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チビムロ回遊でいよいよ本番 激アツ!銭洲のカンパチ
銭洲は南伊豆石廊崎から約70kg南にある好漁場で、釣り師憧れのフィールドだ。
そんな銭洲では浅場にチビムロと呼ぶ小型のムロアジが回遊し、夏秋の好シーズンに突入した。
全長20cm程度のチビムロは、カンパチとしてはお手ごろサイズの5kg前後が積極的にアタックしてくるから、泳がせ釣りビギナーにもチャンスがある。
もちろん、大型にも効くからこの時期を楽しみにしているファンは多い。
南伊豆下田須崎港を午前2時前に出船、南進する宝栄丸の冷房の効いたベッドでしっかりと休んで6時過ぎに起き出すと、銭洲のシンボルでもあるネープルスが迎えてくれる。
まずはエサのムロアジ釣り。
取材日のムロアジはチビムロというよりは中ムロがメインだったが手早く各自20尾ほどキープして泳がせ釣りへ。
「水深35m、下から10mくらいまで探ってください」と土屋佑二郎船長の合図で7時にスタート。
開始直後に2人同時ヒット。
どうやら落下中のムロアジを追いかけ、着底と同時に襲いかかってきたようだ。
7kg前後を皮切りに、バラシやエサ抜かれもあったがまずまずの食いを見せ、最大は15kgロのヒレナガカンパチだった。
この日はエサ釣り以外は泳がせ釣り一本だったが、コマセ五目も魅力的でメインとなるウメイロの調子は今ひとつながら大型のヒメダイが好調。
例年なら7月初旬ごろからチビムロが来遊するはずが今期は1カ月以上遅れ気味。
船長によると、本番はこれからとのこと。
これから大物釣りに挑戦するには最高の時期。
ぜひ、この魅力を味わってほしい。
目次

チビムロエサなら5kg前後が比較的簡単に釣れる
素手で触らない!
泳がせ釣りの命とも言えるエサのムロアジ。
生きのよさがアタリを左右するので素手で触らないこと。
エサ付けはネットで包むようにつかんで素早く付けよう!

釣り座に小型ネットが用意されている
「銭洲」。
釣り人の胸にぐさりと刺さる魅惑のワード。
「行けば銭になる」ことからそう名付けられたように、大物釣りの超一級ポイントである。
「昔はよかった」という話は各所でよく聞く話だが、銭洲の魅力は衰えるどころかますますの輝きを見せている。
その銭洲ではカンパチの絶好シーズンを迎えている。
カンパチは生きたムロアジをエサに泳がせ釣りで狙う。
春から夏場は中型の「中ムロ」メインに狙っていたが、夏場からは小型の「チビムロ」が回遊し始めている。
小型のエサにはカンパチの反応がすこぶる良好で、一気に食ってくることから特エサともなっている。
中ムロではなかなか食い込んでくれなかったサイズのカンパチも、チビムロならパクッと一口サイズというわけ。
釣れるサイズは5kg前後主体と平均サイズは下がるが、その分アタリは増加。
結果、慣れない人でも夢のカンパチを釣り上げるチャンスが増えるのだ。
まさに、これから挑戦する人にとって最高の時期でもあると言える。
もちろん、小型カンパチを導火線に、大型カンパチの活性も上げてくれるから一発大物の期待も高まるし、ここ数年はカンパチだけでなくヒラマサも増加中で、20kg前後の大型が食ってくるのも夢がある。
「今年はチビムロが回ってくるのが遅れていますね。これからが本番ですよ」とは南伊豆下田須崎港・宝栄丸の土屋佑二郎船長。
銭洲のカンパチはとくに今の時期は絶品。
釣るだけじゃなく食べる楽しみも大きいから、まさに今が行きどき。
今回は、銭洲遠征船のシステムから釣り方までを紹介する。

