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激アツ反応てんこ盛り!相模湾のキハダモンスターシーズンへ
▲昨年は10月に入ってからモンスターサイズが連発したが、果たして今年はどうなるか! ?
相模湾のキハダが最盛期に突入した。
9月中旬以降、キハダの群れは湾奥平塚沖へと入り込み完全に流し釣りへと移行、50kgオーバーのモンスターサイズが取り込まれるようになってきた。
当たり年とされる今シーズンは好日には船中10発以上のアタリがあったり一人で3本釣り上げる人がいるなど大いに賑わっている。
この勢いはまだまだ続きそうで、今号発売の10月中旬以降は小田原~真鶴沖に釣り場が移行、クライマックスを迎えると思われる。
▲相模湾のキハダは いよいよモンスター級がそろうクライマックスシーズンへ突入
釣れる釣れぬは時の運!?
今回の取材は9月23日、26日、30日の3日間で、キハダが上がったのは23日と26日の2日で1本ずつ。
23日は2打数1安打、26日は4打数1安打、30日はノーヒットだった。
しかし乗船したちがさき丸では27~29日にかけてもヒット連発。
いくら好調とはいえ相手はキハダ、日により当たり外れがあることは心得ておこう。
※写真はいずれもちがさき丸提供
左から9月27日の30.3kg・9月28日の30.5kg・9月29日の29.7kg・9月29日の26.1kg・9月29日の28.7kg
「反応は連日激アツ。この反応でなんで食わないの?って日もあるけど、食うときはバンバンアタるよ。とにかく今年はキハダが多いよ」と今シーズンのキハダの絶好調ぶりを語ってくれたのは相模湾茅ケ崎港ちがさき丸の米山茂明船長だ。
平塚沖2マイルほどの超近場に船団が形成されたのは9月19日のこと。
群れはほぼキハダとあり、カツオを狙ってからキハダを狙うというパターンではなく、朝から完全流し釣りでのキハダ狙いパターン。
コマセへの反応もよく、キハダの激アツ反応が船下に入るリーチ状態が何度もあり、ヒット数が10回を超える船も珍しくないほど。
これまで釣れるキハダのサイズは25~30kgが主体だったが、翌20日には平塚港の庄三郎丸で53・7kgがキャッチされ、以降は連日のようにどこかの船で50~60kgのモンスターサイズが上がり、28日には72・5kgを取り込んだ船も。
激アツ反応は出るけれど…
そんな状況の中、ちがさき丸に乗船したのは9月23日。
「ハリスの長さは8~10m、26号以上で。なるべくなら28~30号を使ったほうがいいですよ。場所が近いですから、すぐにできるよう準備しておいてください」と出船前のアナウンス。
右舷6人、左舷5人の竿出しで6時に出船すると、港を出てわずか10数分のところでキハダの反応をとらえる。
岸側にはイナダやアマダイを狙う船。
湘南大橋を走行する車も目視できるほどの近場だ。
「どうぞ!30mでやってみてください」
開始してから3回ほどコマセを打ち替えたところで、「船の周りにいるよ」さらにしばらくすると、「入ってきた、入ってきた!」「上がってきた!」「上がったり下がったりしているよ!」「船の下まだ反応あるよ!」とリーチアナウンスが続く。
反応が上がったり下がったりしているのはキハダがコマセを捕食している動きのパターンだ。
反応は30~50mのレンジにテンコ盛り。
だれにアタってもおかしくないほどだ。
しかしこれでどうして食わないの?
探見丸を見ながら竿を構える常連さんが首を傾げる。
ビシを下ろせばキハダの反応も下がる、または船から離れてしまうといった具合で、今日のキハダは少し警戒心が強い様子。
「ビシダナを25mにして、コマセは30mから振り出してください。30mより深くビシを落とさないでください」とアナウンス。
この状況、いかに攻略するか。
当日の私のハリス長は10m。
30mまでビシを落とし、コマセは振らずにいったん25mまで巻き上げ、長さ10mのハリスが馴染むのを待つイメージで20~30秒ほど待つ。
改めてビシを30mまで落とし、30、29、28mと狭い範囲でコマセを出し切る。
そこからビシを20mまで巻き上げてから、ゆっくりと指示ダナ25mまでビシを下ろしていく。
30mの位置にある付けエサが濃いコマセに紛れて35mまで一緒に流れ沈んでいくイメージ操作だ。
加えてコマセの打ち替えはコマセ振り出し後3分毎に行う。
キハダの激アツ反応が入ってくるのはコマセをまいた直後といった傾向がある。
コマセが途切れればせっかく船に着いた反応も離れてしまう。
常に船の周囲にキハダを着かせるよう、こまめなコマセの打ち返しは大事なポイントなのだ。
すると、ゴゴンッとした手応えに続いてギュルギュルッと道糸が引き出される。
「食ったー!」
コマセに同調させながらの落とし込み操作がビンゴ!
