バラムツは食べていいの?食品衛生法で販売禁止の深海魚を詳しくチェック
バラムツという名前の魚をご存知ですか? 海中の深い層に生息する魚で、水深400mから800m辺りで泳いでいるとされています。 夜になると浅い層に浮いてきて捕食活動をおこなう習性を持っ…
FISHING JAPAN 編集部深海には様々な魚が棲み付いていますが、その中のひとつであるアブラボウズという魚をご存知でしょうか?
アブラボウズは大きいものでは体長180cm、体重はなんと90kgにまで成長する巨大魚で、人間の大人のサイズを優に超えてしまいます。
実は「全身が大トロ」と言われるほど脂が乗っている魚としても有名で、その味を一度知ってしまうと虜になる釣り人も多いようです。
今回はそんなアブラボウズの生態に迫り、釣り方やさばき方、美味しい食べ方をご紹介しましょう!
目次
アブラボウズは、スズキ目ギンダラ科に分類される海洋魚であります。
深海に生息する大型魚で、通常「ロックフィッシュ」の上位に位置付けられることが多いです。
アブラボウズは体長180cm、体重50~60kgにまで成長する巨大魚で、人間の成人並みの体格をしています。
中には体重90kgを超える個体も確認されているほどです。
体表に白い斑点があるのが年齢の若い個体で、年をとるにしたがって濃いグレーカラーに変わっていく特徴があります。
アブラボウズは漢字では「油坊主」と書き、名前のとおり体の約40%が脂肪分でできています。
この脂肪分はトリグリセリドと呼ばれる中性脂肪の1種で、魚の他肉や食用油などの食品中に含まれています。
アブラボウズは、水深600m前後の岩礁域に生息する深海魚です。
北太平洋の深海エリアに多く棲む魚で、日本の近海でいえば東京・伊豆大島の水深約1000m付近でその生息が確認されています。
日本では見かける機会が少ないため、高級魚として知られています。
巨大なアブラボウズを釣るには、船で沖へ出て深海エリアに仕掛けを投入しなければなりません。
潮の流れの影響が確実に出るので、オフショアのバーチカルジギングスタイルが最も適した釣り方と言えるでしょう。
タックルは深海用のロッドとリールを用意し、エサはスルメイカなどを1匹丸ごと付けて使います。
実際にアブラボウズを釣り上げる様子はこちらの動画をご覧ください。
大手釣り具メーカー・ダイワの船釣りYouTubeチャンネル『DAIWA船【船最前線】』では、アブラボウズ釣りを紹介しています。
アングラーなら誰もが憧れてしまうような、アブラボウズとの格闘シーンは迫力満点です。
実際に使用したタックルや釣り方のコツについても解説されているので、アブラボウズ釣りに挑戦してみたい方は必見です!
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アブラボウズは、タラなどの一般的に市場に出回っている白身魚と比較すると、数倍高い値段の付く高級魚です。
相場としては1kgあたり約2,000円程度になります。
たとえば50kgのアブラボウズであれば、1匹あたり10万円ほどの高値になるでしょう。
高級魚として有名な魚にクエがいますが、過去にはアブラボウズをクエと偽装表示して販売する事件が発生しました。
これはアブラボウズの見た目がクエとよく似ていることが原因で起こったようです。
もちろんアブラボウズもクエと同様、高値で取引される高級魚ですが、時価で約3倍ほど価格差があることから犯罪として扱われたとされています。
クエ。見た目がアブラボウズに似ている。
アブラボウズの肉質は柔らかで、癖のない白身なのが特徴です。
全般的に脂が混じっており、その甘さを十分に堪能できるため、とても美味だと評価されています。
神奈川県や静岡県の港では、「オシツケ」という愛称でよく知られ、積極的に食べられています。
その"オシツケ"という呼び名は、アブラボウズが以前、毒味が必要だったことから、皆で毒味を行う光景に由来しているのだとか。
アブラボウズは、加熱処理をしても肉が固くならないため、いろいろな調理法に用いられます。
アブラボウズは脂肪分が多い魚なので、食べ過ぎると消化し切れず下痢や腹痛を引き起こす可能性があります。
地方自治体によっては、1食につき刺身で60g、焼き身で120g以上を食べないようにと指導しているところもあるようです。
ただ、食品衛生法で販売が禁止されているバラムツやアブラソコムツとは異なり、アブラボウズは体内にワックスエステルを含んでいるわけではないため、販売が認められています。
アブラボウズを食べる際は、程々に味わうようにしましょう。
アブラボウズが丸々1匹手に入ったら、美味しくいただくためにまずは綺麗にさばいていきましょう。
まずはウロコを取り除いて頭を切り落とし、内臓を除去します。
内臓や肝には特に多く脂肪分が含まれており、体調不良を引き起こす原因になりかねないので食べないようにしましょう。
腹部に包丁を入れて3枚に下ろしていきます。
アブラボウズの骨や皮は非常に軟らかく、大きい割にさばきやすい魚です。
ちなみに水揚げして内蔵などを取り除いてから、2~3日寝かせるとさらに美味しく食べられます。
詳しいさばき方については、下の動画を参考にしてくださいね!
