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超コンパクト!仕事帰り、旅行、出張時にちょい釣り。パックロッド釣行のススメ

松村計吾

車に気の知れあった仲間と同乗してワイワイ言いながら遠路はるばる数時間かけて釣りを楽しんだり、1人でその日の釣りに思いを馳せながらドライブして現地へ…。

そんな釣りも楽しく、ごく普通に見られる釣行だ。

しかし、何かしら忙しい現代人にとっては、大好きな釣りに出掛ける時間を確保するのも釣行技術となっている。

そんな中、仕事終わりの夕方から半夜釣りでちょっとだけ…、またはビジネスで行った出張先の近所によい釣り場がある…、はたまた家族旅行で海辺に出掛ける…といった場面で、よい釣り場へ出掛ける機会があれば、ぜひちょっとだけでも竿を出してみたいのが釣り人の性。

ただし、大掛かりな釣具は到底持ってはいけないし、そんなに時間がないからちょっとだけの釣りで、最低限の釣具を持っていければ…そう考えるのも至極当然で…。

そんな時、もっとも扱いに悩むのが竿、ロッドだろう。

なんせワンピースロッドなんていうと電車などでの持ち運びも苦労するし、仕事や家族旅行で出掛けている時にはなおさらだ。

ここで登場するのが、小継ぎでコンパクトなパックロッドである。

パックロッド自体は古くからあったが、ひと昔前のロッドは継ぎ数が多く、コンパクトなだけでロッド機能としてはかなり扱いづらいものが多かった。

仕事帰りや旅行時、出張時でのちょい釣りや、多くの道具を運べないバイクや自転車での釣行者が増えている現代においては、パックロッドの進化も半端ではない。

今回はそんな最新のコンパクトタックルでのちょい釣りをおススメしたい。

ぜひ参考にしていただいて「いつも心に釣りを」。

コンパクト釣行に求められる釣具とは?

釣具をコンパクトにまとめて…といっても、釣りをするのにエサを用意して…となると、これまた関門が生まれてくる。

そこでオススメなのは、事前に持っておけばいつでも使えるルアーでの釣りだろう。

最近では手軽に狙えるルアーのターゲットも非常に多くなってきていて、古くからのターゲットであるシーバスや、ガシラ、メバルといった小型からキジハタなどの中・大型のロックフィッシュ、そして近年流行のアジングや、はたまた、シロギスなどもターゲットの仲間入りを果たしている。

さて、道具をコンパクトにまとめる必要があるちょい釣りでのタックルは、やはり独特のものがある。

その代表格がロッドだ。

リールやルアー、仕掛け(リグ)などは、ほぼ共通のアイテムとなるので、やはり注目はロッドである。

ロッドに関しては、仕舞い寸法が短いほどコンパクトに収納できるので、同じ長さでも継ぎ数を増やして仕舞い寸法を短くしたパックロッドがオススメ。

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まるでハリーポッターの杖のような仕舞い寸法のパックロッド

パックロッドにも振り出しタイプや並み継ぎタイプがあるが、継ぎ数が多くなる分、振り出しタイプだとかなりロッド自体が太くなる傾向にあるため、ロッドの調子自体に制限されることが多い。

オススメとしては並み継ぎタイプだろう。

継ぎの部分を洗練させることで細身で張りがあって感度も高く、やり取りにおいてもパワー負けしない調子のロッドが販売されている。

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継ぐと立派なロッドに変身

さて、それに合わせるリールはターゲットに合わせるが、パックロッドではそこまでヘビーなタイプがないため、基本的にライトゲームを想定して、スピニングリールなら1000~3000番といったところか。

ルアーに関しては、通常の釣行と何ら変わりない…と言いたいところだが、やはりコンパクトさは基本イメージとして持っておきたい。

考えているとあれもこれも…と、詰め込んでいきたくなるが、ここは「ちょい釣り」であることを念頭に置いて、あれこれする時間がないので、ある程度ターゲットなども絞り込む必要がある。

ちょい釣りなので、仕事帰りなどならしょっちゅう釣行も可能なので、違うターゲットは次回に…と割り切ろう。

たとえば、アジングならジグヘッドとワーム数種類が小さなケースに収納できるし、ほかにはリーダーやヘッドライトといったアイテムくらい。

もっとも大荷物になるのがライフジャケットだろうか…。

基本イメージとしては、余計なバッグが1つ増えるのではなく、本来の要件にあったバッグ内にすべてが収納できる…ということだろう。

それでこそ、いつでも楽しめるコンパクトなちょい釣りである。

現代のパックロッドに求められる機能は?