往復はグッスリ睡眠 帰りの運転も楽ラク
銭洲は南伊豆から南方へ約70kg、神津島の南西約35kgの海域にある。
ネープルスを中心にダルマ、小ダルマなど大小の岩礁が浮かぶ。
南伊豆〜西伊豆、沼津などから遠征許可船で狙うことができる。
まずは今回取材した南伊豆下田須崎港・宝栄丸を例にとって、乗船システムを紹介しよう。
目下の集合時間は午前1時。
船が岸壁に着いたら釣り座とベッドを決める。
釣り座が決まったらまずは泳がせ用、ムロアジ&五目用のロッドキーパーをセット。
タックルはロープで動かないように固定しておく。
クーラーボックスはじめすべての荷物の積み込みが完了したら出船となる。
宝栄丸の場合、後方に2段ベッド、前方船室は広間になっている。
慣れない人は2段ベットの下段が揺れが少なくおすすめ。
船室内はエアコンがしっかり効いているが、寒さに弱い人は長袖の持参を。
1時半過ぎごろに出船。
6時ごろに現地に到着するように10kn程度の船速で航行するので4時間ほどの睡眠が可能になる。
現地に到着したら、帰りの着替えを取り出しやすい場所(釣りの後にそのままの格好で船室に入るのは禁止)に置いておく。
泳がせ釣りは7時がスタートとなる。
それまではムロアジサビキでムロアジをキープしておく。
7時に泳がせ釣りをスタートし、当日の状況にもよるが途中でコマセ五目や再度ムロアジを狙い、13時に沖揚がりとなる。
釣り終了しタックルを片付けたら、後方にあるシャワーを浴びて着替えて、船室に入り仮眠。
帰港は16時前と復路のほうが若干早い。
港に着いたら荷物を下ろして車に積み込み、乗船代の精算をして帰路につく。
東京都心部からだと21時半ごろに出発し、順調に行けば21時ごろに帰宅可能。
ほぼ24時間を要するが、往復で7時間ほど休むことができるので、帰りも眠くなることなく(個人差はあるけど)、意外なほど体は楽だ。
タオル、着替え、飲み物、食べ物は多めに用意しておこう。

宝栄丸の大型遠征船
タックルは2セット用意 サビキはチビムロ用を
①泳がせ用
全長1.7m前後、オモリ負荷200〜250号対応のスタンディング泳がせ用、キハダ用など。
1ピースのグラスロッドを使用する人が多い。
リールは大型電動またはレバードラグ式の大型両軸。
ビギナーはまずは電動から始めるのがおすすめだが、ベテランはほとんどの人が手巻き両軸を使用している。
泳がせ釣りによく使われるサイズの電動、例えばダイワのシーボーグG800MJの重量は約1.8kg、シマノのビーストマスターMD6000は約2kgとハイパワーな分、ちょっと重たい。
一方、手巻きでよく使われるアリゲーターバトル20GTの重量は1kgちょっとと約半分。
手持ちで誘ってアタリを出すという現在の釣り方では、この軽さが大きなアドバンテージとなる。
もちろん、電動微速巻きなど駆使すれば同様の誘いも可能だし、ヒットしてからはロッドキーパーに掛けて電動巻きすることも可能だから、どちらが有利というものでもないが、この違いがあることは理解して使用しよう。
道糸はPE10〜12号、ナイロン60〜80号程度のリーダーをFGノット、PRノットなどで直結しておく。
オモリは水深、潮の流れによって150号と200号を使い分ける。
根掛かりもあるのでそれぞれ予備の用意も。
仕掛けはハリス40〜50号、全長2〜2.5m、
ハリは泳がせ釣り用の22号前後。
最近の主流はハリス全長2.3m。
「チビムロのときは20号と小さめのハリと30号くらいの細めのハリスも用意しておくといいですね」とは仲乗りの土屋朝陽さん。
チビムロが確保でき、5kg前後の小型が多い場合は小型バリと細めの仕掛けで挑むというわけ。
根掛かりや根ズレで仕掛けが傷むし、1本釣ったら交換したいので、仕掛けは5セットは用意しておきたい。
仕掛けの接続は大型のクレンサルカン、捨て糸は14号を30cm程度取る。
このほか、ロッドキーパーに付けるロープ、竿に付ける尻手ロープは必ず装着を。
また、グローブの装着が安全安心。
②ムロアジ&五目用
竿は全長2m前後、オモリ負荷対応80〜100号程度の遠征五目用、ライトゲーム用など。リールは中小型電動に道糸はPE3〜4号。
中型テンビンに、ムロアジにはオモリ80号程度の細身のコマセカゴを装着。
五目用にはLサイズのプラビシ、オモリは100号が基本。
ムロアジはアミコマセを使用し、五目はオキアミを使用するのでコマセカゴは2つ用意しておこう。
五目用に2mm径50cm程度のクッションゴムを付けてもいい。
ムロアジのサビキは市販のチビムロ用(船上でも購入可能)を使用する。
ムロアジだけでなく色んな魚が食ってくるが、ムロアジ用はハリスが4号程度と細く切れることも多いので、4〜5セットあると安心。
「中ムロ、チビムロどちらもいる場合はチビムロ用を使ってください。中ムロ用だとチビムロの食いが悪いですから」と土屋さん。
また、海面にチビムロが多いときはノベ竿にサビキ仕掛けを付けて狙うこともある。
エサを釣ったらオケに生かしておくが、手で魚体に触れてハリを外すのは厳禁。
あっという間に弱ってしまうからで、ハリを外すときはムロ外しほか、魚外しを使用すること。
また、仕掛けをたぐるときに滑らず安全な指ゴムも装着しておこう。
五目用の仕掛けは「遠征五目」と書かれた専用のウイリー仕掛けなどを用いる。
ウイリーだけでもいいし、オキアミを装着してもいい。
今回の取材ではほぼ出番がなかったが、泳がせ釣りの合間や潮待ち時にウメイロを狙うのが定番。
今シーズンは調子が今一つだが、代わって大型のヒメダイが好調でお土産になるという。

