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聖地・高知県沖の島でデカグレハンター・北村憲一がプロトロッドで挑む「口太グレ」
【テレビ大阪系列・毎週土曜日午前7時放送「フィッシングDAYS」サイドストーリー第15話】番組内で話題になったアイテムについて”深堀”するもう1つの「フィッシングDAYS」。
「フィッシングDAYS」はテレビ大阪を中心に、テレビせとうち、TVQ九州放送、テレビ和歌山、高知放送で放送されている、がまかつ提供・テレビ大阪制作の釣り番組。
ハゼなどの極々小さい魚から、ルアーを使った大型魚釣りまでを、どうやったらより釣れるのかにこだわって制作。
また、釣れた時の釣り人の笑顔にもフォーカスし、釣りの楽しさも徹底的に追求している。
目次
フィッシングDAYS「北村憲一が攻略 高知 沖ノ島の寒グレ」
尾長グレの聖地・高知県沖の島は、口太グレの魚影も濃く人気の釣り場
高知県宿毛市の南西沖に浮かぶ沖の島。
言わずと知れたグレ釣り師憧れのフィールドであり、60㎝オーバーの尾長グレの聖地としても人気の釣り場である。
片島港から渡船で渡るグレ釣り場は、沖の島をはじめ、姫島や鵜来島など全国に名だたるグレ釣りの有名フィールドが連なる。
今回、がまかつフィールドテスターで、デカグレハンター・北村憲一さんがプロトロッドを使用してのグレ釣行で沖の島へ向かうとのことで同行した。
2月13日は、出船は決定していたものの、沖の島エリアに着いてみると大きなウネリと東からの強風で、乗ることができる磯がほとんどない状況。
この日は東の風から、北西の強風に変わるとの予報で、まずはウネリと風裏を求めて、姫島西側にあるマサバエへ。
竿を出したタイミングではやや沖から押してくる潮が足元の磯際に跳ね返って、少し沖で泡の筋、つまり潮の壁が形成されていて、潮的にはよい感じ。
その壁を狙って、ウキ下4ヒロ前後で仕掛けを流し込む北村さん。
スタート時の鈎は「A1-MシステムType口太速攻」の7号だ。
すると、すぐに答えが出た。
ウキがスーッと押さえ込まれて水中へ。
プロトロッドで軽快に浮かせたのは、30cm級のよく肥えたイサギだ。
イサギが釣れたということは少しタナが深いと判断して、少しウキ下を浅くした北村さん。
次にヒットしたのはキツ(イスズミ)。
ちょっとグレに近づいたかな…と言っていると、そこから潮が急に変わってしまった。
沖からの潮の押しが強くなると同時に、ウネリでできるサラシの影響でまったく仕掛けがなじまなくなってしまったのだ。
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磯がわりで沖の島本島の「養殖1番」へ渡るも潮が動かず、一瞬のタイミングでヒットするのはハマチにヒブダイ…
釣り始めて2時間も経たないうちに、磯がわりを決定。
間もなく吹くであろう北西風にも備えて、沖の島本島の「養殖1番」という磯へ大きく移動した。
ここは波がほとんどないベタ凪のエリアで、本来はゆったりと潮が左右に流れ、その流れの中でグレやイサギなど多彩な魚が釣れる磯であるとのこと。
ただ、仕掛けを入れてみると潮がほとんど動いていない。
ウキが投入地点のまま…。
磯際、沖、そして深いタナ、浅ダナ、オモリを打つ、外す、ウキを浮かせる、沈めて探る…とあらゆる手段を講じて釣りを続ける北村さんは終始首を傾げる。
こんなよくない状況はほとんど見たことがない…。
それでも一瞬の潮が動くタイミングで、沖の流れと手前の流れの境目にできる潮壁に仕掛けをうまく流し込むとウキが水中へ。
しっかりとプロトロッドの胴に乗せて溜め、ブランクスの感触を確かめるようにやり取りをするが、上がってくるのはハマチ、そして、キバンド(ヒブダイ)などのグレとは程遠い魚たち。
ウネリや風はないものの、ここまで潮が動かないと何ともお手上げ状態。
どこかで潮が動き出すか…と我慢して釣り続けたが、結局この日はグレの姿を見ることができなかった。
2日目は本命の大ナダレへ。渋いアタリも「A1-MシステムType口太速攻」のコンタクト力でがっちり鈎掛かり
初日の午後から吹き出した北西風で、南のウネリを押さえてくれれば、一気に渡ることができる磯が広がる。
それを期待しての2日目。
まだウネリは残るものの、本命場所の1つである、沖の島本島の大ナダレに渡ることができた。
大きな磯で沖向きは磯が斜めになっていて、波が駆け上がってくるので、まずは足場の高い船着きで竿を出す。
本命ポイントは沖向きにできる潮目とのことで、船着きから沖向きに遠投をする北村さん。
ちなみに北村さんのエサは、ボイルオキアミ3kgにアミエビ4kgを自然解凍する際にビニールに穴を開けて水分を抜いたもの。
絞ることはせずに自然に水分を抜く。
2022年11月から沖の島エリアでは配合材の使用が解禁となった。
生オキアミは禁止だが、配合材を使用する磯釣り師が多い中で、北村さんは配合材を使用しないという。
「まだ、解禁して数カ月しか経ってないので、グレが配合材に慣れていないので…と、思って、以前からのアミエビ+ボイルでやってます」というのが理由だ。
