幸栄丸で釣れたスジイカ

同じ8月30日、4隻で差がついたのは腕か船か|釣果表は「幅」を見ると船選びが変わる

FISHING JAPAN 編集部

8月30日の釣果表を並べて、まず目に入るのは280匹という数字だろう。だが船を選ぶうえで本当に見るべきなのは、最大値ではなく幅のほうだ。

茨城県鹿嶋市・鹿嶋旧港の幸栄丸は、スジイカ20〜25cmが1人あたり20〜280匹。上と下で14倍の開きがある。

東京都品川区の小林丸は、シロギス14〜22cmが1人10〜60匹。こちらは6倍。イシモチやアジも交じった。

静岡県沼津市・久料港の魚磯丸は、マダイ1.40kgが船中1匹。乗った全員が同じ結果だ。倍率でいえば1倍にあたる。静岡県伊東市・宇佐美港の治久丸では、良型のアコウとヒラメ1.50〜3.00kgが上がっている。

この14倍と1倍の違いは、腕の差そのものではない。釣りの種類が持つ性質の差だ。

スジイカやシロギスのような数釣りは、投入回数と手返しがそのまま結果になる。仕掛けを海に入れていた総時間が長い人が勝つ。だから個人の技量と、その日の体調が大きく効く。

一方コマセマダイのような一発勝負の釣りは、船長がどこに船を着けるかでほぼ決まる。全員が同じポイントで同じ潮を釣るので、差がつきにくい。

ここから船選びの指針が出てくる。まだ慣れていない人は、幅の小さい釣りから入るほうがいい。船長の腕に乗せてもらえるからだ。逆に自分の工夫を結果に反映させたい人は、幅の大きい釣りを選ぶ。同じ船で自分だけ数を伸ばす余地がある。

もう一つ、幅を見るときの注意がある。最小値が必ずしも「最後まで釣った人の数字」とは限らないことだ。幸栄丸の記録には、20匹ほどは船酔いによる途中リタイアがあったと書き添えられている。夜通しの船では珍しくない。下限だけを見て「自分には無理そうだ」と判断するのは早い。

治久丸のように、1人あたりの数が記録されていない船もある。この場合は幅では読めないので、上がった魚のサイズと魚種の並びを見る。良型が複数出ているか、それとも一発だけか。そこに船の状態が出る。

釣果表を開いたら、見る順番を決めておくと迷わない。まず魚種と時期が自分の狙いに合うか。次に幅を見て、その釣りが腕で変わるものか船で決まるものかを判断する。竿頭の数字を見るのは最後でいい。最小値と最大値の間隔こそが、その船に乗ったときの自分の立ち位置を教えてくれる。

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