タコ 釣り人 写真

マダコの生態学、少し学んでみませんか?知れば知るほどおもしろい!タコの種類や釣り方を徹底解説します!

FISHING JAPAN 編集部

関西では昔から「麦わらダコに祭りハモ」といわれるように、マダコとハモは初夏から盛夏にかけて特に好まれる食べ物のひとつです。

その中でも麦わらダコは、麦秋の季節を迎えるころから釣れ出し、美味しくなるので、このような呼び名がつけられたといわれています。

また、もうひとつ別の説としては、日増しに日差しが強くなり、そろそろ麦わら帽子をかぶって漁に出ようかなという時期からマダコが釣れる始めるため、麦わらダコの呼び名が付いたというものです。

また、タコという呼び名ですが「た」には手という意味があり、「こ」はたくさんという意味があるので、手がたくさんある生き物ということになります。

今回はこのタコの生態を詳しく見ていきましょう!

梅雨の水を吸って大きくなる

関西では初夏から夏にかけて特にマダコが珍重されます。

そのため、マダコの本場である兵庫県の明石周辺では、昔からマダコは梅雨の水を吸って大きくなるという言い伝えがあるそうです。

ところがおもしろいことに関東では、夏ではなく年越し魚の代わりに年末によく食べられるそうです。

もっとも関西でも、夏場以外に秋ダコとか寒ダコと呼ばれるシーズンがあって、晩秋から冬にかけてもよく食べられています。

さて、タコの仲間は頭足類の八腕目に分類される軟体動物です。

頭足類というのは頭のすぐ下に足があり、頭のすぐ上に胴が乗っかっている異様な動物だからです。

タコとよく似たイカも頭足類で、こちらは腕が10本あるため10腕目に分類されます。

タコもイカも皆さんが頭だと思っている部分が実は胴であり、胴のすぐ下にある目がついた部分が頭なのです。

このように異様な格好をした生き物なので、外国ではデビルフィッシュ(悪魔の魚)と呼び、気味が悪いので食べない国が多いです。

そのせいか、イカ、タコ類が大好きな日本は、消費量が世界一多い国だと言われています。

日本で食用にされているタコといえば、マダコの他にヤナギダコ、ミズダコ、イイダコ、テナガダコぐらいですが、日本と同じようにタコをよく食べる韓国では、テナガダコの踊り食いが有名ですね。

まだ生きていてくねくねと動く足をぶつ切りにし食べるのですが、口に放り込むと舌や頬の内側を吸盤で吸いつかれ、余り気持ちのいいものではありません。

ただ、観光客は珍しがって食べているようです。

内海に多いイイダコはおなじみの食材ですね。

特に、頭に飯(いい)と呼ばれる卵を持ち始めるシーズンが美味しいですね。

また、全長3mにもなるお化けダコのミズダコも北の地方ではよく食べられます。

山陰の浜田では生の足をスライスしてしゃぶしゃぶにして食べたり、干しダコにしたり、食紅を使って真っ赤に染め上げられた酢蛸にも、ミズダコが使われていることが多いです。

タコ餌木の釣りが最近の流行

マダコのなかには地付きと呼ばれるものと、渡りと呼ばれるものがあります。

渡りと呼ばれる群は季節によって100km近くも移動するものがいるそうです。

そして、この渡りと呼ばれるものは秋から冬にかけてぐんと肥え、冬に一人前の大ダコになって春に産卵するそうです。

一方の地付きと呼ばれるものは、一年中同じ海域にいて、夏にぐんと大きくなり秋口に産卵します。

このことからも分かるように、明石のタコが夏に珍重されるのは、地付きが多いためであり、これを浪速っ子が好んで食べたのです。

だとすれば、東京湾のタコが冬に珍重されるのは、冬によく太る渡りの群れが多いからかもしれませんね。

さて、船からのマダコ釣りといえば、羽子板ともよばれるタコ掛け道具に関東ではシャコのエサ、関西では小アジやイワシなどを縛りつけて、海底をごとごと引きずりながら釣るのが定番です。

ただ、白いものや脂を出すものも好まれるようなので、明石周辺では小アジなどの上に白いブタの脂身を縛り付けたり、鶏の骨付きのモモをそのまま使う船宿もあります。

エサを縛り付けたテンヤの上30cmほどの所にきんきらで派手なテープが縛り付けてあって、これを水中で激しく動かしながら誘う釣りが行われてきました。

しかし、一説には、縄張りを持ったマダコが、このきんきらテープに気付いて、縄張り侵犯を阻止するためにテンヤに近付き乗るのだともいわれています。

最近では、テンヤの代わりにマダコ用の餌木を2個づけして、小刻みにしゃくりながらマダコを乗せる釣り方が流行し始めています。

また、防波堤からの釣りも盛んですね。

300~400gクラスから1kgクラスまで釣れますが、夏場は平均して小型が多く、秋口から大型が出るようになります。

釣り方は、タコジグと呼ばれる小ダコの格好をした擬似餌を波止の壁に沿って落とし込み、小刻みに揺すりながらマダコの気を引いてタコジグに乗せるというユニークな釣り方です。

釣り方もタコの種類も色々あっておもしろいですね!

これでかなりタコの生態について詳しくなったのではないでしょうか?

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