水分の調整をきっちりとやれば、配合材を使わなくても十分にマキエの遠投が可能とも。
船着きは潮が当ててくる状況で、磯際から沖へと逃げた潮は、磯の沖面を這うように流れていく。
沖へと払い出してくれればいうことはないのだが、そううまくはいかないのも磯釣りだ。
それでも、沖面に流し込み、マキエを遠投して同調を図った途端、竿までひったくるようなアタリが出た。
張り出した磯がやっかいだが、ウネリが這い上がってくるため、沖向きには出られず、強引に寄せに掛かる。
プロトロッドが大きく弧を描くが、かなりのパワーで引き寄せる。
上がってきたのは本命の口太グレ36cm。
ようやく出会えた1匹に笑顔が戻った。
ただ、沖面では潮が安定せず、マキエが効きだすとイスズミ、イサギなどのゲストが頻繁に竿を曲げてくれるが、グレまでエサが届かない状況だ。
ところが、当て潮がやや緩んでくると、船着きの前に当て潮と跳ね返りの潮でできる泡の筋が発生。
これはチャンス。
と思っていると、左手のワンドの入り口に、それまで居なかったエサ取り、そしてイスズミ、その下には尾の白っぽい口太グレらしき魚影が…。
泡筋へダイレクトに仕掛けを投入して、マキエをかぶせ、同調を図る。
ただ、グレの動きはあまり活発ではない感じ。
その証拠に、ウキを気持ちよく引き込んでくれるアタリはほとんどがグレではなく、ゲストなのだ。
スーッとウキをやや押さえるだけのアタリに「これがたぶん、グレの仕業ですよ」と北村さん。
少しタナを調整して浅くすると、同じような反応がウキに現れたタイミングで軽くアワせた。
プロトロッドが心地よい曲がりを表現し、重量感のあるグレ独特の引きが伝わる。
これも36、37cmの口太グレだ。
実は北村さんが愛用するがまかつの鈎「A1-MシステムType口太速攻」は、こんな状況にも最適だ。
というのも、ストレートに近い鈎先により、魚が鈎をくわえた瞬間の早アワセでも確実に口元に刺さり込む。
あまり活発に動いていない、居食いに近いようなグレが浅い食い方をした際にもヒット率が高く維持できる。
一瞬のタイミングを見逃さない観察力と対応力で尾長グレ35cmに続き口太グレがヒット
この日は潮が目まぐるしくかわる1日で、船着きで口太グレを仕留めた直後からは、泡の筋が磯の沖面から沖へと払い出すような理想的な流れになった。
泡筋をダイレクトに攻めた途端、ウキが勢いよく水中へ吸い込まれた。
元気なゲストか…と思ったが、竿を持ちやり取りに入る北村さんの表情がグレであることを物語る。
それまで口太グレとのやり取りではみせなかった、無理しないやり取りでじっくりと寄せ、浮かせにかかる。
竿下で突っ込む引きに対しても、竿でためて決して無理をしない。
その理由は魚が浮いて分かった。
尾長グレだ。
さすがに百戦錬磨の北村さんだけに、魚を掛けて最初の引きで尾長グレと判断し、万が一鈎を飲み込まれていた際に、ハリスを歯で切られないように…と慎重なやり取りへと移行したのだ。
これは35cmクラスの尾長グレ。
同様にマキエと仕掛けを遠投し、沖の泡目で同調を図ると、次の答えは早かった。
今度は、重々しいゆったりとした引きで口太グレが登場した。
36、37cm。
この日の口太グレは計ったように同サイズが揃う。
小アタリも「A1-MシステムType口太速攻」が確実に口元をとらえ連発劇を演出
沖の潮目はあっという間に消えてしまい、再び潮が磯際へとへばりつくような釣りづらい状況に。
ここで再び、船着きからワンド方向を観察すると、押してくる潮がややゆっくりとなり、ワンドから出てくる潮と当たって、ややヨレ気味になっている。
あまり潮ははっきりしないが、狙い目としてはココ…と判断した北村さんが仕掛けを15mほど投げて、ウキの左右へ2杯のマキエ、手前にも1杯のマキエを打ち、仕掛けをなじませる。
仕掛けがなじんでウキがゆっくりと水面直下で落ち着き、その後ゆっくりと押さえられた。
食いの渋い口太グレらしい反応だが、これも「A1-MシステムType口太速攻」の高いコンタクト性が機能し、確実にヒットに持ち込む。
この小さなアタリを確実にとらえて、そこから潮の状況は変化するまでの30分ほどで、口太グレの連発劇を演出する北村さん。
この2日間は決してよい状況下での釣りではなく、寒グレ期にしては最悪に近い状況下での釣りとなったが、一瞬のグレが食うタイミングを見事に見抜いて、グレ連発モードに持ち込んだ北村さんの釣法には驚かされるばかりだった。
●交通:高知自動車道の四万十町中央ICで下り、国道56号で四万十市方面へ。四万十市に入り、中村宿毛道路を経て宿毛和田ICで下りて宿毛、片島へ。
●問い合わせ:初福渡船(TEL:0880・65・8877)
(文・写真/松村計吾)
フィッシングDAYS「北村憲一が攻略 高知 沖ノ島の寒グレ」
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ライター紹介
松村計吾
大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。