釣行の写真

波止タチウオテンヤ釣り最先端!前西喜弘さんが実践する軽量テンヤ+高感度ロッド「ドラゴンライズS96M」が生みだすテンヤの「止め釣り」で、スレたタチウオもヒットの嵐!

松村計吾

【テレビ大阪系列・毎週土曜日午前7時放送「フィッシングDAYS」サイドストーリー第6話】番組内で話題になったアイテムについて”深堀”するもう1つの「フィッシングDAYS」

「フィッシングDAYS」はテレビ大阪を中心に、テレビせとうち、TVQ九州放送、テレビ和歌山、高知放送で放送されている、がまかつ提供・テレビ大阪制作の釣り番組。

ハゼなどの極々小さい魚から、ルアーを使った大型魚までを、どうやったらより釣れるのかにこだわって制作。

また、釣れたときの釣り人の笑顔にもフォーカスし、釣りの楽しさも徹底的に追求している。

※地上波テレビの「フィッシングDAYS」は、原則として放送終了後すぐにテレビ大阪YouTubeチャンネルにアップされます。
※この記事の末尾で番組動画をご覧いただけます。

水面で群れるタチウオが見られる珍しい釣り場!和歌山・湯浅一文字は超絶釣果の穴場だった

関西で波止のタチウオ釣りといえば、大阪湾内に数ある港湾部や一文字などのイメージが強いだろう。

ただ、近年はタチウオの回遊にムラがあり、シーズンインが遅れることは多々。

年によっては全く釣れずにシーズンが終わる・・・こともある。

今シーズンに関しては「昨日はよく釣れた」という情報で出掛けると、翌日にはすっかり姿を消している・・・と、まさに「お化け」と呼ばれる動きが顕著だ。

そんな中、大阪からは約1時間の、和歌山県湯浅湾の湾口に浮かぶ2つの一文字では、秋以降、タチウオが絶好調に釣れているとの情報が飛び交っていた。

湯浅湾のタチウオといえば、古くから半夜での船釣りが有名だが、沖波止でもタチウオが乱舞しているとは・・・。

シーズン初期には3ケタを数える釣果も出ていたそうで、数年前から密かに知る人ぞ知る穴場になっていたそうだ。

面白いのは半夜、早朝の釣りはもちろんだが、日中にもタチウオが釣れるという点だ。

ウキ釣りや引き釣り、ルアーなどで釣れ、特に広範囲を探ることができるテンヤでの引き釣りに人気がある。

また、水面を群れで泳ぎ回るタチウオが常時見られるほどタチウオの集結具合が半端ではない。

キャスト、操作性、感度・・・これまでの波止タチウオロッドにはなかったスペック搭載の「ドラゴンライズS96M」

そんなタチウオパラダイスに、数年前から足しげく通うのが、磯のグレやチヌ、波止のチヌにマダコなど、四季を通じてマルチに釣りを楽しみ、どのジャンルにおいてもスゴ腕アングラーである前西喜弘さん。

「とにかく、大阪湾の波止は人が多いし、最近はムラが激しく釣行が無駄になることが多いんですよ。その点、この湯浅一文字は非常に安定していて、外れることがない。少し遠くまで出掛ける価値ありですよ」と前西さんが語る。

11月初旬、フィッシングDAYSで前西さんの波止タチウオの釣法を密着すべく現地へ出掛けた。

この日は半夜ではなく、早朝の釣り。

午前4時半頃に渡船で東側の一文字へ渡ると辺りは真っ暗。

まずは夜明け前の時合いを狙う。

前西さんの釣り方はいわゆる「テンヤでの引き釣り」。

ただの引き釣りではなくかなり進化した釣りである。

詳細は後述するが、この釣りに欠かせないのが、がまかつ「ドラゴンライズ」だ。

キャスティングに特化させたゲームロッドで、長さ、調子は「S96M」のワンサイズ。

様々な状況を加味して、オールインワンで使えるという結果になったそうだ。

全長は9フィート6インチ(2.9m)の2本継ぎ。

使用するテンヤは適合号数は3~20gと幅広いので、ライトテンヤから遠投での釣りまでをこなせる設定。

特徴的なのは、キャスト性能を向上させるための張りのある調子と、テンヤ操作時の柔らかにして、操作をしやすい・・・という一見相反する機能を両立させているところ。

また、タチウオがバイトしてきた際の違和感をなくす柔軟性に反して、ごく小さなショートバイトも感じ取ることができる高感度も、従来の波止用タチウオロッドでは追求しきれなかった機能だろう。

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夜明け前の時合いを狙い湯浅一文字で実釣スタート。前西流の最新テンヤ釣りの技は「止め釣り」

