古代魚を水槽で飼育してみたい!熱帯魚で人気の高い古代魚を集めてみた
何やら化石が泳いでいるかのような姿をしているのは、古代魚と呼ばれる魚です。 熱帯魚ショップなどで実際に販売されていて、特に大型に成長するものや珍しい形・習性を持つものは、人気が…
FISHING JAPAN 編集部アブラソコムツという魚を見たことがありますか?
深海に棲んでいる巨大魚で、体長は1.5メートルにまで達する個体がいるとか。
鋭い歯を持っていますから、肉食で獰猛なイメージですが、実際のところはどうなんでしょう?
よく似た深海魚にバラムツがいますが、どうやら両者とも、その身が強烈な脂で出来ているとのこと。
どんなふうに強烈なのか、アブラソコムツの特徴を詳しくご紹介しましょう。
目次
アブラソコムツとは、スズキ目クロタチカマス科に属する魚のことです。
体長は1メートル前後にまで成長し、大きいものでは1.5メートルにまで巨大化するものもいるようです。
体色は黒~茶色になっていて、目が白くてまんまると大きいですね。
口に並ぶ歯は鋭くて、深海のムツのように獰猛な顔つきをしています。
水深100メートルより深い層で生息していることが多いですね。
掛かると引きが強いことから、船釣りによる対象魚にされていますよ。
深い層にいる魚を狙うので、釣り方はバーチカルジギング!よりも餌釣りがメインになります。
餌はヤリイカやウルメイワシを使って、クエ針の35号前後にナイロンハリスの50号もあれば、強い引きに耐えられるはず。
オモリは120号前後もあれば、効率よく落とし込めるでしょう。
マグロやジャイアントトレバリー=ロウニンアジ用のタックルや、ヒラマサ・カンパチをターゲットとしたオフショアジギング用タックルを、うまく転用して釣り上げてください。
ボトムまで仕掛けが到着したら、ロッドワークで上下運動をさせます。
その誘いが効くと、小さ目のアタリが伝わってきますよ。
そのサインを見逃さずに、しっかり力強くフッキングをおこなってください。
アブラソコムツの活性が高い場合は、仕掛けを落とし込んでいる際にもアタリが頻発します。
引きは他の魚と比べ物にならないほど、強烈で持続性があります。
それに耐えられるように、ロッド・リール・ライン・フックについては徹底的にこだわって選ぶようにしたいですね。
手や腕はもちろん、足腰など全身をじゅうぶんに使って、強い引きに耐えるようにしましょう。
アブラソコムツは、イカやサバ・イワシなどを捕食しながら生きている、魚食性の魚です。
昼間は水深500メートルから1000メートルくらいの深い層に定着していることが多いですが、日が暮れて夜になると、水深100メートルから300メートルくらいの水深まで浮いてきて、活発な捕食行動に入ります。
これを日周鉛直移動と呼び、アブラソコムツの際立った特徴といえるでしょう。
ただし、産卵時期などの具体的な行動は、詳しくは判明しておらず、まだまだ解き明かされていない魚といえるでしょう。
アブラソコムツは、マグロの大トロに味が似ていることから、食用に使われてしまうケースがあるようですが、有害であることが確認されています。
実は日本では、食品衛生法の第6条2項・有害な物質を含むもしくはその恐れのある食品に含まれているとして、販売が禁止されているのです。
この点では、バラムツと同じ扱いといえそうですね。
したがって市場には流通していませんが、釣りの対象魚になっていて、なおかつ漁に混じるケースもあることから、入手可能な魚であることも確かです。
それでは何が有害なのか、詳しくチェックしてみましょう。
アブラソコムツの身には、ワックスエステルという脂が含まれています。
ワックスエステルとは蝋のようなもので、ヒトでは消化できずに瀉下作用、すなわち下剤となってしまうのです。
当然大量に食べると腹痛や下痢を起こすのは避けられず、もっとひどくなると便意がないのに油脂成分がそのまま肛門から漏れ出してしまうことも。
また皮脂漏症、つまり皮膚から油が漏れてしまう症状を発祥したり、下痢で脱水症状や昏睡に至ってしまう恐れもあるようです。
かなり危険なので、アブラソコムツの身を食べるのは自己責任で!ということになるでしょう。
ちなみにこのワックスエステルは、アブラソコムツにとって栄養源であり、水中における浮力を調節する要素であると考えられています。
下痢をしない体質なのが、うらやましいですね。
深海には、アブラソコムツのように食べると有害な魚が他にもいます。
アブラソコムツと同じように、体内にワックスエステルを保持している魚がいます。
例えば、ヒョウマトウダイやクロマトウダイ・オオメマトウダイなどのマトウダイの仲間も、食べると危険です。
またハクジラにも含まれているとのことですが、市場にはほとんど出回っていないのできにしなくていいかもしれません。
小型ですが、ハダカイワシもワックスエステルを持っているので危険です。
そしてバラムツ。
これは姿もアブラソコムツと似ているので、要注意な魚といえるでしょう。
アブラソコムツとバラムツの違いや見分け方について、確認してみましょう。
はっきりとした違いは、尾柄部分に隆起する線がない魚がバラムツ。
そこに隆起する線が存在すればアブラソコムツだといえます。
でも体色もよく似ていますし、体長もほぼ変わりません。
2種類同時に並べられても、果たして見分けがつくかどうか・・。
生きてきた年齢によっても外観は大きく変わりますから、よく似た魚としてとらえるしかなさそうな気がします。
また判別を間違えたところで、食べてしまえばどちらも下痢症状に。
アタリもハズレもないところが、違いを曖昧なものにしている原因なのかもしれません。
日本の近海でも、アブラソコムツは確認されています。
大陸棚の絡む深海エリアや、静岡沖の相模湾から高知沖の土佐湾にかけて、太平洋沿岸部の深海に生息していますよ。
また沖縄の周辺でも、釣られた実績報告があるとのこと。
台湾の南部エリアでも水揚げされているようです。
となると、かなり広範囲な深海エリアで生息していることになり、漁師が放った仕掛けにかかってしまう確率は、さほど低くはないのかもしれませんね。
ダイバーに囲まれているアブラソコムツの姿を収めた動画を見つけました。
体力的に弱っているので、水面近くにまで浮き上がってしまったのでしょうか。
アブラソコムツは、地方によってその呼び名が変わります。
例えば、静岡県の人々は、アブラソコムツのことをサットウと呼んでいます。
また沖縄県では、インガンダルマやインガンダラメ、もしくはダルマなどと呼ばれていますよ。
台湾では、ヨウユー=油魚という呼び名で知られていて、その魚卵をカラスミのように加工したヨウユーズーが有名です。
クロマグロ・サクラエビと合わせて、東港三宝の名産品として販売されている実績があります。
アブラソコムツをさばいている動画を見つけました。
実際に食べるところまで収められていますが、なかなかのチャレンジャーです。
さばき方は、青物などの他の魚と同様ですが、お腹には寄生虫が入っていることも。
ですので、お腹周りは食べないようにして・・・と言っても、身自体がワックスエステルですから、アブラソコムツを食べる際は、自己責任ということになります。
ムリして食べるのは、絶対にやめておきましょう。
相模湾なとでバラムツを釣っているシーンをとらえた動画は、いくつかアップされています。
同じようにアブラソコムツが釣られているケースも、オフショアの船上では発生しているのでしょう。
市場に出回ることはありませんから、釣り上げてしまった場合に食べるかどうか選択できますよね。
でも口に入れるのは、じっくり落ち着いて考えてからにしましょう。
脱水症状などが伴なうと命の危険もありますから、気軽に食べるのだけはやめてください。
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