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久保野孝太郎が大分・米水津の大型グレを完全攻略。がまかつ得意の胴調子ロッド「がま磯デニオス1.25号5.0m」が生み出す究極の操作性&タメで40cmオーバーを連発
【テレビ大阪系列・毎週土曜日午前7時放送「フィッシングDAYS」サイドストーリー第11話】番組内で話題になったアイテムについて”深堀”するもう1つの「フィッシングDAYS」。
「フィッシングDAYS」はテレビ大阪を中心に、テレビせとうち、TVQ九州放送、テレビ和歌山、高知放送で放送されている、がまかつ提供・テレビ大阪制作の釣り番組。
ハゼなどの極々小さい魚から、ルアーを使った大型魚釣りまでを、どうやったらより釣れるのかにこだわって制作。
また、釣れた時の釣り人の笑顔にもフォーカスし、釣りの楽しさも徹底的に追求している。
目次
フィッシングDAYS「久保野孝太郎が攻略 大分米水津 寒の良型グレ」
今や超有名&人気フィールド、大分県米水津の磯群。当日上がったのは予約瀬のサズリ
大分県南部にある佐伯市米水津(よのうづ)。
古くから有名な磯エリアである鶴見崎の磯群からは、半島の反対側に位置するエリアだ。
磯のグレ釣り競技会などが多数開催されていた超有名エリアに隠れて、いわば穴場的な存在。
ところが近年、広大な渡船エリア、鶴見半島の南側に位置し北西風に強い地形などもあって、米水津での磯グレ競技会が数多く開催されるようになるとともに、大分県南部を代表する磯釣りのメッカともなった。
釣り場としては北が鶴見半島の南岸から始まり、横島、黒島などのほかに湾内の磯もある。
米水津のグレの特徴は丸々と肥え、食味も抜群なことが知られ、これも人気の要因となっている。
さて今回、米水津の磯で今が盛りの大型グレを狙って訪れたのは名手・久保野孝太郎さん。
伊豆半島をホームにしながら、全国を駆け回る行動派のアングラーであることはもちろん、状況判断力と推察力の鋭さで、初めてのエリアでも次々に大型グレを仕留める姿にファンも多い。
ただ、この地を訪れた1月初旬、大分から宮崎にかけての海域では、水温が急低下し、グレ釣りに関しては壊滅状態との情報が入っていた。
かろうじて釣れているのが、この米水津だったが、水温低下の影響か、本来の寒グレの食いではないとのことだ。
米水津には渡船店が持ち回りで優先的に渡すことができる「予約瀬」の制度があり、今回は予約瀬の中から「サズリ」に上がることになった。
穂先が垂れず、持ち重りなし・・・。胴調子なのに張りがある「がま磯デニオス」の調子に驚き
今回、久保野さんが米水津攻略のために持ち込んだのは、愛竿のひとつ「がま磯デニオス」だ。
この竿の特徴としては、柔軟で粘り、曲がり込む胴調子を基本としながら、胴調子にありがちな持ち重り感を徹底的に排除した点だろう。
竿先の重さを解消するため、カーボンフレームのCIMガイドをトップに採用、仕掛けの操作時やアタリを待つ際にも、穂先の垂れがなく、まるで先調子かのような操作感が特徴だ。
逆に、いざ魚を掛けた際には胴調子のメリットである、しっかりと曲がり込んで粘ることで、魚の引きを受け止めバラシを激減させてくれる。
今回、久保野さんが使用した1.25号5.0mは、口太グレ狙いでオールマイティに使える1本。
突如としてヒットする50㎝近い口太グレにも問題なく対応でき、使用幅が非常に広い。
ちなみに、1.25号のほか、1、1.5、1.75、2号があり、それぞれに5.0mと5.3mがラインアップされている。
当日、スタート時の仕掛けは「がま磯デニオス1.25号5.0m」にハリスは1.5号、オモリなしで鈎には「セレクトグレ5号」。
久保野さんは釣りをスタートする際、常に慣れた仕掛けにすることで、状況判断が早くできるとのことで、鈎は5号からスタートし、状況に合わせて変更させていくそうだ。
