アコウダイ 男性 釣り船 海

深海に潜むアコウダイを狙え!マストアイテムは深海釣り専用竿と超大型電動リールにあった!?これであなたも深海魚に出会えます!

FISHING JAPAN 編集部

釣り人の皆さんは、深海という言葉からどんな光景をイメージしますか?

一条の光も差さない暗黒と沈黙に支配された世界、そんな神秘的情景でしょうか。

ところが実際は大違いで、海底近くや中層はさまざまな光源に満ち、騒音と表現してもおかしくないほど雑多な音で満ちあふれた世界だと言われています。

では、深海とはどれぐらいの深さの海を指すのでしょうか。

海洋科学の分野では、日本列島を取り巻く大陸棚よりもさらに深く、水深200mを超える海域となっています。

そこに棲息する魚は深海魚と呼ばれて、代表的な魚種がキンメダイやアコウダイです。

そこで今回は、釣り人にも人気のアコウダイにスポットを当て、その生態や釣り方などを紹介していきましょう!

大型電動リールとPEラインの誕生によって深海釣りが花開いた!

水深200mを超える深い海に住む魚には、1平cm当たり21キロもの水圧がかかると言われています。

なので深海魚は人の想像を絶する水圧に耐えて生活しているわけですね。

なぜ、これほどの水圧に耐えられるのか?

それは魚の体の大部分が水分や脂肪などで出来ており、空気がほとんどないからだといわれています。

固体や液体は水圧に強いのですが、空気のような気体は、何十気圧もの圧力がかかると潰されてしまうのですね。

だから、肺などにたくさんの空気を持っている人間は深海には潜れないのです。

かつてこのような深海は職漁師の漁場で、釣り人にとっては夢の釣り場でした。

しかし、大型の電動リールが誕生し、伸びのないワイヤライン、その後にPEラインなどが次々と開発され、次第により深い海へと釣り場が広がっていったのです!

深海釣りと呼ばれる釣法が初期の頃、水深200~300mラインで釣れる対象魚はチカメキントキやウッカリカサゴ、イズカサゴなどでした。

しかし、さらに400~600mの深海が狙えるようになると、キンメダイやアコウダイが脚光を浴びるようになったのです。  

アコウダイは、目に鮮やかな緋色の魚体をした、フサカサゴ科メバル属の魚で、大型は60cmを超える大きさになります。

釣り上げると水圧の関係で目が飛び出すものがいるため、メヌケ(目抜け)とも呼ばれますが、北の海ほど仲間が多い魚ですね。

千葉県の銚子沖から紀伊半島沖で釣れるものはアコウダイとホウズキの2種ですが、紀伊半島から四国の室戸岬沖にかけてはホオズキが多いようです。

両種とも外見はそっくりなので、漁師も釣り人も名前を区別せずアコウダイと呼んでいますし、味もほとんど変わらないといわれています。

産卵期がアコウダイ釣りのベストシーズン

アコウダイは普段、水深500~700mの深海で生活していますが、1~3月の寒い時期に水深300~400mの底に移動し産卵するため、この時期が釣りのベストシーズンになります。

この釣りには、300~400号のオモリが掛けられる、太くてごつい深海釣り専用竿に、10~12号のPEラインが最低1000m以上巻ける超大型電動リールが必要です。

レンタルタックルを置いている船宿が多いので、初心者はいきなり道具を揃えずにレンタルタックルを使ってどういう釣りかを経験してみる方がいいでしょう。

道糸の先にヨリ取りリングやヨリ取りチェーンを付け、その先にハリ数10~15本の胴突き仕掛けをセットします。

胴突き仕掛けは幹糸15~20号、ハリスは14~16号でムツバリの20~22号を結びます。

エサはイカの短冊やサバ、カツオなどの切り身を刺し、船端に並べて船長の合図を待ちます。

この釣りは、自分勝手に仕掛けの上げ下ろしをやると必ずお祭りするので、船長の指示に従うのがルールです。

潮の流れを見ながら船長の合図に従って順番に仕掛けを入れたら、底まで下ろしアタリを待ちます。

ひと流しで1時間以上もかかる釣りなので、一日4、5回しか仕掛けが下ろせないスケールの大きな釣りでもあります。

ときどき底を取り直しながら少し底を切ってアタリを待っていると、500mの深さからでもはっきりと分かるアタリが伝わってきます。

一度でいいから見てみたいアコウダイの提灯行列

アタリが出たらすぐには上げず、少しずつ糸を出すか、反対にゆっくり巻き上げながら追い食いさせます。

こうして何度かのアタリをため仕掛けを巻き上げていくと、水圧の関係で途中から魚が浮いてきます。

はるか彼方の水面に突如、鮮やかな緋色の魚体が浮いてくるので、それを、ひとつ、ふたつと数えながら待つのがアコウダイ釣りの醍醐味であり、この釣りの面白さでもあるのです。

釣り人は、お腹を上にし何尾も浮いた魚を見て、”アコウダイの提灯行列”と表現しましたが、まさに、言い得て妙ですね。

ただ、最近では釣り荒れ気味なのか、なかなかこの提灯行列にお目にかかれないのが現状ですね。

アコウダイは骨の髄までうまい!

引き上げたアコウダイは、惜しみなく全て食べ切り、貴重な命をいただきましょう。

特別に冬季には鍋が最適です!

ちり鍋やすき焼き、煮込みなど何にでもマッチし、美味しい出汁がでるため、箸が休まりません!

大胆に兜も開けて鍋に投入し、パリパリとした歯ごたえのある頬の肉を楽しんでください。

この魚は皮と身の間に旨みが潜んでいるので、刺身にする時は皮を引かず、焼き霜造りが美味しいですよ!

釣り人の皆さん、ぜひ深海釣りでアコウダイを狙って、魚の旨味をまるごと味わってみてください!

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