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FISHING JAPAN 編集部タイラバや鯛ジギングをしていて、釣り上げたタイからフックを外そうと口の中を見ると、じっとこちらを見る白い生き物が・・・。
そのグロテスクな外見から、凍り付くような恐怖に襲われた経験があるアングラーも多いのではないでしょうか?
この生き物の正体は、タイノエと呼ばれる寄生虫です。
今回はそんな謎に包まれたタイノエに迫り、その気になる生態を紐解いていきましょう!
タイの口の中に潜む白い生き物は、タイノエという名の寄生虫です。
無理矢理引き剥がして口から取り出してみると、なんとも気味の悪い姿をしています。
まるでダンゴムシやフナムシにそっくりな外見ですが、それもそのはず、タイノエはワラジムシ目ウオノエ科に属する節足動物です。
タイノエは先に述べた通り、ダンゴムシのような等脚目に属する昆虫に似た見た目をしています。
異なる点としては、白い色をしていることと尻尾のようなものが付いていることが挙げられます。
タイの口の中にすっぽり収まる大きさで、体長は2~4cmほどです。
タイノエは漢字で「鯛之餌」と書き、タイがエサを食べている途中だと勘違いした人が名付けたと言われています。
しかし実際は寄生されたタイの方がタイノエの餌食になっているという、真逆のネーミングになっています。
タイノエは幼生時にタイのエラを通り口内へ侵し、その舌に取り憑いて吸血し、栄養を得ます。
結果、吸血されたタイの舌はしだいに壊死します。
それでもなお、タイノエは舌が存在したトコロに留まり続けます。
なぜタイノエがタイを寄生対象として選択したか明確ではありませんが、一つの説として、多くの天敵に囲まれた海底に住んでいたタイノエの祖先が、生存のために安全な魚の体内へ寄生する方法を学んだ、と言われています。
タイノエは、タイ1匹につきオスとメスのつがいで寄生します。
最初にタイに取り憑いたタイノエはメスに性転換し、後から寄生したオスのタイノエと結びつくのです。
その後、メスが産卵し、孵化した幼生のタイノエは、海中を泳ぎ、新たな寄生先であるタイを見つけます。
寄生先のタイが死ぬと、残されたつがいのタイノエも生命を終えます。
今では不快感を覚える人も多いタイノエですが、実は昔はgood luck の象徴とされ、「鯛之福玉」という愛称も存在するほどでした。
一つの生物と終生離れず、寄生するその姿から良い縁結びのシンボルとされ、結婚式などでタイノエが入ったタイが振る舞われていたと聞きます。
釣りや魚の生態に関する情報を配信しているYouTubeチャンネル『南紀和歌山釣太郎』では、釣り上げたタイからタイノエを取り出すシーンを撮影しています。
動画内のタイからもつがいと思われる2匹のタイノエが見つかっています。
タイノエを家に持ち帰りたくない方は、釣り上げたときにタイの口内をチェックし、その場で取り出すようにしましょう。
タイノエはタイの体を侵食しますが、人間の体内で寄生する可能性は皆無であり、有害な毒を持つこともないため、気にすることはありません。
それ故に、タイノエの影響を受けたタイを誤って食べたとしても不安に思う必要はありません。
ただし、タイノエにより栄養素が奪われたタイは身がシュッとして脂のノリも少なくなるため、風味には一部影響するかもしれません。
タイの口の中に棲むタイノエは、タイにとって違和感のない存在と言えます。
その特色を活かし、釣れたタイから取り出したタイノエをエサにして釣りを実行した例があります。
ここでは、その様子を撮影した動画をご紹介します。
様々な釣りに挑み、釣った魚を調理する動画などを日々配信する人気チャンネル『ササキ水産』では、タイノエを使った釣りに挑戦しています。
釣り上げたタイから見つかったタイノエをハリに付け、期待せずに待っていると大物のタイがかかるという驚きのシーンをとらえています。
“エビで鯛を釣る”という故事ことわざがありますが、まさか“タイノエで鯛を釣る”なんて・・・。
興味のある方は、この動画を参考に一度挑戦してみてくださいね!
スーパーや鮮魚店でお馴染みの、食用で売られている生イカ。
エギングなどで釣り上げたものも含め、実は生のイカには結構な数の寄生生物が棲みついていることがあります。
顕微鏡やルーペで見なくても十分視認できるサイズなので、気になる方は自分でイカをさばいてみましょう。
ここでは、イカに寄生する生物を2種類ご紹介します。
イカやタラに多く見られる、ナメクジのような白い寄生虫はニベリニアと呼ばれています。
イカの場合は内蔵部分や表皮に寄生していることが多く、さばいたときによく見つかります。
気味の悪い見た目と動きとは裏腹に、人体には全く悪い影響を及ぼさないことが分かっています。
もし寄生したニベリニアに気づかず生きたまま食べてしまっても、胃で消化されるので心配する必要はありません。
また、ニベリニアは冷凍や加熱処理をすれば死滅してしまうので、さほど気にしなくても良い寄生虫です。
イカの他サバ、アジ、サンマなど多くの魚介類に寄生する生物としてよく知られているのが、アニサキスです。
アニサキスは白く細長い紐のような見た目をしています。
人体に影響がないニベリニアとは反対に、アニサキスは食中毒を引き起こす恐ろしい寄生虫です。
生の状態で誤って口にしてしまうと、胃の内壁などに刺さり激痛を伴います。
スーパーでまるごと1匹生のイカを購入した際は速やかに内蔵を取り除き、アニサキスがいないか確認して除去するようにしましょう。
また、アニサキスは-20℃で24時間以上冷凍するか、70℃以上で加熱すると死滅すると言われています。
詳しくは、下の記事で確認してください。
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FISHING JAPAN 編集部タイノエは普段私たちの生活にあまり馴染みがないからこそ、その見た目や生態を気味悪く感じてしまうでしょう。
しかし今回ご紹介した通り、タイノエは人体に害を及ぼすことはなく、見つけてしまってもそっと取り除けば心配する必要はありません。
奇妙な見た目とは裏腹に意外と面白い生態を持っているため、機会があればじっくり観察してみるのも学びになるでしょう。
タイノエのように、釣り場で見たことのない生き物を見つけたら、自分でしっかり調べて正しい知識を身につけることが大切です。
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FISHING JAPAN 編集部この記事に関するよくある質問
タイノエはワラジムシ目ウオノエ科に属する節足動物です。見た目は白い色をしていて、ダンゴムシのような等脚目に属する昆虫に似ています。タイの口の中にすっぽり収まる大きさで、舌に寄生し栄養分を吸い取りながら一生を過ごします。
人間の体内に寄生することはなく危険な毒性もないため、たとえタイノエが付いたタイを食べてしまっても心配する必要はありません。ただし、タイノエに栄養分を奪われたタイは身が細く脂もあまり乗っていないことがあるので、味には影響するかもしれません。
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