スナヤツメのアップ写真

スナヤツメってどんな生き物か知ってる?淡水に棲む絶滅危惧種

FISHING JAPAN 編集部

淡水に棲んでいるスナヤツメという生き物、見たことがありますか?

細長くて、水中の底の辺りをウネウネ泳いでいます。

泳いでいるからといって、魚ではありませんし、ウナギの亜種でもありません。

ここでは、スナヤツメの特徴や生態についてご紹介しましょう。

「蒲焼きにすれば美味しそうに見えるんだけど!」

いやいや、絶滅危惧種に認定されていますから、獲って食べるなんてやめてください。

スナヤツメとは

スナヤツメとは、ヤツメウナギ目ヤツメウナギ科に分類されている、淡水生物のことです。

魚ではないので、釣りの対象にはしないでください。

口は下側に付いていて、円形になっているのが特徴的です。

しかも吸盤のようなカタチで、魚に備わっているアゴとは異なります。

また胸びれや腹びれも突き出ていないので、この点でも魚ではないことが分かるでしょう。

成長すると、約20センチ程度の大きさになります。

スナヤツメは、環境省が指定するレッドリストに、絶滅危惧種として掲載されていますよ。

カタチが似ている生き物に、カワヤツメがいます。

カワヤツメとの違いは、尾の部分に表れています。

黒い色素が発生しているほうがカワヤツメで、スナヤツメには黒い色素がほとんど見られません。

スナヤツメの生息地をチェックしてみましょう。

北海道や三浦半島・伊豆半島には生息しておらず、本州・四国・九州の一部に分布しています。

河川が流れているエリアで、中流域から下流域でその姿を見ることができます。

水路などの流れの遅い場所のほうが、発見しやすいかもしれませんね。

スナヤツメは、冷水を好む習性を持っていて、水温25℃以下でないと生息は難しいでしょう。

ということは、もし捕獲して飼育することになれば、温度管理は慎重に注意深くおこなわなければなりませんね。

スナヤツメは幼生のとき、泥の中で暮らしていて、微生物の死骸や藻を食べています。

体長が14センチほどになると、成体に変わります。

なんと、身体から消化系が無くなってしまい、産卵まで何も食べなくなりますよ。

そしていよいよ産卵を迎えたら、その終了後に息を引き取ってしまうのです。

スナヤツメを丁寧に飼育しながら分かりやすく生態を解説している動画はこちら

スナヤツメを飼育する際の注意点!

スナヤツメを飼育してみましょう。

あまり大きな水槽は要りませんが、濾過装置と水温調整用のサーモ器具は設置しなければなりません。

前述のように、スナヤツメは冷水性なので、水温が25℃を超えるような環境では、生きていけないのです。

餌は、成体になると食べません。

幼生のときには、他の淡水魚と一緒に飼うようにして、魚の食べ残しが沈んでいると、捕食しているときがあります。

また水槽に生える藻類も食べるので、ほぼ餌要らずの飼育になりそうですね。

スナヤツメを捕獲する方法!

スナヤツメを捕獲してみましょう。

出かける先は、小規模な水路ですが、できるだけ水質の美しい場所を選ぶようにしてください。

汚れた水質では、スナヤツメを見つけることは、ほとんど難しいでしょう。

用意するものは、いわゆるガサガサ捕獲に用いるような、網目の細かいランディングネットです。

シラサエビをすくうような、ハンディタイプでもかまいませんよ。

水深の浅い水路に、長靴を履いて立ち込みます。

そして岸際をランディングネットでガサガサ、これを繰り返すと、運が良ければ捕獲することができるでしょう。

でも絶滅危惧種なので、少しの時間観察できたら、そのままリリースしてあげてくださいね。

水田に棲むスナヤツメをとらえた動画はこちら

スナヤツメを捕獲するのに使ってみたいおすすめアイテムを選んでみた!

