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[E2F(第10回)]外房大原の一つテンヤマダイ
ヨッシーこと吉岡進がルアー釣りを中心に色いろな釣り物を狙い、毎回釣りの楽しさを伝えていく当連載「Enjoy Every Fishing(略してE2F)」。
第10回はヨッシーが得意とする一つテンヤマダイ。
小型を中心に数が釣れていて、ゲストも豊富な外房エリアへ釣行した。
釣れるマダイは300~800g前後を主体に1~2kg級交じりで好日にはトップ2ケタという釣れっぷり。
ゲストも多彩でワラサやヒラメ、カサゴ、メバルなどが釣れている。
目次

当日は300~500g前後のマダイがよく釣れた
一つテンヤの釣り方
根が荒い場所ではキャストして横に引っ張るとすぐに根掛かりするので、根をかわすためリフト&フォールでなるべく縦の誘いを意識して底から1~2mを探っていく。
当日はこのパターンがハマりよく釣れた。

12月下旬に釣行したのは周年マダイを狙って出船している外房大原港の新幸丸。
船長が向かった釣り場は御宿沖の水深15~35m前後でパラシュートアンカーを下ろしてスタート。
開始早々に1~2kg級のマダイが船内で立て続けに上がり、4kgのヒラメも顔を見せて盛り上がる。
ヨッシーは3~5号テンヤを付けたスピニングタックルを手にアンダーハンドでキャスト。
底から2mの範囲をリフト&フォールで探って300~500g前後のマダイを次つぎに釣り上げていく。
後半になると潮の流れが緩く船があまり動かなくなったため、ドテラ流しで再開。
根掛かりが多い場所に差しかかり同船者が苦戦する中、ヨッシーは小さなアタリをとらえて順調に数をのばしていく。

小型のマダイは抜き上げて船内に取り込む
「きっと釣れるだろう」という楽観的な見込みは、釣り人の表情を明るくする。
12月20日、夜と言ってもいい暗さの早朝4時半に外房大原港・新幸丸の船宿に集結したE2F取材班は、にこやかだった。
イチロウこと鹿島一郎さん、トモキこと板倉友基さん、そしてライターのタカハシゴーも期待に満ちた明るい表情である。
ヨッシーことジャッカル・プロスタッフの吉岡進さんは、偶然にも同船することとなった同プロスタッフのヒデさんこと宮本英彦さんと情報交換している。
ヨッシーもヒデさんも朗らかだ。
昨日までの新幸丸は、マダイの数が出ている。
今日はナギで、明日からはシケの予報だ。
昨日がイケたなら、今日もイケるだろう。
いや、どう考えても今日しかない……。
そう考えるのはE2F取材班やヒデさんだけではなかったようだ。
平日だというのに新幸丸は満船である。
新幸丸では、一つテンヤマダイを周年の釣り物としている専門船だ。
この時期は秋の名残りで浅場を中心に攻め、数釣りと大物一発狙いの両方が楽しめる。
「デカイのこないかなあ」とヨッシーが言った。
大原の一つテンヤは5kg、7kg、果ては10kgといったモンスター級マダイがいつ食ってくるとも限らない、夢のある釣りなのだ。
5時35分、船が港を離れるときは、いつもおかみさんが笑顔で見送ってくれる。
動き出した船の上から「釣れますかね?」と尋ねるヨッシーに、岸壁から「釣れますよぉ!」と力強く答えるおかみさん。
空はまだ暗かったが、みんなの心は明るかった。

ヒデさんこと宮本英彦さんに偶然出会い、一緒に釣りを楽しんだ
エビエサを使う一つテンヤは多彩なゲストが釣れるのも魅力
6時20分、水深15mの浅場で釣りが開始されると、いきなり船中で1枚目のマダイが釣り上げられた。
ますます期待が高まる。
水深は15mからどんどん落ち、24mにまでなった。
御宿沖は荒い根が広がっており、岩礁帯からはカジメが生え、魚たちが寄り集まる豊かな海を形成している。
一つテンヤは多くの魅力がある釣りだが、その一つにアタリの多さがある。
魚たちが大好きなエビを1匹丸ごとテンヤに装着し、豊かな海に落とすのである。
上から落下してきたエビをすぐに魚が発見するだろう。
着底したかと思えばフワッと浮き上がり、スーッと魅惑のフォールをする。
着底。
フワッ。
スーッ。
着底。
フワッ。
スーッ。
大好物のエビがこんな動きを繰り返したら、魚はたまらなない。
思わず岩場の陰から食いつくだろう。
釣りバリが潜んでいることが、なんとなく分かっていたとしても……。
本命のマダイに限らず、大好物のエビが見せる魅惑の動きに様ざまな魚が飛びついてくる。
つまりアタリが多く、その都度釣り人をドキドキさせてくれる。
E2F取材班で真っ先に竿を曲げたのは、イチロウだ。
通常、一つテンヤは専用ロッドを使う。
しなやかにテンヤを操作し、繊細にアタリを検知し、なおかつ大物の引きを力強く受け止められるのは、なんと言っても専用ロッドだ。
しかしイチロウは今回、ジャッカルの汎用ルアーロッドGSW-S63SULを使っていた。
これがちょっとばかり面白い結果をもたらしたのだ。
詳細については後のち記していくが、ひとまずは彼がE2F取材班として真っ先に竿を曲げたシーンに戻ろう。
彼が釣り上げたのはゲストの定番ショウサイフグだった。
続けざまに魚を掛けたイチロウだったが、今度はリリースサイズのかわいいマハタ。
本命のマダイはなかなか顔を出さないでいる。
ヨッシーは、出船時の明るい表情をやや曇らせながら、「ウネリと風がケンカしちゃってるね」と言った。

