今さら聞けないカサゴの釣り方特集！夏の新子はどうやって釣るの？

冬に接岸して産卵をおこなうカサゴ、それが孵化して新子のカサゴとして漂い始めるのが、夏です。

まだ20cmにも満たないサイズですから、釣れたらリリースして大きくなるのを待ちたいところですが、他の魚と一緒に釣れる確率が高いのも事実。

どんな場所をどんなふうに誘えば、カサゴは反応してくるのでしょうか？

夏のカサゴは、生まれたての新子であることがほとんどです。

体長は20cmにも満たないサイズで、岩礁帯やテトラ・シモリの絡んだ砂浜など、比較的波の穏やかな場所でまとまって泳いでいます。

群れを形成しているほどではないように感じますが、アオリイカに齧られたり、シーバスに追いかけられたりしていますから、単体行動というわけにもいかない感じが伝わってきます。

日照に弱いのは成魚と同じで、日陰となる岩礁の隙間などに潜んでいて、時折オープンな場所へゆらゆらと出てきています。

こういう状態の夏のカサゴを釣るのは、ルアーが適切かもしれません。

試しにジグヘッドにアジングゲーム用のストレートワームを装着。

軽くキャストしてテンションフォールさせていくと、ググッと引っ張られる感触が。

カサゴが食い付いてきたのか！と思い、強めのフッキング。

揚がってきたのは、半分に切れたストレートワームだけでした。

その後数回キャストしても、ストレートワームが欠けていくだけ。

ようやく魚らしい引きが手元に伝わって、喜んで揚げてみると、フグでした。

フグは、水温が上がると、カサゴが棲み付くのと同じ場所に定着します。

俊敏に移動し、鋭い歯で噛み付いてくるので、柔らかい素材のストレートワームは、そのカタチをとどめることができません。

いわゆるエサ盗りの存在が、夏のカサゴ釣りの邪魔をしてきます。

フグ以外には、ベラがエサ盗りとして知られています。

かなりの数のフグとベラが居て、その中にカサゴが泳いでいる状況になっていますから、何とか克服しないと釣りが成立しないでしょう。

ワームだから切られるので、切られないものを代わりにジグヘッドに装着してみるのがベストです。

果たして、ワームの代用品は存在するのでしょうか？

カサゴ釣りを楽しむ上で、フグやベラをかわす必要があります。

その際にジグヘッドに装着したいのが、引っ張ってもカンタンに切れないものです。

スーパーの鮮魚売り場に出向いて、イカを探してください。

イカの本体部分を短冊にカットするより、もっとカサゴのエサに適した部位があります。

それは、ゲソ。

イカの手足の細長い部分を、ワームに見立てるのです。

そうすれば、ジグヘッドにも装着しやすいですし、水中で艶めかしくアクションしてくれるでしょう。

実際にゲソを持参して、海へ出向いてみました。

日陰の岩礁帯に隙間に潜んでいるカサゴの目の前へ、ジグヘッド＋ゲソを投入。

やはりカサゴより先に、フグが接近してきました。

ゲソに噛み付いて引っ張っているものの、すぐに身切れしてしまうことはありません。

そのうちカサゴに順番が回ってきて、口の大きなカサゴがゲソを丸飲みしてしまいました。

かなり有効に使えるので、ぜひスーパーなとでイカのゲソ部分を購入して、エサとして活用してみてください。

ちなみに、旨味調味料をまぶして冷蔵庫に保管してから使うと、アミノ酸の効果で集魚力が高まります。

カサゴをルアーで釣りたいなら、おすすめのアイテムがあります。

それは、スプーンやマイクロサイズのメタルジグです。

金属製なのでとても硬く、フグの歯に負けてしまうことはありません。

これらのルアーをキャストして、ボトムまで沈めてください。

そのままズル引きすると根掛かりしてしまいますから、ボトムを切った状態でリトリーブを繰り返します。

実はこの動かし方がとても厄介で、どこまでなら根掛かりしないか、判別しにくいです。

そこで最初の数投に関しては、フックを外してキャストしてください。

そうすれば、どの辺で接触が発生するか、手元で感じ取ることができます。

無駄にルアーをロストせずに、効率よくカサゴ釣りを押し進めてみましょう。

カサゴの釣りを楽しむのに向いている、おすすめのタックルをご紹介しましょう。

ロッドは、ロングキャストしやすい、しなやかなスピニングロッドがマッチします。

リールは、2000番サイズ以上のライトラインを扱いやすいスピニングリールがいいでしょう。

ダイワからリリースされているメバリングゲーム用スピニングロッド・メバリングXシリーズの中から、78L-Tを選んでみました。

全長は2.34mと長めなので、軽くロッドを振って飛距離を伸ばすことができます。

2ピース仕様で、仕舞寸法は121cmにまで縮まります。

ウエイトは120gで、ブランクスの先径/元径は1.3/9.9mmです。

適合するルアーウエイトは、1gから10gまで。

これならジグヘッド+ゲソやスプーン・マイクロメタルジグに活用しやすいでしょう。

適合するラインは、モノフィラメントラインなら2lbから6lb、PEラインなら0.15号から0.4号が使えます。

ブランクスのカーボン素材含有率は、87%になっています。

実際に手に取ってみると、とてもしなやかで適度な張りが備わっているという印象を受けました。

継目部分の曲がりも素直なので、負荷が掛かってもきっちり曲がり込んでくれます。

ガイドにはラインが絡まりにくく、手返しのいい連続キャストでポイントを攻めることができるでしょう。

実売価格は7千円台と、とてもコスパ優秀な価格帯に収まっています。

メバリングゲーム用ですから、カサゴの釣りにもぴったり合います。

どんなロッドがいいのか探す際には、他魚種の専用ロッドに目を向けるのがベターでしょう。

ダイワから発売中の軽量スピニングリール・フリームスLTシリーズの中から、2000番サイズのエクストラハイギアモデルを選んでみました。

ギア比は6.2対1ですから、ハンドル1回転につき81cmのラインを巻き取ることができるようになっています。

最大ドラグ力は5.0kgで、ウエイトはなんと185gしかありません。

ラインキャパは、モノフィラメントラインなら2.5lbを200m、PEラインなら0.5号を170m巻くことができます。

ハンドルの長さは40mmで、ボールベアリングは5個採用しています。

実際に釣り場て使ってみると、とてもコンパクトで扱いやすい印象を持ちました。

各部の回転はスムーズそのもの、キャストもやりやすく手返しのいいアプローチを繰り出せるでしょう。

実売価格は1万円台と、とても低価格に設定されているのが嬉しいです。

カサゴ釣りには、細いPEラインを用いることが多いので、先端にはショックリーダーラインを結んで、根ズレ対策を万全にしてください。

ルアーや仕掛けを素早く沈めたいなら、比重の高いフロロカーボンラインを結ぶことをおすすめします。

カサゴの釣りの仕方やエサを盗まれない方法、そして推奨するタックルを紹介させていただきましたが、いかがでしょうか？

特に初級者には新子サイズのカサゴが適しており、エサとルアーの両方に反応しやすいので、釣りのテクニックを磨くには最適な対象魚となります。

大きくなるのは冬とその前後がメインで、スピードは緩やかです。

もし小さなカサゴが釣れた場合は、リリースして生態系を保護することが大切です。