夜釣りで効くのは月齢より月の出入りであることを示した図

「月食の日は潮が動く」は誤り|夜釣りに効くのは月齢ではなく、月が空にあるかどうか

FISHING JAPAN 編集部

8月28日に部分月食が起きた。ただし観測できたのは南北アメリカなどで、日本からは見えていない。日本時間の13時13分頃が食の最大で、そのとき月は地平線の下にあった。

そしてもう一つ、押さえておきたいことがある。月食そのものは、潮に何の影響も与えない。

月食は、地球の影が月にかかる現象だ。影がかかっているあいだも、月の位置は普通の満月と一ミリも変わらない。潮を起こしているのは月と太陽の位置関係なので、影の有無は関係がない。「月食の日は潮が大きく動く」という説明を見かけたら、そこは読み飛ばしてよい。

正確に言えばこうなる。月食は満月のときにしか起きない。そして満月は、新月と並んで潮位差が大きくなる時期にあたる。つまり月食の日に潮が大きいのは、月食だからではなく、満月だからである。順序を取り違えると、次の予測ができなくなる。

ついでに、もう一つの通説も直しておきたい。「満月の日が一番潮が動く」も正確ではない。海には水が動くまでの遅れがあり、潮位差のピークは満月・新月の1〜2日あとにずれる。今回も満月は8月28日で、釣割の潮回りでは翌29日が大潮だった。30日と31日は中潮になっている。

では、月の何が夜釣りに効いているのか。答えは月齢ではなく、その夜、月が空に出ているかどうかだ。

同じ満月でも、月が沈んだあとの時間帯は真っ暗になる。同じ新月でも、日中には何の関係もない。集魚灯を使うイカ釣りのように、暗さそのものが条件になる釣りでは、月齢の数字より月の出と月の入りの時刻を見たほうが役に立つ。

たとえばメバルやアジのように、常夜灯周りで狙う釣りもそうだ。月が出ていれば水面全体が明るくなり、常夜灯の明暗の境目がぼやける。月が沈んでからのほうが、境目がくっきりして魚が付く位置を読みやすい。同じ夜でも、時間帯で条件が変わる。

逆に、月明かりがあったほうが釣りやすい場面もある。足場の悪い磯や堤防では、月があるだけで移動が安全になる。暗さを取るか、安全を取るか。ここは魚だけで決める話ではない。

潮見表を開いたとき、潮回りの名前の隣に月の出・月の入りが載っていることが多い。次に夜釣りの計画を立てるなら、そこを一度見てほしい。「今夜は何時から暗くなるか」が分かる。潮の時合いと、月が沈む時刻。この二つが重なる日を狙えるようになると、夜釣りの精度が一段上がる。

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