朝イチに1kg級のマダイが上がった
テンヤを軽くして根掛かり軽減 合わせてもフッキングしない !?
実は1投目から根掛かりでテンヤをロストしてしまったのだ。
「南から入ってくるウネリに押され、北から吹く風に押されて、一つテンヤの定番であるパラシュートアンカーが効かないんだ。だから横流しの釣りになったけど、ちょっと海がガチャガチャしてたね……」
5号のテンヤを使いカーブフォールでマダイを狙っていたヨッシーだったが、テンヤの重さと船の動きにより根掛かりを回避できなかった。
6時45分、イチロウとトモキがマダイを釣り、タカハシゴーが安定のバラシを披露する中、スタートダッシュを切れなかったヨッシー。
しかし、ここからの修正は見事だった。
テンヤを3号に交換した。
5号だとカジメの間に入り込むなどして根掛かりしやすいからだ。
テンヤをキャストし、PEラインを水深と同じくらい送り出したらカーブフォールさせる。
「カツカツッと食ってきたけど、合わせてもなかなか乗らなかった。合わせる、乗らない、合わせる乗らない……そして3回目にようやくフッキングに持ち込めたよ」
ヨッシーと仲のいい若船長、山口大地さんのネットに収まったのは、1kgに届くかどうかの40cm級。
「よかったぁ。ホッとしたよ」とため息を吐いたヨッシーは、「今日は食いが浅いな……」とつぶやいた。
そして最後に付け加えた一言が、残念ながらこの日のすべてを的確に言い表していた。
「んっ……」と鋭く合わせたかと思えば「あれっ……?」と肩を落とすシーンが連発したのである。
イチロウが一つテンヤ専用竿ではなく汎用ルアーロッドのGSWを選んだのは、それまでの新幸丸の釣果情報を見てのことだった。
11日13~21枚。
14日4~14枚。
15日4~18枚。
17日8~13枚。
直前の19日こそ1~8枚と数を落としたものの、全般的にはツ抜けをイメージしてもおかしくない好調ぶりだ。
港を離れる前のイチロウは、「20枚ッスよ。20枚!」と目を輝かせていたが、直近の最良釣果しか目に入らない(入れない?)のは釣り人の業。
次のコメントを発したイチロウを、だれも責めることはできない。
「どっちみちアタリは多そうだから、何かちょっとトライしてみたくて」と、カーブフォール中のアタリの取りやすさを見込んでチューブラーティップのGSW-S63SULを選んだのだ。
だが、好事魔多し。
この日はアタリ自体が少なく、ヨッシーの言葉どおりの食いの浅さゆえにアタリも小さく、専用竿を使うヨッシーでさえ苦戦するような状況だった。
永遠の初心者・タカハシゴーももちろん苦戦していた。
船中ではポツポツとマダイが上がる中、なかなかアタリが取れない。
「ん~? もしかしたらなんか触ったかなあ……」と恐る恐る仕掛けを回収すると、エビエサの頭だけなくなっている。
マダイは、味噌が詰まったエビの頭部が大好きだ。
食い気が立っていれば身だけでも食ってくるが食いが浅い場合、頭を失ったエビエサは交換したほうがヒット率が上がる。
珍しくこまめにエサを付け替えたタカハシゴーだったが、それが功を奏し、彼としては珍しく釣り開始から1時間未満---6時20分に釣りが始まり、48分後の7時8分---には本命マダイをキャッチした。
が、彼のささやかな喜びの声はすぐに大歓声にかき消された。
タカハシゴーがようやくマダイを釣ったわずか2分後、船中で2.2kgの見事なマダイが上がったのである。
いる……!
やはりこの海には、中ダイもいれば、大ダイも潜んでいる……。
色めき立つ新幸丸。
直後にヨッシーの竿が大きく曲がる。
きたか……!?
緊張感が高まる。
しかしヨッシーは余裕の表情だ。
上がってきたのは20cmのキープサイズをギリギリ超えたかわいいマダイだった。