スナヤツメを捕獲するのに使いたい、おすすめのアイテムを取り上げてみましょう。

まずは、ランディングネットから。

大きいものや小さいものを、複数現場に持ち込んでおけば、状況に合わせて使い分けできるでしょう。

幸運にもスナヤツメを捕獲できたら、すぐに水汲みバケツへ移して観察してくださいね。

側面が透明クリアなタイプなら、詳しく観察しやすいでしょう。

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プロマリンブランドから発売中の、金魚を移動させるのにすくえる網です。

枠のサイズは、Lサイズで125×150ミリ。

全長は、370ミリに設計されています。

網の目か細かいので、スナヤツメをすくっても逃げられてしまうことはないでしょう。

実際に手に取ってみると、グリップは握りやすく、操作性はバッチリです。

使い方は、まず長靴を履いて水路に降り立ちます。

あまり深い場所を選ばず、岸際の草が水面に浸かっているようなところを探してください。

見つけたら片足を伸ばして、その草の下辺りを何度か踏みしめます。

波が起こって泥が舞い上がり、踏み入れた足のそばに居た生き物は、足から離れようとします。

それを先に網を水に浸けて、待ち構えて捕獲するのです。

もっと大きな網のほうが、たくさんの生き物を獲れるように感じるでしょう。

でも網目が荒くなり、隙間から逃げられてしまいます。

またあまりに大きな網を水中に入れると、それだけで生き物にプレッシャーを与えてしまうことに。

この金魚網程度のサイズのほうが、プレッシャーを抑えながらスナヤツメの捕獲を実践しやすいでしょう。

実売価格は100円台と、とても安い価格帯に設定されていますよ。

これなら複数個入手しておけば、もし引っ掛けて破れても、別の網を利用することができますよね。

ガサガサを実施する際の注意点は、立ち込むエリアの水深を、しっかり把握することです。

深い場所に立ち入る必要は、全くありません。

浅い場所を棒などで突きながら丁寧に探して、捕獲作業をするようにしてください。

浅くても転倒すると危ないので、ライフジャケットは着込むようにしたいですね。

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ビセオブランドからリリースされている、水汲みバケツです。

前面が透明クリアになっているので、中に水を入れてスナヤツメを泳がせながら、じっくり観察することができますよ。

本体サイズは、W20×D20×H23センチです。

本体材質はEVAで、ロープ材質はPPになっています。

オモリが本体に付いていますから、足場の高いところからでも水入れ作業をスムーズにおこなえます。

ファスナー開閉式のメッシュフタが、上面に装備されています。

スナヤツメを入れたまま、カンタンに水切りしたり、水を加えたりできますよ。

長さ8メートルのロープが付いているので、水汲み作業がはかどるでしょう。

またロッドホルダーが側面にありますから、小型のランディングネットなら置いておくことも可能です。

実際に手にしてみると、とてもコンパクトで使い勝手のいい印象ですね。

中の観察もしやすいので、スナヤツメ以外の生き物や魚も、じっくり観てみたくなります。

実売価格は2千円前後と、とても低価格な設定に収まっています。

釣りでも使えるアイテムなので、1つ持っておけば何かと重宝するでしょう。

上フタのメッシュの隙間から、スナヤツメが逃げないように注意してください。

スナヤツメの生態を把握してじっくり観察してみよう!

スナヤツメの特徴や生態、捕獲に用いたいおすすめアイテムをご紹介しましたが、いかがでしたか?

昔は水田が広がっているような場所なら、スナヤツメの姿をよく見かけました。

どんどん環境が変化して水質が悪くなってきましたから、市街地近くでスナヤツメを見つけることは、極めて困難かもしれません。

クルマを走らせて、田舎の水田地帯にたどり着いたら、現地の農家さんに許可をもらって水路へ足を踏み入れてみましょう。

スナヤツメ以外にも、昔懐かしい生き物に出会えるかもしれませんよ。

ゲンゴロウやミズスマシなら、観察した後でそっとリリースしてあげたいですね。

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