微細な潮の変化に即反応し、流し込めるポイントを探して口太グレ35cm級連発
朝7時過ぎに磯上がりすると、ちょうど日の出の時間。
船着きから海面をじっくりと観察していた久保野さん曰く「沖の方は南からの上り潮が押してきてますね。それが磯に当たって跳ね返りができていて、おそらくポイントとしては跳ね返りと沖からの潮がぶつかる辺りですね」。
確かに微妙ながら沖からは押してくるものの、釣り座から左斜め沖では、竿下辺りからはゆっくりと払い出しているようだ。
マキエを足元に撒くも、エサ取りらしき影はほとんどない。
やはり水温低下の影響なのか。
これで果たしてグレが口を使ってくれるのだろうか。
と、10mほど沖に仕掛けを投入した久保野さんの仕掛けは、ごくごくゆっくりながら沖へ引っ張られ、仕掛けがなじんだところで、ジワリとシモる。
黄色いヘッドのウキがゆっくりと水中へと消えかけた瞬間に大きくアワせた。
「もうきてしまいましたよ」と言いながらデニオスをグーンと曲げ込む。
が、あまり暴れることもなく魚が簡単に浮いてきた。
強引ではなく竿を曲げ込んで、そのゆったりとした反動で、魚が知らない間に浮かされていた・・・と言うくらいに、あっけなく浮いたのは、35cm級の口太グレ。
実はこの1投を最後に、同じポイントではまったくウキが動かなくなる潮具合。
久保野さんはすぐさま右側の、まだ潮が流れている感じのピンポイントに、正確に仕掛けを投入した。
胴調子とはいえ、仕掛け投入時にはそんなに曲がり込むことはないため、操作性が抜群なのだ。
ただの胴調子ではない。
しかし、ウキにはほとんど反応がないように見えたのだが、久保野さんの手にする竿は反応を感じていた。
軽く竿を立てると重々しい引きが竿に乗り、独特の曲がり込む調子が威力を発揮した。
これも35cm級の口太グレだった。
釣り座変更後、遠投で強烈な引きに遭遇。デニオスのすさまじい粘りで寄せた大物は・・・
ここから連発・・・と思ったのもつかの間、この日のサズリでは微妙に潮が動いたかと思えば止まる。
一度止まってしまうとそのポイントではなかなか潮が流れてくれない状況だ。
1時間が経過した頃、今度は跳ね返りの潮がなくなり、一方的に磯際に当ててきた潮が右へと流れる。
沖へと仕掛けを打ち込んでも、なじむ頃にはかなり手前へと押され、そのまま磯際を流れていってしまう。
ここで、久保野さんが釣り座移動を決意。
右側にあるでっぱりの先に釣り座を取り、突端から右へと流れる潮で磯際から離す作戦だ。
磯際にはエサ取りがチラホラと出現し始め、手前のエリアはエサが取られる。
そこで、潮下への遠投で攻める。
50mほどまではエサ取りがいるようだが、その先はエサが残ってくる。
はるか潮下ではカモメが水面でエサをあさっている姿が見える。
「水面のカモメを見ると潮がどの方向に流れているかが分かります。今はまっすぐカモメの浮いているほうへ潮が流れているということですね」と久保野さん。
沖への流し込みで釣っていた久保野さんが突然、大きくアワせた。
かなりの重量感で、一見、まるで根掛かりでもしたかのように動かないが、明らかに魚の反応らしい。
デニオスをしっかりと曲げ込んで寄せにかかる久保野さん。
近くまで寄せてびっくり。
80cmはあろうかというブリだ。
ところが、竿下まで寄せたところで、魚が突然突っ走りだした。
ここでやや強引にやり取りをしていた久保野さんの竿が跳ね上がった。
「ハリス1.5号でやり取りする魚じゃないですよね」と苦笑いの久保野さん。
確かにその通りだが、100m近い潮下から寄せる時には、魚が気づいていないかのようなおとなしさ。
がま磯デニオスの柔軟な調子と、久保野さんのしなやかなやり取りが、この大きな魚でも怒らせることなく、しっかりと寄せきることができたのだろう。
磯際で突然の大グレ強襲。がま磯デニオスの真骨頂、柔軟な曲げ込みでタメてタメて、口太グレ40㎝キャッチ