1枚釣れてひと安心
一日たてば様子が一変する 前日のパターンが通用しない
6時20分の釣り開始から9時までの間、魚の反応はよかった。
大ベテランである山口新一船長の操船もあり、釣りにくい海況でもアタリが途切れない。
マダイはもちろん、4kgのヒラメ、メバル、カサゴなどが交じりながら、にぎやかな新幸丸である。
豊かな海を満喫する。
しかし、9時を過ぎるとスッとアタリが遠のいた。
適度にポイントを見切り、船を回す新一船長。
なかなかマダイが顔を出さない中、「はい、上げてください」というアナウンスで回収していたイチロウの竿がひん曲がった。
「大ダイ……ではないな、コレは」と言いつつも、ライトなタックルで豪快な引きを楽しむイチロウ。
上がってきたのは丸まるとしたワラサだった。
この日のイチロウは、なんとゲストだけで七目を達成した。
ショウサイフグ、カスザメ、アナハゼ、カサゴ、ササノハベラ、マハタ、そしてワラサ。
外房の海の豊かさを見せてくれたイチロウだったが、肝心の本命マダイは今イチ。
永遠の初心者・タカハシゴーにも及ばないという由々しき事態である。
「今日みたいにマダイのアタリが小さいと、やっぱり専用竿がよかったな……」と、大海原で後悔するイチロウである。
11時の沖揚がりを迎えたとき、二人の釣果は、専用竿を使うタカハシゴーがゲスト1尾、本命4枚。
汎用竿のイチロウは、ゲスト七目にもかかわらず、本命2枚である。
腕の差は歴然としている。
言うまでもなく、イチロウのほうがうまい。
ということは、これはタックルの差でしかない。
マダイのアタリが、いかに繊細で微小であるか。
そして食いが浅ければその傾向はますます強まり、専用竿がいかに有利かを示す事実であった。
トモキもマダイは4枚。
「根掛かりが怖くて、底を攻められませんでした。アタリも少なくて、『釣った』というより『釣れちゃった』という感じかな」と、不完全燃焼の様子だ。
さて、ヨッシーは船長が流し変えるたびにポツ、ポツとマダイを上げ、終わってみれば8枚の竿頭だ。
ヒデさんが7枚でこれに続く。
「水温が下がっちゃってさぁ。食いが浅かったねえ」と新一船長も天を仰ぐ難しい状況ではあったが、ジャッカル・プロスタッフの面目躍如である。
「テクニカルだったね」とヨッシーは振り返る。
「アタリを出すのも簡単ではなかったし、アタリを出してから掛けるのも手強かった。正直、パターンというようなパターンを見つけられるほどのアタリがなかったんだよね。潮と風のぶつかり合いで船が落ち着かず、カジメの根までテンヤを落とすとすぐに根掛かりしてしまう。だから軽めの3号にして、カーブフォールもカジメの上までにするようなイメージで釣ってたよ。いやぁ、難しかったね」
だがこれも、一つテンヤの魅力のひとつである。
一日たてば様子が変わり、前日までのパターンが通用しない。
臨機応変にその日の釣れる釣り方を見つけ出し、専用タックルの力を引き出しながら釣果を出す……。
竿頭のヨッシーは、これをやり切ったのだ。
昼の日差しをさんさんと浴びる港に戻った彼の表情は、結局は明るかった。


薄暗いうちは潮が流れて食いがよかった

後半は潮が止まり食い渋る中、コンスタントにマダイを釣るヨッシー
ヨッシーのメモリアルショット
この連載取材には「おやつタイム」がある。
イチロウが変わり種のエナジードリンクや、チョコレートなどをE2F 取材班に配り始めたのがきっかけで今では恒例になっている。
今回のおやつはトモキが用意した「チョコパイ」でヨッシーも大好物。
この時間は気分転換になるし、エネルギー補給もできる。
ちなみにバナナもおやつに含まれる。

Enjoy Every Fishing Tackle & Lure guide
タックルの使い分けはテンヤを投げて広く探るときはスピニング、船下を狙うときはベイト。
スピニングタックルは固定式のビンビンテンヤ鯛夢の3~5号を使い、少し浮いているマダイを、ベイトタックルはTGビンビンテンヤ鯛夢遊動の8号を使い、底付近にいるマダイを狙う。

How to attach fishing bait

船宿インフォメーション
外房大原港 新幸丸
0470・62・1500
親子三代で周年一つテンヤマダイへ出船。
新一船長と大地若船長が親切ていねいに釣り方を教えてくれるし、貸し道具も充実しているのでビギナーにもおすすめの船宿。
大船長が作るカブラ(受付で購入可)は釣れると評判だ。
▼備考=5時集合、集まり次第出船
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