FGノットは締め込みと段取りが要点であることを示した図

強度95%を5分かけるより、80%を30秒で|FGノットは船上で崩れない手順にしておく

FISHING JAPAN 編集部

FGノットの話は、たいてい強度何パーセントという数字で語られる。だが実際の釣りで結果を分けるのは、そこではない。

時合いの真ん中で高切れしたとき、次の一投までに何分かかるか。これである。

多くの釣りで、食う時間は長く続かない。潮が動いている二十分、鳥が騒いでいる十分。そこで組み直しに五分使えば、その日の山場を丸ごと逃す。強度95%を五分かけて組む人より、80%を三十秒で組める人のほうが、その日は釣る。

しかも家で組めることと、船で組めることは別物だ。船上は揺れ、日没後はヘッドライトの光しかなく、指は水と風で冷えている。片手はどこかを掴んでいたい。この条件で、家と同じ手順が再現できるかどうかが分かれ目になる。

だから練習すべきなのは「速く組む」ことではなく、条件が悪くても手順が崩れないことだ。

そのために決めておきたいことが二つある。一つは、テンションをどこで取るか。指で引っ張り続けるのではなく、リールのドラグを締めて竿から張りを取るか、リーダーを口にくわえるか、自分の型を一つに固定しておく。毎回違うやり方をしていると、揺れた瞬間に崩れる。

もう一つは、締め込みだけは絶対に省略しないと決めておくことだ。手順を短縮したくなるのは、たいてい急いでいるときで、真っ先に削られるのがここになる。編み込んだ形が整って見えると、もう出来上がった気がしてしまう。

だが編み込みは、締め込んで初めて食い込む。締めが甘い結び目は、平場では何ともないのに、大物が乗った瞬間や根に擦れた瞬間に抜ける。気づく機会が「一番抜けてほしくない場面」しかないのが、この失敗の厄介なところだ。

もう一つ、現場の時間を最も縮める方法がある。あらかじめリーダーを結んだ替えのスプールか、結束済みの短いリーダーを用意しておくことだ。船上でゼロから組むより、確実に速い。時合いのど真ん中で高切れしたときに効いてくるのは、結束の腕そのものより、こうした事前の段取りである。

結束したら、一度しっかり引いて確かめる。ここで結び目が動くなら、締めが足りていない。ラインが太いほど締め込みには力が要り、細いほど締めすぎると傷む。号数ごとの力加減を、自分の手に覚えさせておきたい。

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