コンパクトな釣行を目指す上で注目を集めているのがパックロッドなのだが、ただ単にコンパクトであればよい…というものではない。

先に出たターゲットでも、近年は釣りの進化とともに通常タックルの進化も半端ではない。

パックロッドでもその進化は続いているのだが、パックロッドに求められる機能とはどんなものなのだろうか。

はっきり言うと、仕舞い寸法が短いのが大前提ながら、継いでロッドとして完成させた時には、継ぎ数を思わせないワンピース、ツーピースロッドにひけを取らない調子、感度、パワーが備わっていればありがたい。

今回、テレビ大阪系列で毎週土曜日の朝6時50分から放送されている釣り番組「フィッシングDAYS」のロケで使用したのが、がまかつのLUXXE(ラグゼ)ブランドから発売されている「パックスタイル」というロッド。

夕方から大阪湾のボートに乗り込んで高級魚アコウを狙うというものだった。

仕舞い寸法によって「A4」あるいは「B4」と名付けられているこのロッドは、仕舞い寸法がそれぞれ「A4」用紙の縦(29.7cm)、「B4」用紙の縦(36.4cm)を下回るサイズだ。

「A4」にはスピニング(全長145~198cm)の3タイプとベイト(全長183cm)の1タイプ、「B4」にはスピニング(全長224cm)とベイト(全長208.5cm)の各1タイプがある。

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B4書類の縦サイズ以下の仕舞い寸法というところから名付けられた「B4」

ターゲットはもっともライトな「A4 S49FL-solid」でのアジングから、もっともヘビーなタイプが「B4 S74M」でシーバスからライトショアジギングエギングまでを網羅している。

つまりはターゲットと、自分のバッグの大きさを考慮してチョイスをすればよいというわけだ。

いずれにしても、書類と同じサイズなので仕舞い寸法がイメージしやすいのも「考えられているなあ」と感心した次第。

アジング用など繊細な釣りに対応するタイプにはソリッドティップを、パワーが必要なモデルにはチューブラートップを採用して、自重ももっとも軽いタイプで70gと軽量だ。

そして、継いだ際にはかなりの細身仕様なのが分かる。

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夏の夕涼みを兼ねて、仕事帰りにボートアコウチャレンジ

今回、番組では仕事帰りに南海電車の堺駅に集合して、夕方からボートゲームを楽しむという趣向。

テレビ大阪の福谷清志アナウンサーが、がまかつスタッフの黒神樹氏のアテンドを受けながら大阪湾の高級魚アコウを狙った。

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釣りに行くとは思えないスタイルで駅前集合

仕事帰りの黒神氏はデイバッグに仕事の道具とともに、福谷アナの分もまとめて釣具一式を入れ込んできている。

まるで仕事帰りとなんら変わりない。

「これが今日使うロッドです」と見せられたパックロッドを見た福谷アナは「見た感じ、おもちゃみたいですやん。これで魚が釣れるんですか」と大笑いからのスタートとなった。

ボートは堺港を出船して、一路西へと走り舞洲、夢洲を抜けて新島の西面へ。

ここが良型アコウがよく釣れているポイントとのこと。

ただし、西寄りの強風が吹き荒れて、ボートが速く流されるため、底取りが難しそうだ。

重めのシンカーを使ってしっかりと底取りをしようとのことで、福谷アナはパックスタイルB4の「S74M」を使用。

黒神氏はベイトタイプのパックスタイルB4の「B610M」を使った。

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黒神氏が使用したベイトタイプの「B610M」

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仕掛けは「TG ABARAシンカー」にフックは「寧音 ロックライズ オフセット」を使ったヘビキャロスタイルで、クロー系のワームを用意した。

