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重量感と強い引きが魅力湾フグはヒガンフグの好期へ
湾フグと呼ばれる東京湾のフグ釣りは周年乗合が出船。
季節によりトラフグ、ショウサイフグ、ヒガンフグと主役が入れ代わるが、取材した東京湾奥羽田のえさ政釣船店では10月中旬よりショウサイフグからヒガンフグへと狙いを切り替えた。
10月下旬の取材日は川崎~富岡沖の水深5~15m前後の根が荒い護岸沿いを狙い、22~37cmのヒガンフグをトップ12尾、ショウサイフグやコモンフグも交じった。
今後は秋から冬へと季節が移り変わり水温が下がると、ヒガンフグの群れも固まり数も期待できるという。
湾フグを楽しむならこれからがチャンス!

▲ヒガンフグのアベレージは25~30cm前後
デコレーションしたオモリで釣りを楽しむ
釣りの楽しみ方は様ざまだが、湾フグ釣りではデコレーションしたオモリを使っている人がけっこういる。
当日も何人かいたので話を聞くと、「アピールさせるために塗ってます」、「ラメ入りのマニキュアを塗って楽しんでます」、「自分で塗ったオモリで釣れたら面白いでしょ」とのことで、まさに楽しみ方は十人十色だ。

▲ケースにキレイに並べて収納するところにもこだわりを感じる
東京湾のフグ釣り、いわゆる「湾フグ」は、アタリを取って掛ける釣趣がだいご味。
釣れるのはショウサイフグが主体だが近年は春のトラフグ、秋~冬はヒガンフグもメニューに加わっている。
一部ショウサイフグをメインにする船もあるが、この時期は多くのフグ船がヒガンフグをメインにする。
釣り場は東京湾一帯で、取材した東京湾奥羽田のえさ政釣船店は川崎~富岡沖の水深5~15m前後の護岸沿いなど根周りを狙っている。
開幕して間もないが、釣況は22~35cm前後がトップ10尾以上。
ショウサイフグやコモンフグも交じる。
船長によるとヒガンフグは数が釣れる魚ではないので10尾釣れれば御の字とのこと。
ときには40cmに迫る大型も釣れ、掛けた瞬間の重量感はやみつきになるほど。
しかも浅場で掛かると横走りして引きも強烈だ。
食味も抜群で刺身もおいしいが、身がしっかりしているヒガンフグは鍋物、天ぷら、焼きフグ、フグ飯など火を通す料理にするとグッとうま味が出るのでおすすめだ。

▲潮がよく動い た朝一に良型がよく釣れた
タックルは湾フグ用 チラシ仕掛けが主流
フグのアタリは小さいので、タックルはそれが分かる高感度の穂先を持ちながら、しっかりと合わせが効く張りのある胴を持つ全長1.7m前後の湾フグ専用がおすすめ。
ほかに先調子のシロギス竿で代用することもできる。
釣り場は水深10m前後の浅場が中心のため、リールは小型両軸が基本で、ハイギアタイプなら巻き上げも速く手返しもよくなる。
なお、ドラグはガッチリ締めておく。
道糸は10号の軽いオモリを使うので太いと糸がフケてオマツリの原因となるため、PE1号までをすすめている。
湾フグはカットウ仕掛けが基本だが、ヒガンフグ狙いでは根掛かりしやすく、エサバリにも掛かる率が高いことからエサバリが3本あるチラシ仕掛けを使う人が多い。
えさ政釣船店の岩越船長もチラシ仕掛けを推奨している。
ちなみに根掛かりしたときの被害を最小限にするため、船宿仕掛けはハリス止め式にしている。
元ハリスを8号、先ハリスを3号とすることでカットウバリだけが切れるようになるからだ。
出船前にエサの準備をしておく。
使用するのはアルゼンチンアカエビで、チラシバリに付けるときは、頭と尾羽根をカットして殻をむいたエビの身を3等分に切ってハリに付けやすい状態にしておく。
付け方は左の写真のとおり。
エサを食べたときにハリが口の中に入りやすくするためハリ先は出さずにエサの中に隠しておく。
釣りの途中でエサがなくなってしまったら船上で追加購入、もしくはあらかじめたくさん持参しておき、同じように処理をする。




