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今年の磯竿はこれで決まり! あの名竿が異次元の完成度を持って生まれ変わった。名手 北村憲一が「がま磯 アテンダーⅢ」で日振島のグレを攻めまくる!
がまかつといえば「がま磯」。
古くから磯釣り愛好家に親しまれ、これまでに数えきれないほどの名竿を生み出してきた。
がま磯の調子として特徴的なのが、魚とのやり取りにおいて、曲がり込みと胴の粘りで魚を怒らせることなく、ジワリと浮かせる「胴調子」と呼ばれるもの。
その「胴調子」の代表格が「がま磯 アテンダー」だ。
「アテンダー」「アテンダーⅡ」はともに名竿として知られ、フカセ釣りシーンをリードしてきた。
その名竿の3代目となるのが、2023年8月にデビューした「がま磯 アテンダーⅢ」である。
初代、2代目のアテンダーファンが待ち望んでいたのも事実で、実際に未発表にもかかわらず、最近は「アテンダーⅢ」という名前を多くのフカセアングラーが口にしていたのも事実だ。
8月26日、テレビ大阪系列で毎週土曜日の朝6時50分から放送されている釣り番組「フィッシングDAYS」では、愛媛県日振島を舞台に名手・北村憲一さんが「アテンダーⅢ」を駆使して、数釣りから良型を仕留めていくトーナメントさながらの釣りが紹介された。
北村の操るアテンダーの操作性、そして、やり取りは見ていても鳥肌が立つような完成度の高さに驚かされた。
名竿の進化は止まらないのである。
目次
名竿が進化を遂げて帰ってきたアテンダーⅢ
北村憲一が語る「がま磯 アテンダーⅢ」の特徴とは…究極の優しい竿?
アテンダーのコンセプトは「対象魚をいかに楽に取り込むか」と記されている。
今回登場した「アテンダーⅢ」も、そのための調子や粘りといったフカセ竿に要求される機能を洗練させた。
さて、日振島での収録時「アテンダーⅢ」について北村さんが感じている部分を教えていただいた。
「もともとアテンダーは、非常に汎用性の高い竿なんですよ。
つまりはフカセ釣りにおいては、万能ロッドという立ち位置だと思います」と北村さん。
汎用性の高さがすごいアテンダーⅢ
磯竿とひと口に言っても、対象魚は口太グレ、尾長グレ、チヌ、マダイなど幅広い。
それぞれの対象魚狙いに特化した竿も登場しているが、アテンダーは逆に幅広い使用用途からターゲットを選ばず、マルチに使えるのが特徴とのことだ。
たとえば、今回のロケでメインに使用したアテンダーⅢの1.5号5.0mに目を向けると、競技会などで主流となる口太グレから、45~50㎝級の尾長グレまでが対象になる。
1.5号でも小型グレとやり取りの際に、竿のオーバースペックを感じさせない柔軟性も持ち、逆に突然やってくる大型グレやマダイ、青物の引きもその胴でしっかりと受け止め、曲がりと粘りで柔軟なやり取りを実現してくれる。
これが「汎用性が高い」と言われるゆえんだ。
そして「もともとアテンダーは、がまかつ独自の胴調子と呼ばれる曲がり込む調子がコンセプトです。
掛けた魚とは強引なやり取りではなく、1秒でも長くやり取りして、釣り人に負荷をかけずに取り込める竿を目指しているのですが、アテンダーⅢはその部分を進化させた、まさに釣り人に優しい竿なんですよ」と語る。
竿の角度を保っているだけで、竿が勝手に魚を浮かせてくれる
元々のアテンダーのコンセプトである「いかに楽に魚を取り込むか」と言う言葉が、釣り人への負担の軽減として現れ、竿のパーツすべてがその方向へ向かって洗練されたということである。
2023年度発売の号数や全長は?
