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八十八夜からのシロギス型ぞろいの東京湾中ノ瀬束釣りもある本格シーズン
昔から釣り人の間では「キスは八十八夜から」と言われている。
八十八夜とは立春から数えて88日。
越冬を終えたシロギスが、水温の上昇とともに本格的にエサを追うシーズンが始まるという言い伝えだ。
今年の八十八夜は5月1日で、まさに今が釣りどきとなる。
東京湾奥横浜本牧出船では航程20分ほどの中ノ瀬、水深15m前後がメインの釣り場となる。
もう一つの代表的な釣り場、木更津~富津沖に比べるとやや深いものの型ぞろいが特長。
乗船した長崎屋のおすすめは胴つき1本バリ仕掛け。
仕掛け絡みが少なく、この時期の厄介者アカクラゲ対策にもなるからだ。
すでにトップ束釣りも続出する釣れっぷりで、さらなる釣果アップも十分に期待できる。
目次

▲好シーズンになると平日でも大賑わいの船上
キャストはアンダースローで
当日のように込んでいる船上では、たとえ5mでも仕掛けを投げただけでアタリの数は明らかに増える。
シロギスに限らず、乗合船で仕掛けを投げるときはアンダースローが原則。
キャストはオモリを左手(右利きの場合)に持って竿の反発力で飛ばす。
何度か練習すれば飛距離ものびるはすだ

▲オモリを左手に持ち/竿の反発力を生かして振り上げる
初夏になると水温が上昇し、東京湾内ではあちこちのポイントでシロギスが活発にエサを追うようになる。
主なポイントは中ノ瀬と呼ばれる東京湾奥中央に広がる瀬だ。
潮の流れや風の強さによって流し方は異なるが、船を風上に向けて立てたり、横から風を受けて流したりする。
盛夏になって浅場を攻めるときはパラシュートアンカーを入れることもある。
船がゆっくりと動いて、道糸が引っ張られるような潮具合がシロギス釣りにはちょうどいい。
シロギスの仕掛けは大きく分けて3種類ある。
昔ながらの片テン仕掛け、胴つき仕掛け、エキスパートが愛用する振り分け仕掛けだ。
本稿では、近年の東京湾で主流となっている胴つき仕掛けに絞って解説したい。
取材にうかがった長崎屋も胴つき仕掛けを推奨していて、ほとんどの釣り人がこれを使っている。
取材時も船宿オリジナルの胴つき1本バリ仕掛けを使用した。
図は長崎屋の船宿仕掛け仕様に準じている。

▲中ノ瀬は良型中心の数釣りシーズンへ
絡みにくくて手返しがいい胴つき1本バリ仕掛け
竿はシロギス専用で、竿先が軟らかいのが特徴だ。
軟らかな竿先はシロギスのアタリを弾かない(飲み込んでエサを吐き出しにくい)が、胴まで大きく曲がる軟調子だと誘いがしにくいので、胴の張りがしっかりした先調子の竿を選びたい。
リールは小型スピニングにPE0.8~1号を巻いておく。
フロロカーボン2~3号の先糸を2mほど付けておくと、竿先への絡みなどのトラブルを防止できる。
オモリは15号のナス型または小田原型を使う。
エサはアオイソメが用意されるので、5cmほどの長さになるようハリに真っすぐ刺す。
胴つき仕掛けは1本バリと2本バリがあるが、最初は1本バリ仕掛けをおすすめしたい。
1本バリで手返しよく、常に新鮮なエサに付け替えるのが結果的にアタリを増やすことにつながるからだ。
また、この時期に悩まされるのがアカクラゲの触手だが、1本バリ仕掛けのほうが絡んだ触手を取り除きやすいという利点もある。
胴つき仕掛けの釣りに慣れたら、2本バリ仕掛けを使うのがよいだろう。

竿をシャクってエサを動かしシロギスへアピールさせる
仕掛けを前方にキャストし、オモリが着底した後、糸フケを取ったら誘いの動作に入る。
この誘いの動作がシロギス釣りではとくに重要で、誘いの巧拙によってアタリの数がかなり変わってくることを意識しよう。
図に誘い方と仕掛けの動きを記す。
胴つき仕掛けで大切なのは、オモリを着底させて静止させる「間」を作ることだ。
①のオモリを底に着けた状態ではエサは底に沈んでいる。
潮が流れているときは、ハリスが張ってエサがユラユラしている状態になる。
この状態でもシロギスが食ってくることはある。
置き竿の釣りは、このようにオモリを底に着けて待っている状態だ。
しかし、より多くアタリを出したい場合は、②~④のように、竿をシャクってオモリを浮かせ、再び海底に落とすことによりエサが跳ね上がる状態、落下する状態を意図的に演出してやる。
これらの動作の目的は、エサを動かしてシロギスにアピールすることと、ハリスが張った状態を保ちアタリを伝わりやすくすること。
数を釣る人の釣り方をみると、仕掛けをまめに動かしていることが分かると思う。
気をつけたいのはシャクリ上げる幅で、初心者はチョンチョンと小さく動かしているのを見かけるが、それだとエサの動きが悪いしハリスに遊びが出てアタリがとらえられない。
竿先をやや下向きの位置から頭上まで大きくシャクリ上げることがポイントで、オモリを海底から1m以上浮かせて大きな誘いを心がけよう。