▲このサイズになると掛かった瞬間の重量感がたまらない
ゼロテンションで待ちアタったら即合わせ
カットウ仕掛けを使った釣りのイメージはエサバリに付けたエビを食べにきたフグをカットウバリに引っ掛けるというもの。
タナは底付近が中心で、着底したらしっかり糸フケを取り、仕掛けを底に着け、ゼロテンションで3~5秒ほど待つ。
このとき竿先を目線の高さに合わせて、竿先と道糸の角度を90度にするとアタリが分かりやすい。
アタリがなければスッとシャクって仕掛けを底から20cmほど持ち上げて2~3秒止め、フグにエサを見せつけるイメージでゆっくり底まで落とし込んでいく。
シャクるときは引っ掛けようと思ったり、大きくシャクると寄ってきたフグを散らすことになるので注意。
アタリは仕掛けを底に着けているときにくる場合が多く、何かしらの変化を感じたら即合わせ。
落とし込みでアタったときは即合わせしても空振りすることが多い。
アタリがあっても合わせずに竿を下げてオモリを着底させ、フグに下を向かせてから合わせたほうがハリ掛かりしやすくなる。
合わせはカットウバリが持ち上がればハリ掛かりするので、手首を返す程度と小さめでいい。
もし空振りしてもまた底までゆっくり落とし込めばエサが残っている限り、再アタックしてくる。
大合わせをするとフグがエサを見失い、エサが残っていても追わなくなってしまうので気を付けよう。
合わせが決まり、ハリ掛かりすると竿に重みが加わる。
魚の重みを感じながら一定速度で巻き上げる。
海面にフグの魚体が出たところで、周りに注意してバットに手を添えて抜き上げる。
大型の場合はタモ入れを頼もう。
ハリを外すときはフグが暴れた弾みに指などに刺さないよう注意。
慣れないうちは、魚バサミなどでフグをはさんでペンチでハリをつかみ、ハリ先を下に向けてフグを落とすようにして抜けばカエシが付いていないので外しやすい。


▲チラシ仕掛けはエサバリに食ってくることが多い
良型主体で引き味格別東京湾のヒガンフグ快調
10月下旬、ヒガンフグを狙って出船している東京湾奥羽田のえさ政釣船店を訪れた。
同宿ではこれまでショウサイフグを狙っていたが、10月中旬からヒガンフグ主体に狙いを切り替えている。
当日は20名のフグファンが集まり、7時に出船。
多摩川を下り、最初に向かったのは川崎沖。扇島周辺の岸壁際、水深6mル前後で「根掛かりに注意してください」とのアナウンスでスタート。
すると早くも岸壁に近いミヨシ側でアタリがあったらしく、左ミヨシで良型のヒガンフグが上がる。
続いて胴の間、トモの順に船全体でアタリが増え、25~30cm級のヒガンフグが次つぎと取り込まれた。
船長によるとちょうど潮が動き出したタイミングらしく、この日は朝イチがチャンスとのこと。
右胴の間では林さん親子が竿を出し、娘のあかりちゃん(8歳)が30cmオーバーの良型をゲット。
アタリを見逃すまいと気迫伝わる真剣さで竿先を見つめる右ミヨシ2番の加藤さん。
ゼロテンションで小さなアタリをとらえてキュッと合わせを入れた。青物のようにギュンギュン走り回って上がってきたのは30cm級のヒガンフグ。
「掛かった瞬間の重量感がたまりません。このサイズが釣れるとうれしいです。今日はこれで3尾目。活性が高そうだからまだ釣れそう」と加藤さん。
ところが9時になるとアタリが遠くなり、本牧方面へ移動。水深5mの岸壁際でショウサイフグやコモンフグ交じりで25cm級のヒガンフグもポツポツ上がるが朝イチほどの釣れっぷりではない。
その中でもコンスタントに釣っているのが右トモ2番で常連の出川さん。
軽くシャクってから落とし込みで誘い、ゼロテンションで出るアタリを掛けていき、昼までにツ抜けを達成。
その後、横浜沖へ移動し、岸壁をゆっくり流して際を狙っていく。
朝イチのような頻繁なアタリはないものの、諦めずに誘い続け、右トモ2番の出川さんが立て続けにヒガンフグを取り込んだところで14時半の沖揚がり。
釣果は22~37cmのヒガンフグがトップ12尾。
今後は冬に向けて水温が下がり群れが固まると、いよいよヒガンフグの好期に突入する。

▲林あかりちゃん(8歳)が釣り上げた30cmオーバーの良型
INFORMATION
東京湾奥・羽田
えさ政釣船店
03・3743・1585
▼備考=予約乗合、7時出船。
カワハギへも出船
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隔週刊つり情報(2024年12月1号)※無断複製・転載禁止