さて、磯竿はその号数や全長など、どのようなラインアップがあるのかが気になるところ。
2023年8月発表された「アテンダーⅢ」のモデルは、メインとしては口太グレを想定した号数だ。
具体的には1.25号、1.5号、1.75号の3号数となる。
そして、それぞれに5.3mと5.0mが設定されていて、全部で6アイテムが発表された。
日振島では1.25号と1.5号を使用
「釣り人の負荷を軽減し、楽に魚を取り込める」ために進化したパーツとしてはまず、穂先を短くした先短設計としている点だろう。
穂先を短くすることで、仕掛けの投入からラインメンディングなどが楽におこなえる操作感抜群の竿に仕上がっている。
やり取りの際にも、穂先が短い分、魚の引きや重量を受け止める部分が広くなるので、突然のアタリでも魚に先手を取られることなく釣り人ファーストでやり取りがスタートできる。
また、振り出し竿の特徴である継ぎの部分にも着目した。
がまかつ独自の継ぎの設計理念ASD(アクティブサスデザイン)の“超”進化系ウルトラASDが搭載された。
継ぎ目の段差を極限までなくし、さらに衝撃吸収性の高い素材を使用することでスムーズな曲がりを究極まで追求した。
まさにコンセプトは「ワンピースロッド」であり「がま磯史上、もっともスムーズに曲がり込む設計である」とも言われている。
ほかにも、リールシートにはカーボン含有樹脂「タフライト」を採用し、軽量化と剛性の向上を実現。
さらにシボ加工を施し、ブレないしっかりとした握り心地を実現した。
握りやすく、ぶれないタフライト使用のグリップ
竿尻には新型のラバーグリップを採用。
握る際のフィット感はもちろん、片手でのやり取りの際には竿尻が滑って肘からズレるのを防ぎ、腹など身体に竿尻を当ててのやり取りでもしっかりホールドしてくれる。
握りやすく、ズレないグリップエンド
これらすべてが「釣り人に優しく、楽に魚を取り込める」コンセプトを助ける機能に繋がっているのはいうまでもない。
初夏の日振島で実釣。横島の北の中では悪条件下を操作性で完全に制覇
さて、愛媛県日振島への釣行は5月下旬。
春グレの終盤、そして梅雨グレの走りといったところだが、2023年の四国方面は各エリアともにグレの調子が良くなかった。
あちこちと情報を聞いてみても芳しい返事はなく、唯一日振島だけが「状況は良くないがなんとかなるでしょう」という前情報だった。
早朝の出船時に北村さんと船長が選んだのは、横島の北の中。
釣り座の30~40m沖には左右に湧き上がりが発生して、右側のワンドからの払い出しが湧き上がりに向けて流れる。
狙いは湧き上がりの向こう側ポイントへの遠投だ。
ワンドから払い出す流れに乗せて、マキエとサシエを流す。
潮筋から外れないようにするためには、アテンダーⅢのラインメンディング性能にかかっている。
投入などの操作性も抜群
ただ、流れの中には流れ藻やゴミが数多く浮いていてラインに絡みつく。
釣り座をかえ、少し流す筋をかえてみるが、本命視するポイントからはズレてしまう。
道糸にゴミが絡みつくよりはマシ…と、釣り座をかえて潮筋に浮遊物がない流れを見極める。
沖に浮く浮遊物をかわして流していける筋を探す
ウキは「6-6(仕掛け落とし用オモリがG6、ハリス用オモリがG6の設定)」に、オモリはG4。
ウキ下は竿1本でスタート。
すぐさまアタリが出るが、25cmほどのイサギ。
北村さんは「イサギはグレ同様、潮筋に居るので、群れが大きいと厄介なゲスト」と言う。
その通り、イサギが連発する。
そこで、再び釣り座をかえて、違う潮筋に仕掛けの流れを設定する。
すると35cm級の口太グレがヒット。
寄せる際の魚が暴れないさまは、まさにアテンダーⅢの胴調子がなせるワザだ。
イサギに続いてヒットしたのは、35cmクラスの口太グレ
良型とはいえ30㎝級のグレだが、手前に来ると突っ込み、重々しい抵抗を見せる。
この重量感も、グレ釣りの醍醐味である。