星空が見事な朝5時前の湯浅一文字。

タチウオは外向き、内向きともに遜色なく釣れ、日によって外がよかったり、内向きでアタリが集中したりと日々変化するので、両方を探る必要がある。

まずは「ドラゴンライズ堤防タチウオテンヤ・コンプリートS」の9gを使い、外向きでキャスト。

エサはドジョウだ。

テンヤの引き釣りはキャストしたら、少しカウントダウンし、そこからリールのハンドルをゆっくりと巻く。

アタリがあってもそのまま巻き続け、竿先へ完全に重みが伝わったりタチウオが掛かって竿を引き込んだ時点で初めて大きくアワせる。

しかし、前西さんの釣りはかなり違う。

キャストしたらカウントダウンするところまでは同じ。

そこからは小さく小刻みに竿先でアクションを入れたら、テンヤが寄ってきた分だけラインを巻き取り、一瞬のステイ。

それを繰り返すことで、一定のレンジでテンヤのスピード強弱を利用してタチウオにアピールし、ステイで食わせる・・・という具合だ。

「引き釣りというよりはステイで食わせるので、止め釣りですよね!(笑)」と話す前西さん。

「マルチアシスト」の恩恵で待つ釣りから即アワセができる超攻撃型テンヤ釣法へ進化

夜明けを迎える直前「おっ、ちょっと触ってきましたよ」と前西さんがロッドでのアクションを止めてステイさせた途端、ドラゴンライズS96Mのロッドティップに微かな反応があった。

と、なんとそこで大きく即アワセ

ゴツンと乗ったのはタチウオらしい。

そんな即アワセでヒットするものだろうか?

前西さんにうかがうと、その秘密は「ドラゴンライズ堤防タチウオテンヤ・コンプリートS」に付属されている「マルチアシスト」にあるという。

マルチアシストはワイヤーの寸法を調整することができ、いろいろなリグにセットすることができるのが特徴だ。

今回はドラゴンライズ堤防タチウオテンヤの親鈎の軸に通してから、エサ止め用のピンのうち最後部の1本にも引っ掛けるようにして締め込む。

これで外れる心配はない。

シングルフックだが、エサを食いにきたタチウオに対して大きくアワせることで、口の外側からがっちりと掛かる寸法だ。

実際、上がってきたタチウオの口の外側からマルチアシストのシングルフックがしっかりと掛かっていた。

アクション後のステイで食わせ、小さな反応もとらえて即アワセ

まさに超攻撃型のテンヤ釣法だ。

夜明け前の時合いに連続ヒットも、産卵行動の群れか?食い気がないタチウオが目の前を群泳!

夜明けまでに3匹のタチウオをキャッチしたが、いずれもステイからの即アワセでヒットしたもの。

テンヤでの釣りで即アワセが成立することが明確に実証された。

また、ステイ時にタチウオが触りにきた感触も手元に伝えてくれる、高感度仕様の「ドラゴンライズS96M」のなせる業である。

湯浅一文字では、夜明けや夕暮れにタチウオの時合いがやってくることは多いが、実は日中でも突如として釣れることがある。

昼前の11時頃に時合いがくることもあるとのことで、正午まで粘ってみたが、当日は反応なく正午の渡船で納竿とした。

ところでこの日、夜が明けてからかなりレア?な光景を目の当たりにした。

夜明け前から数匹程度のタチウオの群れがフラフラと波止周りを泳いでいたのだが、夜が明けた7時過ぎ。

突然大きな群れが水面下を泳ぎ始めたのだ。

時折、ナブラが出るのだが、どうもエサを追いかけているようではなく、折り重なるようにタチウオが水面上に盛り上がる・・・と言った具合。

これが反時計回りに大きな渦となって群泳する光景は、まさに壮観。

スタッフどころか、前西さんも初めて見たという。

これが産卵行動かどうかは明確ではないが、とにかくこの行動を起こすために波止周りにやってきているようだ。

ただ、この群れのタチウオはエサに反応しないようで、群れとは少し違う場所でエサを追うタチウオも混じっている・・・と言う感じ。

毎年、12月中旬まで小さな群れがあちこちに泳ぎ回っているらしく、その間は、シーズンが続くとのことだ。

さて、今年はいつまでタチウオパーティーが続くのだろうか。

●交通:阪和道の湯浅ICで下り、国道42号を南進。
湯浅の交差点を右折。
山田川の最下流部に架かる橋を渡り100mほど先を左へ。
少し走ると渡船店の事務所がある。
事務所前の小波止に乗船場と駐車場がある。

●問い合わせ:石井渡船(TEL:090・7481・3019)

(文・写真/松村計吾)

沖堤防のテンヤ釣り 進化するタチウオゲーム

出典:YouTube

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ライター紹介

松村計吾

松村計吾

大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。