「潮下でエサが残るのはもしかしたら、青物がいるからかもしれませんね。とするとグレは期待できないかも」と、久保野さん。
実はそのタイミングで潮の流れる方向が少し変わり、磯の突端から横島方向、つまり右斜め沖へと流れだしたのだ。
その潮に引かれるように右側から潮がきてヨレができた。
同時に10mほど沖で、時折深いながらグレの姿が・・・。
ただ、マキエには反応するものの、グレの出はかなり遅い。
そこでマキエを撒いてしばらくはじっと我慢し、かなり遅いタイミングで仕掛けを投入し、追い打ちのマキエを打つ。
すると、勢いよくウキが消し込んだ。
見事な状況判断で35cm級のグレを追加した。
サイズアップを狙いたい久保野さんが、鋭い観察眼で磯際から少し先に大型グレらしき魚がエサを取るような動きをしているのを見つけた。
竿下に仕掛けを投入し、仕掛けがなじんだら少し手前に寄せてくる。
マキエはもちろん足元へ。
ちょうどマキエをサシエが同調したところで、ウキがスーッと水中へ。
ガツンと合わせた久保野さんの愛竿「がま磯デニオス」が強烈な引きをとらえた。
ここはさすがに粘りが身上の竿だ。
重量感ある突っ込みを竿の曲げ込みでタメて、タメて、浮かせにかかる。
しつこく抵抗する魚をじっくりと浮かせてタモに誘導した。
これは40㎝を超す丸々と肥えた口太グレだった。
米水津らしい魚体だ。
「これこれ、これが今日の狙いのグレですよ」と満面の笑み。
再び磯際でさらなる大型がヒット!どこまでも曲がり込む「がま磯デニオス」の粘りを生かした柔軟なやり取りが勝敗を分けた
ところがこのグレを境にまた反応が途絶えた。
この日は目まぐるしく変わる海の状況に本来ならほんろうされるところだが、次々に状況にアジャストさせていく久保野さんのイメージがズバズバと決まる。
「難しいかもしれませんが、推理してやってみた作戦に対して、答えがすぐに出る。めちゃくちゃ楽しいグレ釣りですよ」と久保野さん。
その久保野さんが、この日攻めていなかった突端左側の磯際を攻めだした。
その日のさまざまな組み立てから得られた情報を元に、ここにたどり着いたのだろうか。
その狙いがまたまた決まった。
磯際で定位させていたウキがスーッと引き込まれた。
同時に大きくアワせた久保野さんの「がま磯デニオス」がいきなり極限まで曲がる。
先ほどの40㎝よりもさらなる重量感と強烈な突っ込み。
それを竿の曲げ込みと鮮やかな竿さばきで、最初は大暴れしていた魚が徐々におとなしくなった。
浮かせにかかるも、とんでもない重量感に、じっくりと時間をかけて浮かせにかかる久保野さん。
ウキが水面より上にきても、横走りで抵抗する魚を浮かせると、黒々としたグレが姿を見せた。
グレは一撃でタモに収められ、「こんな大きなグレが存在するの?」と思うほど分厚い身体を持っていた。
その大きさは45cmだ。
しかし、その威風堂々とした姿は50cmを超えているように見える。
その日、久保野さんの海況に対する戦略が次々と成功し、ついには45cmの大物を手に入れた。
釣りのテクニックだけでなく、状況判断とそれに対応する技巧は、他の人では真似できないだろうと思わせる一日となった。
●交通:東九州自動車道の佐伯ICで下り突き当たりを右折。
国道217号に出て右折し杉谷信号を右折。
道なりに進み新佐伯大橋北を右折して国道388号に入り、米水津への案内に従う。
●問い合わせ:功明丸(TEL:090・7447・9775、同7169・5277)
(文・写真/松村計吾)
フィッシングDAYS「久保野孝太郎が攻略 大分米水津 寒の良型グレ」
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ライター紹介
松村計吾
大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。