ムロアジ釣りは真剣に 手早くキープが安心
朝イチはムロアジ釣りから始まる。
タナは5mくらいから海面までで、アミコマセをまきながらシャクって食わせる。
キューンと入り込んだらそのまま巻き上げ、できるだけ魚の近くのハリスをつかんで抜き上げる。
アタリはあるのにバラシも多く、いい加減にやっているとなかなかキープできない。
まずはムロアジを釣らないと始まらないので真剣に釣ろう。
ダブル、トリプルでたぐるときはできるだけ小型のものを優先して入れていこう。
一人15尾ほどキープでき、7時になったら泳がせ釣りに移行する。
「泳がせやるよ〜、準備して」と船長からアナウンスがあったらまもなく投入なので、まずは手早くエサ付け。
各釣り座に小型のネットが用意されているのでムロアジをすくう。
ハリは上アゴ掛けが基本。
「必ずネットで魚をつかんでね。直接触るとすぐにダメになっちゃうよ」と船長は度たびアナウンス。
けっこう強めのアナウンスだから、つまりこれはめちゃくちゃ重要だってこと。
「泳がせやるよ」のアナウンスのあとにすぐに投入の合図が出る。
船長は反応を見て合図を出す。
つまり船下には魚がいる可能性が高いということ。
素早く投入したらまずは着底させる。
ヒットパターンで多いのは、最初の投入の落下時にカンパチにロックオンされて追われ、着底と同時に襲ってくるというもの。
糸フケを取っているときにはもうくわえ込んでおり、フッキングに持ち込める可能性が高い。
もし着底時に違和感があったらそのままの状態で少し待つのもいい。
ムロアジが暴れてから押さえ込まれるような重量感、続いて竿が手元から引っ張られるような強い引きに変わったらそこが合わせどき。
着底時に変化がなければ指示ダナまで上げてアタリを待つ。
「通常のタナは海底から3〜5mくらいですが、底を取り直しながらたまに10mくらいまで上げてみてください」と船長。
海底は起伏の激しい根周りで、一気にカケ上がることも多く、船長のアナウンスを聞き逃さないようにして、浅くなる場合は根掛かりに注意する。
ずっと海底近くのタナにキープしていてもなかなかアタリは出ない。
船長の言うとおり、10mほどゆっくり上げていきエサの存在を周りにいるであろう魚に知らせる。
そこから落としていくときにエサを追わせる。
この繰り返しが基本となり、巻き上げの誘い、落下の動きでアタリを引き出していく。
アタリの出方は色いろあるが、ムロアジが大きいほどしっかり食い込ませてから合わせる必要がある。
早いとスッポ抜け、逆に待ちすぎてもエサだけ取られて終わりということもある。
ここでチビムロを使用していれば、前触れから食い込みまでが早く、大型のムロアジよりは容易だ。
しっかりと合わせを入れてフッキングしたら、まずは竿を起こして追い合わせを入れて巻き上げに入る。
電動の場合はすぐにオンで、やや強引気味に。
手巻きの場合はポンピングしながら巻き上げていく。
ドラグは強めに設定しておき、遊ばせずに巻き上げる。
手持ちで無理な場合は、頑張ってロッドキーパーにかけて、そのまま巻き上げていく。
このとき、強烈な引きでロッドキーパーがずれたり外れたりすることがあるので、投入前にもう一度チェックしておこう。
最後は船長、仲乗りがタモ入れしてくれる。
このとき、オマツリすることも多いが、船長の指示に従う。
「アタリがない人はエサを交換してくださいね」とのアナウンスも頻繁に流れる。
回収してエサが泳ぐようでもいったん外し、新しいものにチェンジ。
今まで使っていたエサもハリを外してオケに入れておけば復活してもう一度使えることもある。
アタリをコンスタントに出す人は常に元気のいいエサを使い、誘いと探りをまめにする人だと船長は言う。
釣りは豪快だが、エサの扱いはとにかくていねいに行いたい。