アタリの出方と最適な誘いパターン
次に仕掛けの状態とアタリが出るタイミングを意識しよう。
シロギスのアタリの出方は様ざまだ。止まっているエサを口にしたときは、竿先にモゾモゾとアタリが出るが、ハリスがたわんでいるときなどはアタリが出ないこともある。
誘いを入れたときに竿先に重みが伝わるのは、止まっているエサをシロギスが口にして吐き出さずにいたときと考えられる。
活性の高いときなどはいきなり竿先がひったくられることもある。
いずれのアタリにも竿先を軽く持ち上げて合わせを入れる。
誘い始めにエサが動いた瞬間、あるいは誘い上げてエサが浮き上がるときにアタリが出ることもある。
この場合も軽く合わせを入れ、そのまま糸を緩めずにリーリングに入る。
このアタリの場合はハリが飲み込まれずに口際に掛かっていることが多い。
最後はシャクリ上げたオモリを再び落としたときの、落ちるエサの誘いだ。
この誘いが胴つき仕掛けでは最も効果的な誘いと筆者は考えている。
上からエサが落ちることで離れた位置の魚にアピールできるためだ。
エサの十分な落下距離を確保するためには仕掛けを大きく、最低でも1mはシャクリ上げなければならない。
エサが落下中にもアタリが出ることがあるが、見逃しやすい小さなアタリなので違和感を感じたら合わせる。
以上が誘いとアタリの出方の基本パターンだが、実際にはこれを実行していても釣果に差がつく。
上手な人は誘いの大きさや強さ、オモリを止めているインターバルを変えているためだ。
誘いのパターンは潮の速さや魚の活性で変わる。
その時どきで最も効果的なパターンを探索し、早く最適解を見つけることがアタリを増やす秘訣だといえるだろう。
図にその基本手順を示してみた。
例えば、潮が速ければ誘いは大きく、魚の活性が高ければ待ちは短くといった条件で判断するが、これらは一日のうちでも変化する。
周りを差し置いて一人だけ好調に釣っている人は、常に最適パターンの誘いを実践している人だといえる。
潮が変わったり活性が変わったなと思ったら、釣り方を変えてやることが大切だ。



▲初めてのシロギス釣りで良型、うれしくないはずがない
トップ1束超の釣れっぷり中ノ瀬のシロギス本格化へ
取材日は、朝のうちは風が弱く、船長は船を風にうたせながら広く流した。
潮はあまり動いていないようでアタリは少なかったが、それでも釣る人はコンスタントにシロギスを食わせていた。
釣り方を観察すると、やはり誘い幅が大きい。
2m近くシャクっているように見える。
常連さん同士で、「今は待ちが長いほうがアタリが出るよ」など情報交換をしながら数をのばしている姿も見られた。
釣れ上がるシロギスは大中小交じりだが、平均18cmほどの中型がそろうのが中ノ瀬の特徴だ。
筆者も途中から竿を出し、シロギスのアタリと小気味よい引きを十分に楽しめた。
東京湾では春先から初夏にアカクラゲが発生する。
この日もときどきアカクラゲの触手が仕掛けに絡んできた。
この触手は面倒でもその都度取り除いてやらなければならない。
仕掛けにアカクラゲが付いたままだとシロギスが食ってこないためだ。
アカクラゲを取り除くためにキッチンクロスや台所用スポンジを持っていくと役に立つ。
後半になると南風が強まりアタリは取りにくくなってきたが、アタリのペースは上がり数人が同時に竿を曲げるシーンも多く見られた。
ただし、シロギスは広く散らばっているわけではなく、同じ流しでもアタリが多い時間帯、少ない時間帯がはっきりしていた。
アタリがあったら手返しよく釣ることが数をのばすコツの一つだろう。
この日のトップは103尾で、ショート船ながら束釣りの好釣果で、東京湾の魚影の濃さを十分に感じることができた。
長崎昭船長の話では、今シーズンは例年と同じく4月に入ってから釣果が上向いてきたが、取材日の時期はまだ群れが散っている状況で、中ノ瀬の中でも場所によって釣れる釣れないがはっきりしているそうだ。
5月に入ると水温も上昇し、群れが広く回遊するだろうとの予想だ。
東京湾のシロギス釣りは八十八夜を過ぎてからが本格シーズンになって魚の活性も上がる。
アクティブに誘ってアタリを増やす釣りをマスターして、シロギス釣りの楽しさを倍増させよう。

▲この日は103尾でダントツトップ
船宿INFORMATION
東京湾奥横浜本牧
長崎屋
045・622・8168
備考=予約乗合、8時出船。
ほかアジへも出船
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隔週刊つり情報(2025年6月1号)※無断複製・転載禁止