船中ファーストヒットはなんと私の竿だった。
セカンドラン、サードランと200mまで引き出されたが、投じたリングが効いたところで巻き上げ開始。
上層にはサメの反応があるとのこと。
80mを切ったところからはほぼマックススピードでの電動ウインチで巻き上げる。
サメゾーンも逃げ切り、仲乗りさんにビシを託したまではよかったが、なんとハリスをたぐるところでハリ外れ。
悔しいけれど、私以上に悔しがったのが船長だったのが印象的。
それだけキハダ釣りに燃えている魂の表れだ。
「アタった!」
長い沈黙が破られたのは先のヒットから3時間後。
弱冠15歳、中学2年生の坂井陸君の竿が突っ込んだ。
強烈なパワーとスピードに圧倒され竿を持つのが精一杯。
安全を考慮して途中で仲乗りさんにバトンタッチ。
「こりゃデカいよ!」
竿を託された仲乗りさんもその手応えに顔つきが変わる。
ヒットからおよそ30分のバトルの末、ギャフが打たれたキハダは今シーズン当日現在の船宿レコードとなる41・2kg!
キハダ初チャレで見事な1本。
あっぱれのひとことである。
マグロリングについて・補足
マグロリングの有効性については前号でも解説したところだが、取材巡りにおいても実際にリングの有効性を認め、とくにモンスターの取り込みではあるとないとでは全然違うと力説し、船に常積している船長もいるほどだ。
しかし、リング使用も場合によっては仇になることも。
その一例が先日の私のバラシだ。
私が使用しているマグロリングはプランタースタンドを改良した自作品。何が問題かというと、線径がハリのフトコロ幅より細いこと。
ハリの掛かり所やリングのハマリ方によってはハリのフトコロにリングが入ってしまい、これが原因でハリ外れになってしまうことがある。
このハリ外れバラシは昨シーズン1回と今シーズン1回経験。
キハダを弱らせる効果は抜群だが、リスクもあるということだ。
もしリングを使用するのであればハリのフトコロ幅より太い線径(12mm以上)のものを選択することをすすめる。
▲筆者自作のマグロリング
おすすめの市販仕掛け
キハダ釣りにトライしようと思っているけど、まだ仕掛けを作ることができない……という人に私がおすすめするのはAmizesu(アミゼス)の新キハダマグロ仕掛け。
理由はとにかく強度に優れているということ。
取材時に41.2kgを釣り上げた坂井少年と姿こそ見れなかったが500m近く道糸を引き出された永峯さんが使っていた仕掛けがコレ。
ハリ、サルカンの結束仕立てがいいのか、ハリスの強度が強いのか分からないが、普通なら切れるだろうくらいの強引なファイトにも耐え、途中でサメに変わってしまったため切ろうとした仲乗りさんに「全然切れないよ」と言わしめたほど。
市販仕掛けに迷ったならこの仕掛けをおすすめする。
▲アイテムは数種類あるが、これからの時期はハリス27号10mを選びたい
2日目はサメに翻弄される
3日後の26日にも釣行。
13名が乗船し、この日も朝から反応はテンコ盛り。
開始早々に右舷胴の間の原さんにヒットするも・・・。
その30分後には右舷トモ2番の永峯さんにヒット。
一気に350mまで走られ、さらに引き出されスプール芯が見えてしまうほど。
これはモンスター確定!
だれもがそう確信し期待したが、残り数十mのところでまたしてもサメに・・・。
船中4発目のヒットは右ミヨシ一番の佐藤さんに。
200mほど走らせたところでしばらく置いて、弱りが見えてきたところで巻き上げ開始。
ヒットから20分ほどでギャフが掛けられたが、途中でかじられてしまい3分の2の姿に。
それでもおいしいところタップリの23・9kg。
船中5発目は沖揚がり間際、左舷トモ3番の小俣さんの竿に。
しかしこれも残念、飲まれ切れにてジ・エンド。
探見丸に映し出された反応にタナを合わせてアテた会心のヒットだっただけに悔しさしきりだ。
先日のように激アツ反応が入ってもなかなかアタリが出ない日もあれば、当日のように高活性でありながらもサメに横取りされたりと、一筋縄ではいかないのがキハダ釣り。
とはいっても今シーズンはその難しさを押しのけるほどキハダの魚影は濃く、船中5~6本もの釣果はもはや当たり前のような釣況が続いている。
ここ数年10月以降は50kgを超えるモンスターサイズが主体となり、キャッチに至るまでの難易度は極めて高かったが、今シーズンは25~30kgといったレギュラーサイズが多いのが特徴。
アタリも多く、キャッチ率も高い。
いわゆる釣りやすいサイズがそろっているということだ。
数年越しで念願のキハダを初ゲット!初トライの人がいきなりゲット!という釣果報告も毎日のように目にする。
この好期にぜひ夢を現実に変えてみよう!
▲3分の1かじられながらも23.9kgあった
INFORMATION
相模湾・茅ケ崎港
ちがさき丸
0467・86・1157
備考=予約乗合。
別船はアマダイ、イナダ五目、マダイ五目へ
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