アタリは投入直後に集中 最大はヒレナガ15kg
宝栄丸を訪れたのは8月23日。
竿を出す機会に恵まれたので、事前に泳がせ仕掛けを5セット結び、各種仕掛けを準備して都内の自宅を午後9時に出発。
最近は新東名から伊豆縦貫道、天城越えというルートが時間、身体的負担も少なくほぼ一択となった。
0時半ごろに港に着くとほかのメンバーはすでに集まっていた。
この日はエサ釣り5人、ルアーが2人という布陣。
船長が来てから釣り座のセットをし、早ばやとベッドに潜り込む。
眠れるかなと心配していたが、次に気づいたのは到着を告げるエンジンのスローダウン音だった。
皆でゾロゾロと外に出るがなんか雰囲気が違う。
目の前にネープルスがあるのに、潮流もウネリもなく穏やかな海に浮かぶ磯といった趣で、「あれ? ここどこだっけ?」と一瞬分からなかったほど。
従来は波がバッシャーンとぶつかり、しぶきの白と黒潮を思わせる深い青色のコントラストが際立っていたが、水色もおとなしめだ。
黒潮がだいぶ南を通っているからだろうか。
すぐにムロアジ釣りが始まる。
チビムロ用の仕掛けを入れて軽くシャクればすぐにアタリがあるものの、どういうわけかすべて外れてしまう。
手持ちでみんな外れるので置き竿にしたところでどうにかポツポツと取り込めるようになった。
ほかの人は15尾以上はキープしていたようだが、筆者は10尾に届かず心許ない。
そこから移動してダルマ周辺の水深35m前後でスタートになった。
自分に課したルールは、カンパチが2本上がってから竿を出すこと。
1投目から仲乗りの土屋さんが竿を曲げた。
すると大ドモの桜井さんも続きダブルヒット!
土屋さんは着底直後、桜井さんは巻きの誘いで食わせたそう。
ほぼ同時に上がったのは土屋さんが6kg級、桜井さんは後検量7kgとまずまずのサイズだった。
いきなりの本命2本に一安心。
早い時間に本命が釣れたのでさっそく仕掛けを入れることに。
着底前後に集中すると、やや不穏な動きを見せるもののアタリとまではいかず。
その後もまめに流し変えて投入するもアタリを出せず。
すると再び桜井さんがヤリトリ。
次はややサイズアップして8kg級。
続いて反対側では初挑戦でヒレナガの5kgクラスをキャッチ。
ここから桜井さんが大型のアカヤガラ、カマスサワラを立て続けにキャッチ。
ルアーマンも小型ながらカンパチを上げる。
筆者は11時ごろに弾が尽きた。
ちょうどそのタイミングで、船長から再度ムロアジ釣りに行くとアナウンス。
次は朝よりもウンとスムーズにムロアジを10尾ほどキープ。
チビムロを取った人もいたようだが中ムロが主体だ。
エサ釣りを終えるとすぐに最後の決戦ととなった。
中盤からは水深70m前後を狙うことが多くなりオモリは200号に。
すでに写真は大丈夫なはずだが、せっかく竿を出したのだから1回はヤリトリしたい。
そんなときにオケの中で22〜23cmのムロアジを発見。
コイツに賭けようと素早くエサ付けして投入。
着底前にブルブルと震える様をキャッチ。
クラッチを入れ着底状態で少し待ってみたら、グイッときて、そのまま竿を持っていかれそうになった。
すかさず思いっきり合わせて電動をオンにしたはいいが、合わせの衝撃でデカアテが飛び、強めのドラグで竿が下向きのまんま。
マズイマズイ、とりあえずこの姿勢をなんとかせねば。
まずは一度キーパーにかけてデカアテをセットし直し、再度手で持ち勝負に入る。
途中で少しドラグが出されるし重量感はまずまず。
どうにか上げたのは15kgのヒレナガカンパチだった。
魚を釣ったのが久しぶりで、汗が吹き出して止まらなかったがなんという気持ちのよさ!
大物釣りはこれですね。
その直後に土屋さんが表紙になった美しいカンパチをゲット。
海況はあまりよくなかったようだがまずまずの食いを見せて13時の納竿を迎えた。
一度釣っちゃうとまた行きたくなるのが釣り人の性。
そろそろキハダにも行かねばだが、チビムロで再挑戦したいと思わせてくれる取材となった。

船中第1号は7㎏クラスのカンパチ

当日最大は15kgのヒレナガカンパチ

初めてでも本命をキャッチ
船宿information
南伊豆下田須崎港 宝栄丸
0558・22・1047
▼備考=予約乗合、1時集合。ほかキンメへも
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