「潮」の話、ついていけてる?二枚潮や潮目などその仕組みや意味を徹底解説!
釣り人や船頭さんの会話の中に、しばしば登場するのが潮の話ですよね。 たとえば今日は潮が悪かったから魚が食い渋ったとか、二枚潮になったので底が取れずに苦労したなんて話を聞いたこと…
FISHING JAPAN 編集部海釣りでは潮汐を気にして釣りに出かけることがマストになりますが、湖では一体どうしていますか?
湖は海と比べると潮汐による水位の変動が大きくなく、目で見てもほとんどわかりません。
それは一体なぜなのか、確認していきましょう。
地球に潮汐があるのは、直径が1万数千㎞もある地球の面積の7割近くを占め広大な海が有るからです。
陸地の2倍以上もある大海なので太陽や月から受ける引力の影響も大きいと考えられます。
潮汐が起こる主な原因は、月と太陽が地球に及ぼす引力と地球が月と地球の共通の重心の周りを回転することによって生じる遠心力を合わせせた「起潮力」と呼ばれる力によって引き起こされるものです。
ですから海水と淡水の違いはあっても、どちらも液体なので日本一大きな琵琶湖にも潮汐はあるのですか、と聞かれたとき、答えはやはりイエスでしょうね。
原理的には潮汐があってもおかしくはないのですが、その現象が余りにも小さく、人の目では確認できないほどの変化しかないために「琵琶湖にも潮汐はあります」と堂々と答えられないのだそうです。
ある物理学者が宇宙空間に琵琶湖ぐらいの大きさの丸い水の塊が浮いていると仮定して、どれぐらい起潮力の影響を受けるか計算してみたことがあったそうです。
それによると直径が琵琶湖の水平径100km程度の水塊だと、最大でも1cm程度、直径が琵琶湖の鉛直径100m程度の水塊だと最大でも0.01mm程度の水位の変化しか起きないそうです。
これは琵琶湖に潮汐があったとしても、その動きを目で確認できるほどは大きくないため、潮汐はないに等しいと言えるそうです。
それよりも風の吹き寄せで水面が盛り上がる水位の変化の方がずっと大きくて分かりやすいそうです。
ただ、琵琶湖の何倍もの大きさがある巨大湖では、もう少しはっきりした潮汐が見られるようですね。
アメリカとカナダの国境に沿って広がる五大湖では、潮汐による水位の変化は4、5cm程度はあるようですし、黒海やバイカル湖でも潮汐は見られるそうです。
バイカル湖よりも広大な日本海は、もちろん湖ではなく海ですから潮汐はあるのですが、太平洋岸に比べて潮高差が非常に小さく、干満の差が僅か数10cmという日も珍しくありません。
なぜそうなるのか?答えは日本海が大きな湖のようなものだからです。
日本地図を広げて日本海をよく見てください。
日本海が外海と繋がっている地点は北のタタール海峡、宗谷海峡、津軽海峡の3カ所と南の対馬海峡しかありません。
このように出入口が狭い4カ所の海峡と繋がっているだけなので、干潮になると日本海の水は低くなろうとしますが、外洋と繋がる出入り口が余りにも小さいため潮の出入りに時間がかかり、なかなか水位が下がらないのです。
そうこうしている内に今度は上げ潮に変わり水位は上昇に転じるのですが、入り口が小さく外海から入ってくる潮の速度が遅いために水位がなかなか上がらず、潮高差が小さくなってしまいます。
では、日本海よりも規模が小さく出入口も小さい瀬戸内海で、太平洋岸と同じように潮高差があるのは何故でしょう。
これは瀬戸内海が潮が流れ込みやすく、吐き出しやすい地形をしているからだそうです。
こうして考えてみると、湖で潮汐が起きるのは、相当広い水面を有しているところで、色んな条件をクリアしたところでないと起きないということが理解できますね。
広大なダム湖や湖に棲む魚は数多くいますが、釣りの代表的な魚種に絞り込むと、海ほど種類は多くありません。
ワカサギやヘラブナ、コイなどの他に放流されて日本全国に広がったブラックバスぐらいでしょうか。
ただ、大きな湖沼やダム湖のような場所に棲む魚のなかには、大昔に封された魚の子孫や海と川を行き来していた魚の子孫が今でも昔と変わらない生活を送っています。
それはダム湖や湖を海と考え、湖と川を往復しながら生活している魚たちです。
最も身近な魚を例に挙げるとアユです。
アユは河口で産卵し、ふ化した稚魚は海へ下って育ち、10㎝ほどの大きさになると再び川を遡って成魚に育つのです。
これと同じサイクルで生活するのが琵琶湖特産のコアユです。
コアユの故郷は海になぞらえた琵琶湖なのです。
琵琶湖のコアユは、湖岸で産卵し川を遡らないグループと、琵琶湖に流入する川を遡って普通のアユと変わらない大きさの育つグループに分かれますが、どちらも湖産アユとして大事に扱われています。
琵琶湖のコアユと同じ現象が、各地のダム湖などでも見られますね。
河川に放流されたアユが河口で産卵してダム湖で育ち、春になると川へと上って来る例が日本各地にあります。これはダム湖産のアユですね。
また、琵琶湖には渓流魚であるアマゴの降海型だといわれるビワマスもいます。
この魚も成魚になると川の上流まで遡って産卵し、ふ化した稚魚は琵琶湖へ下って大きくマスへと成長する琵琶湖の特産魚なのでビワマスと名付けられました。
ヤマメの降海型であるサクラマスやアマゴの降海型であるサツキマスなどは、いまでも川と海を往復しながら大きく育つグループがいますが、海ではなく大きなダム湖や湖を海だと思って川を下り大きく成長するグループもいるのです。
河川で育つヤマメやアマゴと違って湖沼産のグループは、河川産よりずっと大きく育つため、これらの魚はルアーフィッシングが好きな人たちの憧れの魚でもあるのです。
このような湖沼の釣り場は山間部に多いため、出かける前に天気予報を見てしっかり天気を把握してから出発しましょう。
山間部は特にお天気の変化が激しいからです。
また、湖はさほど水位の変動が大きくありませんが、ダム湖の場合は放水するなどの関係で水位の変化が激しいので、出かける前に必ず現地に問い合わせすることです。
少しづつ水位が上がる場合は、さほど釣りには影響はありませんが、急激に水位が下がると食い渋る魚が多いからです。
湖沼の釣りは、透明度の高いフレッシュウオーターの釣り場が多いので、そこに棲む魚たちも警戒心の強いものが多いですね。
ですからピ-カンの日に出かけるより、曇天や小雨が降る日、少し風があって水面が縮緬皺に覆われるような日が釣りにはベストだと思います。
ぜひ釣り人のみなさんも、上記のことを参考に湖の釣りに出かけてみてはいかがでしょうか。
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