんな思いが通じたのか、潮が止まった時間帯でもほんの少しだが、湾内へと流れる潮が発生するタイミングが出てきた。
そのタイミングを逃さず遠投で攻めるためにウキを浮力は00のまま、自重のあるタイプへと変更し、マキエも仕掛け投入もできる限りの遠投だ。
前岡さん自身、軽く投げているようだが「グレ競技スペシャルⅣ」の張りと曲がり込みの柔軟さで、非常に飛ばすのが楽そうだ。
さらに右から出るサラシと左側から出て湾内へと向かう潮がぶつかるピンポイントを正確に狙えるのが、この竿のなせる業。
仕掛けがなじみ、水面下へと静かに沈んだかと思うと、スーッとウキが水中へと引き込まれた。
そこで大きく竿を立てた。
心地よさそうな重量感を「グレ競技スペシャルⅣ」が受け止める。
張りのある竿なのだが、寄せにかかると柔軟に曲がり込み、バラシを防いでくれる。
足元へと寄せたグレが最後の抵抗を見せるが、これも竿が曲がり込んでは、オートマチックに浮かせてくれる。
アングラーにとっては、非常に楽なやり取りが展開できる竿だと実感した。
水面に姿を見せたのは口太グレ。
目標の40cmオーバーだ。
計測すると42㎝。
よく肥えた尾鷲エリアらしいグレの魚体に、ようやく前岡さんの顔に笑顔が戻った。
操作性とパワーを生かし、尾長グレ40cm超をタモ入れ
潮が止まればエサ取りの猛攻、もしくは木っ端グレ、潮が動く瞬時に良型グレが飛び出してくるという状況が繰り返されていたが、徐々に潮の流れが安定してきた。
30~35㎝の口太、小型の尾長グレがよいペースで釣れる中、納竿時間が近づいてきた。
と、沖の潮壁を捉えた前岡さんの仕掛けがなじみ、やや早めのスピードでウキがシモっていく。
次の瞬間、穂先がスッと引っ張られた。
即アワセ。
ギューンと「グレ競技スペシャルⅣ」がこれまでにはない曲がり込みを見せる。
グレならかなりデカそうだ。
魚を怒らせないように、丁寧にやや強引に、この竿のバットパワーと柔軟性を生かし、大きく曲げ込むことで自動的に魚を寄せる。
足元の根に入られないように、磯際ではやや強引に浮かせにかかる。
ここでも、魚の強引に対しては竿の角度を維持していると、曲がり込んだ反動で、案外軽く魚を浮かせてくれる。
あまり、強引に竿を立てず、ラインを巻かないのは、この竿の特徴を熟知した前岡さんならではのやり取りなのだろう。
大きなサラシにもまれながら、ようやくタモ入れしたのは尾長グレ。
サイズは41cm。
当日の目標としていた40cmオーバーだ。
納竿間際に目標とする40cmオーバーの尾長グレを仕留め、終わってみれば30~38㎝の口太、尾長グレが多数に、40cmオーバーも交えて好釣果となった。
G杯覇者が緒戦は苦戦だったが、本領を発揮した1日だった。
●交通:紀勢道の尾鷲北ICで下り、国道42号を通り過ぎて尾鷲港へ。
道なりに直進して天満浦の波止へ。
●問い合わせ:大ちゃん渡船(TEL:090・7023・0553)
(文・写真/松村計吾)
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ライター紹介
松村計吾
大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。