強風のため、シンカーは18gを使用したが「本来はもう少し軽いシンカーでやりたいんですが、ちょっとこの風では難しいですね」と黒神氏。

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TG ABARA シンカー

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寧音 ロックライズ オフセット

強風の中、力強くキャストができ、数投もするとそれがパックロッドであるのを忘れるようなパワフル感。

それに、海底の凸凹が明確にティップに伝わり、シンカーが捨て石表面のちょっとしたでっぱりに乗った感触も分かる。

ただ、この釣り自体、初挑戦の福谷アナはボトムを取るのにもひと苦労。

日が暮れるとなおさらで、ラインのたるみや張りがなかなか分からないと嘆いている。

が、黒神氏から「それ、もう底に着いていて引きずっていますよ」と言われて巻き取りにかかった福谷氏。

すると、ロッドティップにコココン…と小さな反応が伝わり「何か掛かっていますよ」と、巻き上げた先には17、18cmのガシラがヒットしていた。

そこから、同じような釣りで福谷アナがガシラを3連発。

ボトムが分かりづらいのを利用しての新しい釣法か…と思うくらい好調な出だしだ。

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ボトムは分からなかったが、ガシラを仕留めた福谷アナ

黒神氏はしっかりと捨て石の上をトレースして探って確実にアタリを取っていくが、狙いのアコウは姿を見せず、ガシラばかり。

アコウのポイントではガシラも魚影が濃いのは普通で、これだけアタリがあると楽しいものだ。

が、やはり釣りたいのはアコウ…ということで、船長は風裏のポイントへの移動を決断。

ガシラ入れ食いの中、良型含めてアコウが連発

船長が案内してくれたのは、少し港に戻ったところにある風裏で「ここは40cmを超すような大型アコウはほとんど見られませんが、30~35㎝のアコウの魚影が濃い場所です」とのこと。

さっそくボートを流しながら、テトラ帯に向けてキャスト。

テトラから続く捨て石の上を探ってくる。

風がない分、ロッドティップが表現してくれるボトムの様子も明確だ。

コツ、コソッと捨て石の上を引いてはステイさせると、明らかにティップを押さえる反応の後、コココンと心地よい反応が続く。

20cmを超す良型ガシラの連発だ。

強風で苦労していた福谷アナも風が弱いこの場所に来てからは、しっかりとボトムをトレースして、前アタリから本アタリを感じてロッドを心地よく曲げ始めた。

ワームを交換しながらどんな形状、カラーがアコウのお好みなのか…と探っていると、黒神氏のロッドが突然ガガガッと大きく震えた。

大きくアワせた黒神氏。

ベイトロッドがきれいに曲がり、継ぎ数の多さはまったく感じられない。

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当日準備したワーム各種

抜き上げたのは30cm弱のアコウ。

ただし、大阪湾では28cm以下のアコウはリリース…というルールがあるため、弱らないうちにリリースした。

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待望のアコウだったが、28cmに満たないためリリース

よいポイントにはアコウが集まるのでチャンスポイントだ。

次にロッドを曲げたのは福谷アナ。

こちらもかなりの引きを楽しんでいたが、上がってきたのは25cm近い大型のガシラで、うれしさ半分、ガッカリ感半分。

直後に、黒神氏にヒット。

こちらはさらに強い引きをロッドが受け止めている。

楽しそうなやり取りの末に水面に浮いてきたのは立派なアコウだ。

測ってみると35㎝。

このポイントでは最大級だ。

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ついに出ましたアコウ35cm

この日の釣りを通して分かったことは、釣るうちにそれがパックロッドを使っていると、分からなくなってしまうくらいの完成度の高さであるということ。

また、横で見ていてもキャスト性能、アクション時の操作感、アタリを表現する感度、そして魚の引きを受け止めるパワーとすべてが揃っているのが分かる。

パックロッドの進化は止まらないのである。

●交通:南海電鉄堺駅から徒歩15分。

車は大阪市内から新なにわ筋を南下して大和川を渡り、三宝公園前信号の先を左側の側道へ。

国道26号(北公園前)で右折してすぐ先の戎島町信号を右折。

約500m先で道路が左へカーブするところで右折。

突き当たりを右折すると駐車場、事務所がある。

●問い合わせ:シーマジカル(TEL:090・6232・1089)

※当日の様子は、下のyoutubeフィッシングDAYS「パックロッドで楽しむ 夏のボートロックゲーム」https://youtu.be/QCuq-qCUeekで視聴できます。

(文・写真/松村計吾)

パックロッドで楽しむ 夏のボートロックゲーム

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ライター紹介

松村計吾

松村計吾

大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。