カワムツって食べたことある？淡水に棲むよく釣れる魚を徹底特集

体側に黒い真っ直ぐに縞が入っているのが特徴的な淡水魚といえば、カワムツを思い起こします。

河川でよく釣れるので、持ち帰って飼育したり食べたりする人がいるはず。

ここでは、カワムツの生態や釣り方・食べ方について、詳しくご紹介しましょう。

カワムツとは、コイ目コイ科の淡水魚のことです。

細長い外観と、体側の黒い直線模様が特徴となっています。

カワムツの体長は、成長しても平均で15cmほどのサイズでとどまります。

オスのほうが尻ビレや体格が大きいので、全長20cmに至るものに出会えるかもしれません。

ノドの辺りからお腹にかけて、少し赤みが走っているのが見られます。

そして尻ビレが大きいので、同じ淡水魚のオイカワに似ています。

ヌマムツと呼ばれる淡水魚に似ていますが、胸ビレや腹ビレの色が異なりますし、カワムツのほうがウロコが大きく、尻ビレの軟条数が多いので、カンタンに見分けることができます。

ちなみに軟条とは、魚のヒレにある軟らかい筋のこと。

じっくり観察すると、魚ごとに違いのある部分なので、見分けたいときに利用できます。

カワムツの生息域は、日本の能登半島と天竜川水系より西の地域、本州・四国・九州地方に分布しています。

海外では、台湾の釣り人がSNSに掲載しているのを見つけたことがありますし、韓国などにも生息しているようです。

水質の汚染に弱いので、キレイな河川で流れの緩い場所に定着する習性があります。

他の魚と同じく警戒心が強めなので、岩・沈木などのカバーのある場所や、地形変化に着くことが多いです。

カワムツは、雑食性なので、水草や藻などの他に、水生生物の昆虫や小魚・エビやカニなどの甲殻類を捕食しています。

産卵時期は、春から夏にかけて。

オスは、お腹の部分が婚姻色の赤色に変わり、顔は赤黒くなります。

メスは、河川の浅瀬に群がるようになり、昼間に砂底に産卵をおこないます。

カワムツの寿命は、長くて4年程度。

海釣りの泳がせ釣りの活エサとして販売されていることがあり、飼育するのはさほど難しくはありません。

カワムツの釣り方は、延べ竿によるエサ釣りがポピュラーですが、雑食性でテリトリアンなので、ルアーによるアプローチが面白いでしょう。

使うのは、小型・軽量なスプーンルアー。

渓流用だとちょっぴり重いので、1gや2g程度のエリアトラウト用スプーンルアーを投入してみましょう。

その際に注意したいのは、フックのサイズ。

エリアトラウト用のシングルフックのままキャストしてもいいのですが、ときどきバレてしまいます。

それを防ぐのに、小さなアジ針を使ってください。

フライ巻き用のバイスで、アジ針を挟んで、スイミングフック＝アシストフックに仕上げます。

つまり、ラインアイをPEラインを用いて作ってしまうわけです。

これを前述のスプールルアーに装着すれば、フッキングの効率はとても上がるでしょう。

河川の流れの緩やかな場所や、岩などが点在している場所に、どんどん投げて入れてみてください。

アタリは、とても明確なので、ロッドを立ててリールハンドルを回しながら引き寄せましょう。

カワムツの食べ方もピックアップしてみましょう。

「えっ、カワムツを食べるの？」

と感じる人もいるでしょうが、全然食べることができる魚です。

身に捌いてみると、白身でもちもちとした感触。

川魚独特の臭みがあるので、食べるときには塩もみをしてヌメリを取り除き、ウロコや内臓の処理もきっちりおこないましょう。

身の味自体には、甘みがあるので、唐揚げや天ぷら料理にすると美味しく食べられます。

稚魚は甘露煮にして、煮付け・塩焼きなどにするのもよく、ぜひ自分で釣り上げて調理してみてください。

まずい！という評価を見かけますが、臭みの処理を怠っているからでしょう。

カワムツを河川で釣るのに向いている、おすすめのスピニングタックルをご紹介しましょう。

ロッドは、ショートレングスなエリアトラウトゲーム用スピニングロッドがマッチします。

河川でも、エリアトラウトゲーム用が活躍してくれます。

リールは、1000番サイズ以上のスピニングリールに、細いPEラインを巻いてアプローチしましょう。

シマノからリリースされているエリアトラウトゲーム用スピニングロッド・トラウトワンASシリーズのラインナップから、S60XULを選んでみました。

全長は1.83mと、扱いやすい長さのブランクスに設計されています。

2ピース仕様で、仕舞寸法は93.9cmにまで縮まります。

ウエイトは68gと軽めですから、長い時間の釣行になってもねさほど疲れを感じることはないでしょう。

ブランクスの先径は、1.3mmです。

適合するルアーウェイトは、0.4gから3.5gまで。

これなら小型で軽量なスプーンルアーでも、柔軟に使いこなせます。

適合するラインは、モノフィラメントラインなら1lbから3lbまでで、PEラインなら0.15号から0.4号までです。

ブランクスのカーボン素材含有率は、88.6%に設計されています。

実際に手に取ってみると、とても軽くて扱いやすいブランクスだと感じました。

グリップが細身デザインで、かなり握りやすいです。

各種ロッドワークを繰り出すのに、ちょうどいい握り心地ではないでしょうか。

実売価格は1万円台と、とてもコスパ優秀な価格帯に収まっています。

エリアトラウトゲーム用だからと、河川で使うのを躊躇しないでください。

さまざまな使い方を試すことで、ロッドが持つポテンシャルをぞんぶんに活かすことができるでしょう。

シマノから発売されている汎用型スピニングリール・アルテグラシリーズの中から、1000番サイズのノーマルギアモデルを選んでみました。

ギア比は5.1対1なので、ハンドル1回転につき64cmのラインを巻き取ることができるようになっています。

実用ドラグ力/最大ドラグ力は、2.0/3.0kg。

ウエイトは180gと軽めで、スプール寸法は、直径/ストロークが40/13.5mm。

ラインキャパは、モノフィラメントラインなら1.5号を130m、PEラインなら0.8号を240m巻けます。

ハンドルアームの長さは40mmで、ボールベアリングは5個搭載されています。

実際に手に取ってみると、とても軽くてコンパクトなボリュームに仕上がっていると感じました。

深溝スプールタイプなので、ラインキャパは多めですから、下糸を巻いて調整しましょう。

実売価格は1万円台と、とてもリーズナブルな価格帯に収まっているのが嬉しいです。

1000番サイズを1台持っておけば、海のライトソルトウォーターゲームや、穴釣りなどにも転用することができます。

PEラインを巻く場合は、先端にショックリーダーラインをつないでください。

フロロカーボンラインを用いると、着水してからの沈みが素早く、意図したリトリーブコースをあまり外れずに、ルアーを通してくることができるでしょう。

カワムツの特徴や生態・釣り方・食べ方や、おすすめの釣りタックルをご紹介しましたが、いかがでしたか？

河川の本州域以外にも、支流や水路の溜まり部分に、カワムツが定着していることがあります。

いきなり水辺に近づかないようにして、離れた場所からルアーを投入してみてください。