様々な魚のさばき方や調理法を紹介するYouTubeチャンネル『にしやん会長 NishiyanFishChannel』では、アブラボウズのさばき方を詳しく解説しています。
下処理から順を追って丁寧に説明されており、実際にアブラボウズをさばく手元が大きく映し出されているので非常に分かりやすいです。
初心者の方でも簡単に真似ることができるので、ぜひこの動画を参考に自分でアブラボウズをさばいてみましょう!
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アブラボウズをさばいたら、早速料理を作っていきましょう。
今回は、アブラボウズの身をふんだんに使った料理を4種類ご紹介します。
どれも簡単に美味しくできる料理ばかりなので、ぜひ挑戦してみてくださいね!
新鮮なアブラボウズが手に入ったら、まずは身そのものの味を堪能できる刺身でいただくのがおすすめです。
まるで大トロのような脂乗りと食感を楽しむことができます。
刺身にする際は、厚めに切り分けるとより美味しく食べられます。
アブラボウズの調理法で特に人気なのが煮付けです。
煮ることでアブラボウズ特有の脂肪分が外に排出され、食べやすくなります。
湯引きしたアブラボウズの身を、酒、醤油、砂糖などを合わせた出汁で煮込みます。
火を通しすぎると身が崩れてしまうので注意しましょう。
焼き物もアブラボウズの脂を適度に落とせるのでおすすめです。
塩焼きは、切り分けたアブラボウズに塩をまぶしてグリルで焼くだけの簡単調理です。
表面の香ばしさと身のふっくらした食感、脂の甘みを存分に感じられますよ。
アブラボウズの味噌漬けは、神奈川県の名産品として親しまれる料理です。
切り身にしたアブラボウズを味噌に漬け込んで焼き上げることで、ジューシーな食感と味噌の旨味を堪能できます。
八丁味噌や西京味噌など、色々と試して好みの味を見つけるのも良いでしょう。
今回はアブラボウズの特徴や釣り方、食べ方について特集しましたが、いかがでしたか?
アブラボウズは巨大な深海魚であまり市場にも出回らないので、身近に感じる魚とは言えません。
しかし、迫力のある魚体を自分で実際に釣り上げて、さばいて食べたときの満足感は計り知れないでしょう。
ぜひみなさんもアブラボウズについて理解を深め、釣りや調理に挑戦してみてくださいね!
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FISHING JAPAN 編集部この記事に関するよくある質問
アブラボウズとは、スズキ目ギンダラ科に属する深海魚です。体長180cm、体重50~60kgにまで成長する巨大魚で、大きいものでは90kgを超える個体も確認されているほどです。体表に白い斑点があるのが年齢の若い個体で、年をとるにしたがって濃いグレーカラーに変わっていく特徴があります。
アブラボウズの身は柔らかくクセのない白身です。全体的に脂が乗っており、その甘味を存分に味わえることから非常に美味とされています。神奈川県や静岡県の漁港では「オシツケ」という愛称で親しまれ、好んで食べられています。アブラボウズは火を通しても身が硬くならないので、様々な加熱料理に向いています。
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