その重量感を、胴から曲がる粘りで引きを受け止めて浮かせる。
北村さん自身は、じっと竿の角度を保って安定させる静かなやり取り。
これが釣り人に優しい竿のやり取りなんだ…と実感した。
イサギも混じるが、順調にグレを仕留める中、突然今までとは違う重量感が襲ってきた。
沖でウキがスーッと沈み込み、大きくアワせた瞬間に「アテンダーⅢ」が胴から曲がる。
強い引きを余裕でかわす北村さん
竿の角度を保っていると、魚が暴れることなく寄ってくる。
そして、足元でかなりの抵抗を見せるが、ここでも北村さん自身は「余裕あり」といった感じで竿でためる。
浮いてきたのは40㎝を軽く超す口太グレ。
計測すると46cm。
不調といわれている中での釣果に「ホッとしました~」と北村さん。
見事46cmのグレをキャッチした
大崎の地で木っ端グレの集団から正確な仕掛け&マキエ投入で良型グレを連発
次の場所は「大崎の地」。
釣り座から沖に向いて右は浅く、左が深いのが目で見ても分かる。
潮はゆっくりと流れるが、右、左と安定はしない。
マキエを一定のポイントに撒きつつ、仕掛けの投入地点を変えてグレを探す。
「このポイントは、グレのサイズはそんなに大きくないけど、魚影がめっぽう濃い。35㎝クラスが引っ張り出せれば成功でしょうね」と北村さん。
まるで競技会での釣りとなりそうだ。
そこで、竿はワンランク号数を落として「がま磯 アテンダーⅢ」の1.25号5.0m。
開始早々から木っ端グレが入れ食い状態で、マキエを打つほどにグレが沸いてきて木っ端グレをかわす戦略が必要になる。
ポイントを変え、潮筋を変えながら少しずつサイズアップを図る。
時折30㎝を超すような「ここでは良型」が登場し始め、マキエの下には少し大きめのグレも姿を現し始めた。
次々に竿が曲がるが、小型グレのオンパレード
マキエとサシエをかなりズラし、マキエが流れるかなり先で、サシエとマキエの同調を図る。
良型のグレはマキエがかなり沈んだやや深いタナでエサを拾っているようだ。
少しでも投入点がズレると木っ端グレの餌食になるので、正確なマキエと仕掛けの投入を繰り返すのが、まずは最優先課題。
ここでもアテンダーⅢの短い穂先から繰り出される正確無比な操作性が功を奏している。
ただ、同じヒットポイントが続かず、しつこく流すと木っ端グレが出てくるので、時々ポイントを大きく変えて攻めてみると、少し深いエリアでウキが瞬時に消えた。
ついに良型グレの引きをとらえた
アテンダーⅢが心地よい弧を描いてグレの重量感ある引きを受け止める。
水面に浮いてきたのは35cm級の口太グレ。
木っ端グレの中から引きずり出した35cm級のグレ
以降も30~32㎝が良いペースで釣れ、最終的には好釣果で釣りを終えることができた。
●交通:松山道の宇和島朝日ICで下りすぐを右折。
突き当たりを右折して左手に港が見えてきたら、その先を左斜めへ進み突き当りの護岸横に駐車場がある。
生まれ変わった伝説の銘竿 日振で口太グレを釣る
●問い合わせ:渡船よしだ屋(TEL:090・7781・4755)
※当日の様子は、テレビ大阪youtubeフィッシングDAYS「生まれ変わった伝説の銘竿 日振で口太グレを釣る」https://youtu.be/l9NQ79Fo6Go
で視聴できます。
(文・写真/松村計吾)
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ライター紹介
松村計吾
大学で水産無脊椎動物の研究を経て、釣り出版社に入社後、30年以上釣り雑誌や釣り情報紙の編集を手掛ける。取材などで釣りの現場に出ることはもちろん、休日などのプライベートでも常に釣りシーンにハマっている。得意な釣りは船のテンヤタチウオ、カワハギ、エギング、イカメタルなどだが、日本全国を飛び回りあらゆる釣りを経験。ちなみの甲子園の年間シートも所持。甲子園でのビール消費量も球界一とか・・・。